「諏訪原市」に暮らす、ごく普通の学生藤井蓮は親友の遊佐司狼と殴り合いの決闘を起こし、決別。 それでも幼馴染の綾瀬香純や先輩の氷室玲愛と共に元の学園生活にも戻りつつあった。 しかし、彼らの住む諏訪原市では人が首を斬り落とされて殺されるという無差別連続通り魔事件が起こり始める。 奇妙なことに蓮はその頃から、自分が断頭台で首を刎ねられるという恐ろしい悪夢にうなされ始めていた。だがそれは彼にとって恐怖と苦悶に満ちた戦いの物語の前触れでしかなかった。 裏返る日常。暗躍する闇の超人達。街は戦場へ変わり、常識を超えた不条理が蓮を襲う。戦わなければ生き残れない現実の前に、彼は平凡な生活を取り戻せるのか-
エレオノーレの追撃から辛うじて逃げ去った蓮はトリファから同盟を提示される。玲愛を救うという二人にとって共通の目的。そして、大隊長の三人のいずれかを倒せばいいという条件。たとえ、どれほど困難な道であったとしても選ぶことに躊躇いのないはずの道であった。しかし、ルサルカの知識を奪った司狼はトリファは信用できないと言う。決断する間もなく、突如暴走を始めたトバルカインにより、状況は混乱を深めていく。トリファは、創造位階のさらに上、流出位階について示唆を残し、立ち去ってしまう……。
ラインハルトの黄金錬成を阻止するため、訝しみながらも共闘を受け入れた蓮。しかし、トリファは自らの目的のためだけに、暗躍を開始する。ゾーネンキント。黄金錬成にとって欠けることの許されないピースであるが故に“不完全な”それを使い、かつて失った子供たちの蘇生だけを掠め取る……それが彼の目的であった。しかし、エレオノーレによってその思惑は狂わされ、時間を稼ごうにも目の前にはマキナが立ちはだかる。絶体絶命の状況でトリファとマキナ……二人の渇望、創造がぶつかり合う。
マキナの一撃の前にトリファは敗れ去る。魂は捧げられ、第七のスワスチカが開かれた。一方、ラインハルトの語る不死英雄の真実を知った螢は絶望し、自暴自棄になりかける。しかし、蓮や司狼の強固な、決して諦めることのない意志に触れることで、強大な敵に抗う決意を取り戻す。それに相対するように、ラインハルトは大隊長の問いかける。勝利とは何かと。その答え――勝利とは高みであり、足跡であり、極点であると。そして両陣営が激突する。刹那、凄まじい衝撃が世界を襲い――第八、最後のスワスチカが開いた。
司狼とシュライバー、螢とエレオノーレ、蓮とマキナ。それぞれの戦端が開かれる。大隊長の圧倒的な実力の前に三人は為す術もなく、蹂躙されていく。病的なまでのトラウマに対して無自覚なシュライバー、ラインハルトへの忠義を語るエレオノーレ、そして自らの望みを語るマキナ。そのマキナの渇望の大きさに徐々に追いつけなくなっていく蓮。かつてあったはずの出来事、記憶がフラッシュバックしていく。そして、マキナの必殺の一撃を正面から受けてしまう。今まさに砕け散ろうとする肉体、その刹那、蓮へマリィの声が響く。
大隊長三人に圧倒される司狼、螢……そして蓮。マキナの必殺の一撃を受け、終わるはずだった蓮は再び立ち上がる。時間の止まったものは壊せない――ずっと願いつづけていた“時が止まればいい”という渇望が流出する。あらゆるものの時間を止める蓮の渇望によって生まれた隙を突き、司狼、螢は辛うじて勝利を掴む。そして、彼に想いを託す。蓮はかつての戦友だったマキナとの激闘の末、勝利する。託された想いを胸に蓮はラインハルトへと立ち向かう。そして、最大の戦い――流出位階到達者同士の死闘が始まる。
流出位階到達者の激突は一進一退の攻防が続く。“総てを愛し、総てを破壊する”ラインハルトの渇望、“時が止まればいい”という渇望がぶつかり合い、せめぎ合う。巨大な渇望はやがて世界を引き裂き、二人は特異点の穴へと落ちていく。その先で待っていたメルクリウスを見て、二人は彼がこの世界の神であることを察する。そして自分たちの渇望がロクな世界を生まないことも。蓮は新世界のため、ラインハルトの打倒を改めて決意する。激闘の末、勝利を掴んだ蓮。マリィに抱きしめられ愛を誓い合った瞬間、彼女の渇望が流出していく――。
藤井蓮は親友の遊佐司狼と殴り合いの決闘を起こし、決別。それでも幼馴染の綾瀬香純や先輩の氷室玲愛と共に元の学園生活にも戻りつつあった。しかし、彼らの住む諏訪原市では無差別連続通り魔事件が起こ…
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