April01

ワンピース シャボンディ諸島編のApril01のレビュー・感想・評価

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記録
400話
ロジャーとレイリー 海賊王とその右腕

このエピソードで交わされる会話は、とても重要。
ワンピースという物語の核心に触れている。
空白の100年の歴史とは?
ワンピースは本当に実在するのか?
この両方についての答えを知る人物に質問しながらも、答えを求めるのをやめている。
ここでレイリーから語られたら、もうこの話は終わり、というくらいの核心。

でも後々そんなに大袈裟にあちこちで、特に100年の歴史については、ポーネグリフを前に、知りたがるロビンの姿を見るにつけ、あの時レイリーに聞くことできたのに、聞かなかったんだよねって突っ込みを入れたくなるのは仕方ない。


レイリー「ああ、副船長をやっていた。シルバーズ・レイリーだ」
サンジ「しかしよ、ゴールド・ロジャーは22年前処刑されたのに副船長のあんたは討ち首にならなかっのか?一味は海軍に捕まったんだろ?」
レイリー「捕まったのではない。ロジャーは自首したのだ」
レイリー「我々の旅に限界が見えたからだ…」
レイリー「あの公開処刑の日から4年程の前か…ロジャーは不治の病にかかった。誰も治せない。手の打ち様のない病にさすがのロジャーも苦しんだが」
レイリー「当時、海で一番評判の高かった灯台守でもある医者、双子岬のクロッカスという男だけがその苦しみを和らげる腕をもっていた」
レイリー「我々は彼に頼み込み最後の航海に船医として付き添って貰い、ついにその3年後ロジャーの命を取り止めつつ…不可能のいわれたグランドライン制覇を成し遂げたのだ」
ブルック「ク…クロッカスさん!」
レイリー「あいつはたった3年のクルーだったが紛れもなく我々の仲間だ。この歳になるとまた会いたいもんだな」
サンジ「で、海を制覇した後は?」
レイリー「そこからだ。ロジャーは世間から海賊王と呼ばれる様になった。何もずっと海賊王だったわけじゃない」
レイリー「死にゆく男に称号など何の意味もない。だがロジャーは喜んでいたな」
レイリー「何事もハデにやらかす事が大好きな男でね…宴もそう…戦闘もそう…おのれの先のない未来にも一計を案じ楽しんでいる様にも見えた」
レイリー「やがて船長命令によりロジャー海賊団は人知れず解散し全員バラバラに…一人…また一人…姿を消した。共に命を懸けた仲間達は今やどこで何をしているかほとんどわからない」
レイリー「そして解散から一年が過ぎた頃、ロジャーは自首し逮捕され、あいつの生まれた町イーストブルーのローグタウンで公開処刑が発表された」
レイリー「あの日の広場には今海で名を挙げている海賊達の若き日のそうそうたる顔ぶれが並んでいたと聞く。海賊王の処刑に世界が注目していた」
レイリー「私は行かなかったよ。あいつの言った最後の言葉はこうだ…」
ロジャー〈おれは死なねェぜ…?相棒〉
レイリー「世界政府も海軍も驚いたろう。他の海賊達への見せしめの為行った公開処刑の場が」
レイリー「ロジャーの死に際のたった一言で大海賊時代の幕開けの式典へと一変したのだからな」
ロジャー〈おれの財宝か?欲しけりゃくれてやる。探せ!この世の全てをそこに置いて来た〉
レイリー「残り数秒わずかに灯った命の火を奴は世界に燃え広がる業火に変えた」
レイリー「あの日ほど笑った夜はない。あの日ほど泣いた夜も…酒を飲んだ夜もない…我々の船長ながら見事な人生だった」
ウソップ「じゃあ…まるでこの海賊時代は意図してロジャーが作ったみてェだな」
レイリー「それはまだ…答えかねる…ロジャーは死んだのだ。今の時代を作れるのは今を生きてる人間だけだよ」
レイリー「あの日、広場でロジャーから何かを受け取った者達が確かにいるとは思うがね…キミのよく知るシャンクスもその一人だろう」
ルフィ「え?おっさんシャンクス知ってんのか?」
レイリー「イーストブルーならバギーという海賊も知らんか?アレらは二人共ウチの船で見習いをやっていた」
ルフィ「えーーっ!シャンクスは海賊王の船にいたのか!?」
レイリー「何だ聞いとらんのか?10年程前かこの島でばったりあいつと会ってな、トレードマークの麦わら帽子と左腕が失くなってた」
ルフィ「うっ」
レイリー「訳を聞くと嬉しそうにキミの事を話すんだ」
シャンクス〈レイリーさん、おれァ本当に驚いたよ。イーストブルーにロジャー船長と同じ事を言うガキがいたんだ〉
シャンクス〈ロジャー船長のあの言葉を〉
ルフィ「シャンクス!」
レイリー「シャンクスが君に話していない事まで私がベラベラと喋るわけにはいかんのでな…とにかくここまでよく辿り着いた。新世界であいつはキミを待ち侘びているだろう」
ルフィ「そうか…そうかな!おれも会いてェなァ!」
ロビン「レイリーさん…質問が…Dの意志って一体何?」
ロビン「空島で見たポーネグリフに古代文字を使ってロジャーの名が刻まれていた。彼はなぜあの文字を操れたの!?」
ロジャー〈我ここに至り、この文を最果てへと導く。海賊ゴール・D・ロジャー〉
ロビン「あなた達は900年前に始まる空白の100年に世界に何が起きたのか知ってるの!?」
レイリー「……ああ知っている」
レイリー「我々は歴史の全てを知った」
レイリー「だがお嬢さん、慌ててはいけない。キミ達の船で一歩ずつ進みなさい。我々もまたオハラもまた少々急ぎすぎたのかも知れん」
レイリー「キミ達に今ここで歴史の全てを私が話しても今のキミらには何もできやしない。ゆっくりと世界を見渡したその後に導き出す答えが我々と同じとも限らない」
レイリー「それでも聞きたいと言うならこの世界の全てを今話そう」
ロビン「いいえ、やめておくわ…旅を続ける」
レイリー「いずれ全てが見えて来る。キミの故郷オハラの事は気の毒だったな…」
レイリー「だがロジャーはあの文字を解読できたわけじゃない。我々は海賊…天才クローバーやオハラの学者の頭脳に敵うハズがない。あいつはな、万物の声を聞けた。それだけの事」
ウソップ「何だいいのかロビン!?今何かすげェチャンスを逃がしたんじゃねェか!?あのおっさん!おれも1コだけ聞きてェんだけど」
ウソップ「ひとつなぎの大秘宝ワンピースってのは本当に最後の島に…」
ルフィ「ウソップ~~~~~~~~~~~~~っ!」
ルフィ「宝がどこにあるかなんて聞きたくねェ!」
ルフィ「宝があるかないかだって聞きたくねェ!何もわからねェけどみんなそうやって命懸けで海へ出てんだよっ!」
ルフィ「ここでおっさんから何か教えて貰うんならおれは海賊をやめる!つまんねェ冒険ならおれはしねェ!」
レイリー「やれるかキミに…グランドラインはまだまだキミらの想像を遥かに凌ぐぞ。敵も強い」
レイリー「キミにこの強固な海を支配できるか!?」
ルフィ「支配なんかしねェよ。この海で一番自由な奴が海賊王だ!」
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