原作小説がもともと好き。モノノ怪のノイタミナが制作で昔視聴したものを見直した。
あくまで小説は「権力者の息子の医者が性格が子供のまま、好き勝手するんだけども、なぜか患者もいい方向に向かっていく……」という現実ベースのコメディなので、アニメにするとかなり絵が地味になるはずなんだけど、それにアニメ独自の世界観を足すことでうまく映像化できていて、演出やテンポもコメディ寄りになっていて面白かった。もともと原作小説が良いのでストーリーが良いのはわかっていたんだけど、アニメの11話のラストの終わり方のエピソードを含めてすごく面白かったし良い締め方の作品だった。
実は2009年放送当時は表現方法が奇抜すぎて受け入れられなかった。原作の雰囲気と違いすぎて…サイケで奇抜すぎる映像、姿が変わる医者、現実じゃあり得ない医者・看護師の服装など…。割と芸術系のアニメとかを見る人じゃないと受け入れられない気がする。
10年以上経って色々な見直してみて、表現技法の面白さ含め「小説をベースにしたオリジナルアニメ作品」として視聴し面白いと思えた。小説だと伊良部は「肌の白い肥満体系のおじさん」なんだけど、子供っぽい性格や、俯瞰して他人を見られる医者っぽい一面があり、それを視聴者にコミカルに伝えるために着ぐるみや青年、子供の姿で描き分けている。彼だけ唯一実写にならない所も含めて現実じゃありえないだろっていう主人公っぽくて好きだった。
