円城塔に構成・脚本・SF考証を任せたらこうなるという良い例。しかも「SF考証」であって、「科学考証」ではない。それはもう「ぼくのかんがえたSFがSF的に正しいかどうかぼくがたしかめる」ということで、もはやなんの考証にもなってない。しかし、そんな意味の無い言葉も言葉としてなら存在できるということを、この作家は自覚してやってるのだからタチが悪い。（褒め）
ああしかし、できればこの破滅的な難解さは文字媒体で受け取りたかった。映像でやることで分かりやすくなるような類のテーマではなかった。終盤、AIが高次元の海へと潜るところでは映像表現が追いつかずに簡略化されていた。ならばいっそ文字のみで観念のみを伝える方法が、この物語には向いていたのではないかと思う。
というか、海の向こうではゴジラとコングの巨体同士のぶつかり合いを描いた脳筋映画が大ヒットしてる同時期に、本家日本ではなんて観念的なゴジラをやってるんだというね…。いやすべて円城塔に任せたのが原因。（褒め）
ペロ2、そしてジェットジャガーが好きでした。AIが優秀すぎてむしろ人間よりも主人公だったのでは…。円城塔は怪獣よりもAIの方が好きだと思う…。
同じ春アニメでAI歌姫が主人公の「Vivy」というのもあったけど、AIとしての活躍なら「ゴジラS.P」に軍配が上がるかな、と思った。
しかし最終回のCパート…。まさか序盤のアレが続編のための布石だったとは…。
