あこ

ワンダーエッグ・プライオリティのあこのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全12話+特別編。

 自殺して卵になった(!?)女の子を助けるために奔走する4人の女の子たちの話。
 賛否(しかも否寄りの意見多め)あるのでおや?となったんだけど、たぶん12話で視聴を終えた人たちなのかなと思ったり。
特別編を見ないと不完全燃焼になるのは間違いないのでどうにかして最後まで完走してほしい。

 ワンエグのテーマの1つに「思春期」があると思うんだけど、作品を構成するスッキリ感とモヤッと感のバランスの奇妙さがまさに思春期やなぁと。
 女の子たちの青春を見せられてるのかと思えば、関係性が自然消滅しちゃう儚さとか。
 そもそもOPからして「巣立ちの歌」て!いやアネモネリアの歌声はすごい綺麗で好きなんだけど、物語の開幕で別れの歌を持ってくるチグハグさとか。
 手放しで「素敵な物語だったね〜!」って喜べない不安定さが散りばめられてる作品だなぁと思った。

 まずこの物語の根本に、汚い大人のエゴがあるわけですよ。
ワンダーエッグというシステムって、表向き「自殺した女の子を救う」という大義があるように見えて、その実アカ&裏アカがひまりちゃんをこの世に呼び戻すガチャでしかないんだよね。
 そのガチャを引いて開けることができるのは思春期の女の子だけなので、試行回数を稼ぐためにアイちゃんたちが呼び寄せられてるわけで。
 ワンチャン死ぬかもしれないワンダーエッグの世界にポイポイ女の子を投入する大人が汚くないわけないんですよねぇ……。

 そしてアイちゃんがエロスの戦士になる!って宣言しちゃったのもエグかった。
 小糸ちゃんから見放されて、お母さんも新しい彼氏に夢中となればいよいよ居場所がなくるアイちゃん、そりゃねいる(そしてワンダーエッグ)にしがみつくしかないよな、と。
 本人はめちゃめちゃポジティブに生きてるつもりでも傍から見たらどんどん大人にとって都合の良い子になってるだけっていう…。
思春期のいたいけなこの子がなにしたって言うんだ………………というやるせない気持ちにさせるアニメでした。

 やってることヤバすぎるけどフリルめちゃめちゃ良キャラで好きだ。サイコ人外はいいぞ。
あこ

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