世界を壊し世界をつくる

Serial experiments lainの世界を壊し世界をつくるのレビュー・感想・評価

Serial experiments lain(1998年製作のアニメ)
4.3
現実世界とネット世界で揺れ動くlain(玲音)のつながりを求めるSFアニメ。
スマホ一つで全てが完結してしまう現代で、人とのつながりは日に日に希薄になっていく中、つながりを求めるlainを通して視聴者に哲学的な疑問を問いかけている。
98年制作とは思えない先見的な作品。
説明をあまり行わずに一挙一動に意味を持たせ、鬱屈とした雰囲気が張り詰める中、独特な演出で描かれる異質な世界観が癖になってすごく引き込まれる。
作画も雑っぽいんだけど、味気のない癖になるこの感じがすごく良い。
現実とネット(ワイヤード)の区別がつかず、ネットを通して存在する私はなんなのか?と自他の境界が曖昧になり、疑心暗鬼にあって、本当に大事なことに気づいていく過程がとても面白かった。
正直なところ、十二分に理解したとは言い難いけれど、この作品は疑問を持ち続けることこそが正解なのかもしれない(開き直り)
こういう抽象的なアニメの中で一番綺麗な終わり方だったかも。

人がつながれば…