エピソード12
太田惑いの午後

拍手:6回
あらすじ
燃える正義の射撃バカ・太田功に見合いの話がやってきた。しかも相手は美人で良家のお嬢様。藤井綾乃と名前まで奥ゆかしい。張り切って見合いに臨んだ太田は緊張のあまり彼女の前で池にはまるという始末。これで望みはなくなったと思いきや、意外にもデートのお誘いが! 舞い上がる太田、仰天する第2小隊と整備班の面々。太田功、24年の生涯で、初めて訪れる春だった。さっそく冷やかし半分に初デートの心得をレクチャーする一同。あがりまくった太田に心得など役立つはずもなく、デートではドジの踏みっぱなし。しかし綾乃は気にするでもなく、優しく微笑みかけるのだった。そればかりか2度目のデートでは、レイバーを見に行きたいとせがみ、菱井の新型レイバー<レックス2500>を前に“私、レイバーって好きですわ”などと言うのである。太田がこれを好意と受けとめてもムリはない。もはや完全に恋の虜である。机にバラを飾り、あらぬことは口走り・・・。第2小隊の面々も気がきではない。猪突猛進、プロポーズを決行するが、意外にも綾乃は顔をくもらせ“ごめんなさい”。
舞い上がった分だけ、太田の落ちこみは激しかった。実弾射撃訓練の朗報(?)にも反応を示さない。そんなとき綾乃が太田を訪ねてきた。しかし緊急出動がかかり話は中断。事件はレイバーの落盤事故で、その事故機はなんと、かつて太田が綾乃と見に行った<レックス2500>だった。操縦者の名を知り、ショックで倒れる綾乃。ボロボロと崩れる地盤の中、必死で救出にあたる太田と野明。だが太田にはもうわかっていた。自分が助けようとしている男こそ“恋がたき”であると。しかし太田は踏んばった。男として、正義の警察官として,命がけで恋がたきを救ったのだ。一礼する綾乃を敬礼で見送る太田。彼の肩に、心に、雪が静かに降り積もっていった。
GOAT
えりこ