機動警察パトレイバーの15の情報・感想・評価

エピソード15
歌を唄ったクジラ
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あらすじ
ある日、東京湾に一頭のザトウクジラが迷いこんできた。物見高いは日本人の常。たちまち海岸は野次馬で埋まり、岸壁には屋台が立ち並ぶ。マスコミは連日の大特集で“ザトちゃん”と命名し、環境団体も“クジラを救え!”の大コール。 ついに海上保安庁に対策本部が設置され、第2小隊も野次馬整理のために動員される。太田が環境団体の悪口雑言に切れ、発砲したりと些細な事故はあったものの、ひろみだけはクジラのために少しでも役立てるのを喜んでいた。沖縄で漁師の家に生まれ育ったひろみは、本気でクジラのことを心配していたのだ。 汚れきった東京湾の水の中では、クジラはとても生きていけない。海上保安庁の高尾は、船でクジラを湾外に追い出そうとするが、かわされて失敗。しかしひろみのアイデアで、作戦の第2弾が決行されることになった。録音したザトウクジラの“唄”を海中に流して、クジラを湾外へ誘い出そうというのである。海上保安庁の〈シービュウ〉による作戦はみごと成功。クジラは湾外に出たかに見えたが、なぜか再び戻ってきてしまった。 “この恩知らず”というわけで、人々の反応も冷め、対策本部も解散と決まった。ところがクジラは子クジラを連れていた。そうとわかれば見捨ててもおけず、かといって面倒はご免というわけで、第2小隊に任務が押しつけられる。“あいつらなら失敗しても目立たない”というのが理由だ。憤慨のあまり、張り切る一同。 廃棄処分の<フロッグマン>を応急修理して、海に潜るひろみ。再び“唄声”で外洋に誘おうというのだが、子連れで気が立っている母クジラが体当たりして外部スピーカーが故障。 失敗かと思われたその時、もう一頭、雄クジラが湾口に現れた。ザトウクジラの母子には、必ずエスコート役の雄クジラがつくという。3頭の親子クジラは、人間たちの騒動も知らぬのか、外洋へ去っていった。
コメント3件
こらくさ

こらくさ

このコメントはネタバレを含みます

めっちゃ好きな話。ずっと開発開発で生態系への言及がゼロに等しい話だったから、ここに来て絶滅危惧種に触れる公平さが素晴らしい。水中にダイブしてまでクジラをカメラに収める狂気じみた報道陣や、税金を迷い込んだクジラのために費やすことへの国民の不満、オドオドする総理大臣と全方位に皮肉が効いてて素晴らしい。 太田の熱血は素晴らしいが、毎度一線は超えちゃうのも面白い。一線は超えないから笑えるキャラでいられるはずなのに笑「相手は納税者…」「この思想犯がァ!」で本当に発砲。 自然と近い距離で育ったひろみちゃんが解決する…と思わせて、結局意味はなくオスのクジラが助けに来るというオチ。人間の無力さも描いて終わるのがすごく良かった。 生き物が迷い込むってのは1990年頃からあるあるだったんだな。それかこの時期から開発が進んで起こるようになったか。多摩川のタマちゃんとかですら2000年代だしなぁ。
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えりこ

えりこ

ひろみちゃんの優しい瞳…(惚
RyanMihawk

RyanMihawk

鯨回 パトレイバーには海の話が多いね カヌカが当然のようにクジラ愛護者でにっこり