フェティッシュな切り口で恋情を描くなかなか魅力的な作品だった。
ジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』と中森明菜の『少女A』を足さずに後者分母としてよだれで希釈した感じか。なんだそれ。“いわゆる普通の17歳だわ”ってね。
あとこの際だから言わせてほしい。転校生が来て、先生「おっ、あそこの席空いてるな」てやつ。あるわけないやん?! 空いてるとしたらそこは休むか遅刻かしてる誰かの席やろ!?勝手に座らすなや。
アニメーション的にはそこそこ動きが良くて、原作からのツンとした独特な鼻も可愛らしい。
そして主人公cv入野自由の童貞感が良いなぁ。その他の登場人物にしてもいわゆるキャラ的な変態的な感じじゃなくもっと、青臭くもただのガキんちょではない高校生の、「一回だけ」「先っぽだけ」みたいな、蛇口から滴る水滴みたいな、そんな抑えがたくて純粋で「微かに理性を上回った変態性」というような衝動が堪らなかった。
夢に出てくる世界の賑やかな荒唐無稽さも面白くて、ワルツとともに展開する無邪気な妄想が魅惑的だった。
ヒロインの卜部は、ハサミもそうだし、彼氏の口に手を突っ込むSっ気などもなんとなく戦場ヶ原ひたぎに通ずるところがあったりして見た目に反するアクティブさと辛辣な様子がとにかく魅力的だった。そういえば阿良々木も羽川の机舐めたりしてたよな。もしかしてなんか元ネタがあったり、もしくは元ネタであったりするのかもしれない。
なんでもベーコンで巻いちゃう丘さんも属性強めでかなり好き。よだれを介することで感情や外傷まで伝わるのだけれど、女子同士の傷の共有という友情表現が特に良い。
少女たちのあられもない姿を拝めるEDもよきかな。最後に卜部と目が合っちゃうのも何とも言えない背徳感。
可愛らしくノスタルジックを歌い上げる『放課後の約束』。
”黄昏れ時は少女を大人に変える”ってね。