F

灰羽連盟のFのネタバレレビュー・内容・結末

灰羽連盟(2002年製作のアニメ)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

たまたま見つけたイラストが気に入り、鑑賞。

・素朴で温かいけどどこかひんやりとしたセピアっぽい絵,風景が素敵
・人の使ったものでないと使えないしきたり、アンティーク好きにはたまらん描写
・「罪を知るものに罪はない、汝は罪人なりや?」
難しいがシンプルであり、しかし難しい問い。自分1人では罪の輪からは抜け出せない。他者が自分の罪を認め、許してくれることが必要。つまりは人は一人では生きていけない。不完全なのである。
・考察記事からの受け売りだけど、名前の仕掛けが美しすぎる。
ラッカ=落下する夢=投身自殺?←孤独を感じ自分なんていなくても変わらないと思っていた←その罪を赦された先、絡み合い実を結ぶ、という意味の「絡果」
レキ=小石の礫=轢死←誰にも助けを求めず他者の介入を拒んだ←引き裂くという意味だったけど、偽りだった優しさがいつしか彼女の本質になっていた 誰かの踏み台になれる「礫」


優しさに涙が出る世界。
雰囲気を味わうも良し、深く考えるも良し。
非常に好みな作品だった。


ひとつだけ、疑問というか浮かんだこと。
クウがいなくなったのに平然と日々を過ごしていくみんなを見て、ラッカは「私がいなくなっても世界は何も変わらない、なら私なんていてもいなくてもどうでもいい」っていう思考に至ったけど、私は「どうしてみんないなくなったことを受け入れて進もうとできるのか」についての見解を聞いてみたかった。私ならクウの存在を過去のものにしたくなくて、部屋もそのままにして残しておきたがる。灰羽達の自然な摂理かもしれないけど、別れは何度経験しても慣れないものだと思うので…
F

F