舞-HiMEを配信している動画配信サービス

『舞-HiME』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

舞-HiME
動画配信は2025年7月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

舞-HiMEが配信されているサービス一覧

配信サービス配信状況無料期間と料金
DMM TVレンタル初回14日間無料 550円(税込)
今すぐ観る
Rakuten TVレンタルなし 登録無料
今すぐ観る
dアニメストア見放題初回31日間無料 550円(税込)
今すぐ観る

舞-HiMEが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
Hulu
Netflix
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM
TSUTAYA DISCAS

舞-HiMEが配信されているサービス詳細

DMM TV

舞-HiME

DMM TVで、『舞-HiMEはレンタル配信中です。
DMM TVでは登録時に550ptのポイントが付与されるため、ポイントを消費してお得に視聴できます。

配信状況無料期間と料金
レンタル
初回14日間無料 550円(税込)
今すぐ観る
月額料金無料期間見放題作品数ダウンロード同時再生可能端末数ポイント付与
550円(税込)初回14日間無料15,000作品以上可能1端末550pt 付与

DMM TVに登録する方法

  1. DMM TV トップページから、「30日間無料トライアル!」ボタンを押します。

  2. 「まずは30日間 無料体験」ボタンを押します。

  3. DMM.comのアカウントをお持ちの方はログイン、お持ちでない方は「新規会員登録」ボタンを押します。

  4. メールアドレスとパスワードを入力し、「認証メールを送信する」ボタンを押します。

  5. 受信した「DMM:会員認証メール」の本文にあるURLを開きます。

  6. ページをスクロールし、無料期間が終了した際の支払い方法としてクレジットカード情報を入力し、「次へ」ボタンを押します。支払い方法としてキャリア決済やDMMポイントを選択することもできます。

  7. 入力内容を確認し「登録する」ボタンを押します。

  8. 「はじめる」ボタンを押します。これでDMM TVの登録が完了です。

DMM TVを解約する方法

  1. DMM TV にログインした状態で、トップページからアカウントメニューを開きます。

  2. メニューから「会員タイプ DMMプレミアム」を選択します。

  3. ページをスクロールし、「DMMプレミアムを解約する」を押します。

  4. ページをスクロールし、「解約手続きへ進む」ボタンを押します。

  5. アンケートに回答し「次へ」ボタンを押します。

  6. 続きのアンケートに回答し「次へ」ボタンを押します。

  7. 続きのアンケートに回答し「アンケートを送信して次へ」ボタンを押します。

  8. 再び画面をスクロールし、「解約手続きを完了する」ボタンを押します。

  9. これでDMM TVの解約が完了です。

Rakuten TV

舞-HiME

Rakuten TVで、『舞-HiMEはレンタル配信中です。

配信状況無料期間と料金
レンタル
なし 登録無料
今すぐ観る
月額料金無料期間見放題作品数ダウンロード同時再生可能端末数ポイント付与
登録無料なし0可能1端末-

Rakuten TVの特徴

  • 楽天会員なら無料で利用できる動画配信サービス ※動画視聴は別途料金が発生
  • 豊富な映像作品のラインナップに加え、スポーツや人気声優のコンテンツも充実
  • 楽天ポイントが使える、貯められる

Rakuten TVに登録する方法

  1. Rakuten TVトップページから、右上のメニューを開きます。

  2. メニューから「ログイン」を選択します。

  3. すでに楽天会員の場合はログインします。会員でない場合は「楽天会員に新規登録(無料)してサービスを利用する」ボタンを押します。

  4. 必須項目としてメールアドレス、パスワード、氏名、氏名(フリガナ)を入力します。クレジットカードで支払う場合はクレジットカード情報を入力し「同意して次へ」ボタンを押します。

  5. 入力内容を確認し、「登録する」ボタンを押します。

  6. 「続けてサービスを利用する」ボタンを押します。

  7. 支払い方法を選択して「利用規約に同意してサービスを利用する」ボタンを押します。これでRakuten TVの登録が完了です。

Rakuten TVを解約する方法

  1. Rakuten TVにログインした状態で右上のメニューを開きます。

  2. メニューから「ヘルプ」を選択します。

  3. 画面をスクロールして「解約・利用停止」から「利用停止」を選択します。

  4. 「Rakuten TVの利用停止方法は?」を選択します。

  5. 「利用停止申請へ」ボタンを押します。

  6. 「次へ」ボタンを押します。

  7. 画面をスクロールして「利用停止確認へ」ボタンを押します。

  8. 画面をスクロールして「利用停止する」ボタンを押します。

  9. これでRakuten TVの利用停止申請が完了します。利用停止処理が完了すると、登録メールアドレスに利用停止のお知らせメールが届きます。

dアニメストア

舞-HiME

dアニメストアで、『舞-HiMEは見放題配信中です。
dアニメストアには初回31日間無料体験期間があります。
無料体験中は6,000作品以上の見放題作品を鑑賞でき、いつでもキャンセルできます。

配信状況無料期間と料金
見放題
初回31日間無料 550円(税込)
今すぐ観る
月額料金無料期間見放題作品数ダウンロード同時再生可能端末数ポイント付与
550円(税込)初回31日間無料6,000作品以上可能1端末-

dアニメストアの特徴

  • 国内最大級のアニメ特化型動画配信サービス
  • アニメ作品の視聴以外にもアニソンのライブや声優の番組まで視聴可能
  • アニメ関連グッズの購入が可能!
  • ※必要注釈:契約日・解約日に関わらず、毎月1日~末日までの1か月分の料金が発生します。
  • ※別途通信料その他レンタル料金等サービスによっては別料金が発生します。
  • ※見放題作品数については2024年11月時点での作品数となります。
  • ※見放題対象外コンテンツがあります。

dアニメストアに登録する方法

  1. dアニメストア トップページの「初回初月無料トライアル」ボタンを押します。

  2. dアカウントをお持ちでない場合は「dアカウント発行」ボタンを押します。

  3. 「ドコモのケータイ回線をお持ちのお客さま」、もしくは「ドコモのケータイ回線をお持ちでないお客さま」の該当するボタンを押します。

  4. 「メールアドレス」を入力し、「次へ」ボタンを押します。もしくは「メールアプリを起動する」から空メールを送信して登録することもできます。

  5. 入力したメールアドレス宛にメールが届きます。本文内のURLを開きます。

  6. 登録するdアカウントのIDを選択し、「パスワード」を入力して「次へ進む」ボタンを押します。

  7. お知らせメールの受信設定をして「次へ進む」ボタンを押します。

  8. 「氏名」「氏名カナ」「性別」「生年月日」「携帯電話番号」を入力し「次へ進む」ボタンを押します。

  9. 受信したワンタイムパスワードを入力し「次へ進む」ボタンを押します。

  10. クレジットカード情報を入力して「確認画面へ」ボタンを押します。

  11. 登録内容が正しいか確認し「規約同意画面」へボタンを押します。

  12. 「上記の利用規約/注意事項/パーソナルデータの取り扱いに同意する」にチェックを入れ「申込内容を確認する」ボタンを押します。

  13. 「申し込みを完了する」ボタンを押します。これで dアニメストアの登録が完了です。

dアニメストアを解約する方法

  1. dアニメストアにログインした状態で、ページ下部のメニューから「解約」を選択します。

  2. 画面をスクロールしてアンケートを入力し「解約する」ボタンを押します。

  3. 「dアニメストアを解約する」と「dアニメストアの注意事項に同意する」をチェックし、受付確認メールの送信先を選択した上で「次へ」ボタンを押します。

  4. 「手続きを完了する」ボタンを押します。これでdアニメストアの解約が完了です。

舞-HiMEの作品紹介

舞-HiMEのあらすじ

「風華学園」から奨学金を受けることのできた鴇羽舞衣は、弟の巧海とともに転入することになった。学園生活を始めた舞衣だったが、異形のモンスター「オーファン」に襲われる巧海を救おうとした時「HiME」と呼ばれる特殊能力に目覚め、「HiME」や「オーファン」にまつわる事件に巻き込まれていく。

舞-HiMEの原作

矢立肇

舞-HiMEの監督

小原正和

舞-HiMEのシリーズ構成

吉野弘幸

舞-HiMEのキャラクターデザイン

久行宏和

『舞-HiME』のエピソード情報

それは☆乙女の一大事

鴇羽舞衣(ときは・まい)は、弟の巧海(たくみ)といっしょに船上に揺られていた。この船旅の目的は「風華学園」への転校。両親を亡くした舞衣たちが、奨学金を受けながら学生生活を送るために選択した学校である。 その船旅の途中、舞衣たちは、大きな剣を抱えて海上を漂流する少女・美袋命(みなぎ・みこと)を発見する。すでに呼吸がなかった命(みこと)であったが、舞衣の人工呼吸のおかげで、なんとか一命を取りとめた。しかし、命(みこと)を助けたことが、この船をトラブルへと巻き込む呼び水となってしまう。 しばらくして船に取りつく一隻のクルーザー。そこからライダースーツ姿の少女が甲板に降り立つ。彼女の名前は玖我なつき(くが・なつき)。狙いは助けられたばかりの命(みこと)であった。 そこに居合わせた舞衣は命(みこと)の居場所を問われ、彼女のいる医務室へ強制的に案内させられる。そこで鉢合った2人は舞衣を巻き込み戦闘に突入。かたや銃、かたや剣の激しい戦い。やがてなつきは、デュランという名のチャイルドを召還。戦いはますます激しさを増していく。船からは火の手があがりパニック状態。舞衣もなつきの不可思議な力にパニックになりながらも、命からがらその場から逃げ出すことに成功するが……途中、再び彼女たちの戦闘に巻き込まれてしまう。 眼前に立つデュランに大ピンチの舞衣。その瞬間、舞衣のまわりにとつぜん炎の壁ができ、デュランを弾き飛ばす。自分のまわりを覆い続ける炎にあっけにとられる舞衣。その姿になつきは、自分と同じ「HiME」の存在を感じ取り、目の前から姿を消してしまう。「風華学園には行くな……行けばお前は死ぬ」というひと言を残して……。 しかし戦いの結果、船は沈没。そして、舞衣と命(みこと)も海の底へと沈んでいくのである。……次の日、ザワザワとした声のなか、たくさんの生徒たちに囲まれ目覚める舞衣であった。

ヒミツの放課後

沈む船から投げ出された鴇羽舞衣(ときは・まい)と美袋命(みなぎ・みこと)が、次の日目覚めたのは、「風華学園」の敷地内。彼女たちが着地した芝生は焼け焦げ、見るも無残な状態になっていた。 そのことで、転入初日早々生徒会室に呼び出された舞衣は、執行部長である珠洲城遥(すずしろ・はるか)から尋問を受けてしまう。自分にもどうして学園内の敷地で寝ていたのか、訳のわからない舞衣であったが、ぐうぜん同じ船に乗っていた風華学園の生徒・楯祐一(たて・ゆういち)と弟の巧海(たくみ)が生徒会室を訪ねてきたおかげでようやく解放される。 舞衣は、船内でちょっとした口論のあった祐一を心よく思っていなかったが、舞衣のせいでトラブルに巻き込まれたと思っている祐一にとってもそれは同様。「金輪際、あんたには関わりたくない」と宣言した祐一だが、クラスがいっしょになってしまいお互いに辟易するのであった。 やがて昼となり、朝寝ていた敷地にクラスメートといた舞衣だが、船を沈ませた張本人のひとり、玖我なつき(くが・なつき)を発見する。また命(みこと)を狙いにやってきたと思った舞衣は、その場を飛び出し彼女の眠る保健室へ急ぐが……すでにベッドの上はもぬけの殻。お腹をすかせた彼女は食料を調達に外に出た後だった。なんとか危険を知らせたい舞衣は、授業のことも忘れて探しまわる。ようやく発見するものの、舞衣を警戒し、襲いかかる命(みこと)。しかし、お腹をすかせていた彼女は、その場で倒れてしまうのである。 空腹の命(みこと)を寮の自室に運び入れた舞衣は、彼女に料理を振舞う。満腹になった彼女とようやく会話が成立し、お互いに自己紹介をする2人。だが、それも束の間。危険が迫っていることも説明できず、彼女は再び舞衣の前から姿を消してしまうのである。なつきのことを知らせたい舞衣は、彼女を追うが……途中でそのなつきと出会う。 船での出来事に腹をたてていた舞衣は、なつきから事情を聞こうとやっきになるが、帰ってくる答えは訳のわからないことばかり。再びなつきの口から発せられる「HiME」という言葉……。しかし、そんな問答を繰り返しているときに、なつきといっしょにいた謎の少年・炎凪(ほむら・なぎ)から巧海がオーファンというモンスターに襲われていることを知らされる。 学園の裏山へ向かう舞衣となつき。なつきはその場から離れるように促すが、目の前のオーファンをかえりみず巧海に駆け寄る舞衣にピンチが訪れる……その瞬間、船のときと同じ炎が舞衣の周囲を覆う。舞衣の「HiME」への覚醒が始まろうとしていた……。

炎の舞/星の誓い

巧海のピンチとオーファンの出現。目的の違う鴇羽舞衣(ときは・まい)と玖我なつき(くが・なつき)のふたりであったが、学園の裏山へ急ぐ。そして、彼女たちはオーファンに襲われ、心臓発作で倒れている巧海を発見する。舞衣は危険をかえりみず、彼のそばへ駆け寄るが、彼女にも危険が迫ってしまう。 しかし、その瞬間、光の炎に包まれ、舞衣は「HiME」へと覚醒を遂げるのである。腕と脚にはHiMEの証であるエレメントが、そして回転するエレメントからは炎が舞っていた。だが、舞衣はそんな自分の姿に呆然とするだけ、エレメントを使うどころの話ではなく、巧海を守るために、オーファンの攻撃から逃げるのがやっとの状態であった。 一方、舞衣の部屋から飛び出していった美袋命(みなぎ・みこと)も、オーファンの存在を嗅ぎつけ、舞衣たちのいる裏山に合流する。襲い掛かるオーファンに対し、なつきと命は応戦するが、攻撃はことごとく跳ね返されてしまう。そして、その矛先は再度舞衣に向く。恐怖する舞衣であったが、この戦いの場に居合わせた白い髪の少年・炎凪(ほむら・なぎ)によって、このピンチを助けてくれる守り神の存在を知らされるのである。 「炎の竜・カグツチ」。これが舞衣の守り神(チャイルド)であった。凪は、封印の剣を抜き、舞衣にカグツチを受け入れることを促す。だがそれは、彼女がHiMEとしてオーファンと戦い続けること、自分の一番大切なものを賭けるというリスクを背負わなくはならないのである。しかし彼女は巧海を守るために、剣を抜くことを決意するのであった。 封印を解かれたカグツチは、舞衣の前に真の姿を現す。そしてカグツチがオーファンに向けて炎を吐き出すと、その炎はオーファンもろとも学園の裏山の一部を焼き尽くし、戦いはあっけなく終わりを告げた。 次の日、なぜか理事長室に呼び出される舞衣。理事長が年端もいかない少女・風花真白(かざはな・ましろ)であることや昨日のオーファンとの一件を知っていることにもびっくりしたが、それ以上に舞衣がHiMEであるために、奨学金で学園に受け入れたという真実に彼女は驚きと怒りを隠せなかったのである。

風のイ・タ・ズ・ラ

それは、のんびりとした夏の一日の出来事。玖我なつき(くが・なつき)は水泳の授業を受けていた。授業を終えたなつきはクラスメートと更衣室に戻ると、女子全員の下着が盗まれ、更衣室はちょっとした騒ぎになっていた。 そんな被害を受けたなつきは、予備の下着もなく、なんとか生徒会室までたどり着こうとスカートをおさえながらおそるおそる歩を進めていた。しかし、タイミングの悪いことに鴇羽舞衣(ときは・まい)と美袋命(みなぎ・みこと)にばったり会ってしまう。敵対心剥き出しの命に、なつきはスカートをおさえることを忘れ、思わず臨戦体制……。 が、その瞬間、風が吹き、なつきのスカートがめくれあがる。お尻が丸出しになったなつきに一同は呆然。水晶宮にはなつきは大絶叫がこだましていた。 なつきが初めてみせるそんな姿に大爆笑の舞衣であったが、この件のおかげで、なつきと話す機会ができる。HiMEのこと、学園内に自分たち以外のHiMEがいること、HiMEを集めてなにかをたくらんでいる人間が背後にいることなど、舞衣の知らないことをなつきは話してくれた。話が終わりに差し掛かった頃、命が下着ドロボウがオーファンの仕業であることを口にする。 自分を辱めたオーファンへの雪辱に燃えるなつきは、大量の下着を女子寮のベランダに干し、オーファンをおびき出す作戦を思いつく。舞衣や命にも協力してもらい、自分のコレクションである下着をすべてこの作戦に投入したなつきは、オーファンを待つ。 案の定、オーファンが現れたものの、すべての下着を盗んで逃走してしまう。必死に追うなつきたち。一足先に追いついたなつきは、デュランで攻撃を仕掛けるものの、オーファンに返り討ちにあってしまい身動きがとれなくなる。 しかし、危ないところで命に助けられたなつきは、再度デュランで攻撃。見事撃退に成功するものの、取り返したはずの下着はすべて焦げ、使い物にならなくなってしまうのである。そしてそこに残されたのは、なつきの絶叫だけであった。

雨--。涙……

風華学園に来て以来、HiME、オーファンにまつわる怪事件に巻き込まれてしまった舞衣。こんな危険なことには、もう関わりあいになりたくない、常識では理解できない出来事から逃れるように、巧海の心臓移植手術費用を捻出するためのバイトに専念する舞衣であった。 しかし、そんな願いとは裏腹に、危機は舞衣に近づいてゆく。バイトに向かう途中ですれ違ったバスから、オーファンの気配を感じ取る。いぶかしみながらもバイト先へ向かうが、言いようのない不安が舞衣の心の片隅に残った。 次の日、舞衣のクラスではバスが事故をおこし、担任教師の沢田が大ケガで入院したという話題で持ちきりになる。自らの感じた不安が的中し、ひとり心が沈む舞衣。同じ頃、なつきはバスの事故に関しての報告を、迫水から聞き出す。「戦闘の痕跡が確認されています。新たなHiMEの」という言葉に驚くなつきであった。 普段はバイトに追われ、友人たちからの誘いも断りがちな舞衣。今日は自分からカラオケに誘おうとするが、あいまいな態度で断られてしまう。なんとなく居心地の悪さを感じながら、ひとり街をさまよう舞衣の前に、オーファンの気配を感じさせるバスが再び現れる。迷いながらもタクシーに乗り込み、後を追う舞衣が見たものは、黒煙をあげるバスとオーファンの襲撃を受け怯える人々、そして、片腕にけがをしたなつきだった。 近づいてくる救急車のサイレンを聞き、舞衣を連れてその場を離れるなつき。けが人たちを収容する様子を見ながらなつきは、オーファンとHiMEを取り巻く現実を舞衣に語る。オーファンと接触した一般人たちは、「一番地」と呼ばれる組織の手でその記憶を忘れるように処置されること。風華学園にHiMEを集めているのも一番地であるということ。あまりに不可解な現実は、舞衣の心に不安と恐怖の影を落とした。 その後、病院に向かった舞衣は、入院している沢田を見舞いにきた友人たちと出会う。自分の誘いを断った理由が、お見舞いのためだったと告げられなかったことにショックを受ける。それは自分が弟のためにバイトをしていることを知った友人たちの気遣いだったとはいえ、寂しく悲しいことだった、しかし心の中を見せまいと無理に笑顔を見せる舞衣。 そして雨の中、傘もささずに飛び出す舞衣。心にたまっていた感情がこぼれるように泣き出す、ほおに流れるのは涙、あるいは雨のしずくなのか分からない。そんな心情を察した祐一が、傘を差し出した。 公園で雨宿りをしながら、冷たい缶コーヒーを渡す祐一。「ホットがいい」少しだけ我が儘と言う舞衣。祐一の気遣いから、本来の舞衣自身を取り戻すのだった。

もえる十七歳(^^;)

舞衣と巧海、命の3人は、祐一と詩帆から、詩帆の祖父が神主の封架神社で結婚式のバイトを頼まれる。その日はバイトの予定がなかった舞衣は、興味もあり引き受けることになった。 式の準備のため、前日から神社を訪れた舞衣たちは、さっそく式に使う道具を倉から運び出す作業をはじめる。作業中、舞衣はその倉の中の扉にはってある「お札」の存在に気づく。詩帆の話では、そこは開かずの扉で、大昔この町で暴れまわった恐ろしい神様が閉じ込められていると言う。開けると祟りがあるという言葉に、舞衣は納得し、ひとまず式の準備は終了した。しかし、舞衣たちが倉をはなれた直後、この倉にバイト仲間の杉浦碧が忍び込んでしまうのである。 そして、式の当日。式に必要な道具を忘れた舞衣は倉へ向かったが、そこで、前日からずっと倉に忍んでいた碧とバッタリ。なぜ、碧がここにいるのか問い詰める舞衣だったが、その問答をしている最中に、碧が「お札」を外してしまう。元に戻そうとした舞衣だったが、碧ともつれるように扉の向こうへ落ちてゆく。 落ちた場所は洞窟になっていて、そこでふたりはHiMEにまつわる壁画を発見する。だが、それも束の間、とつぜん地面が揺れはじめ、崩れ落ちた岩からオーファンが現れた。このオーファンの気配に気づいた命は、舞衣たちのいる場所に急ぐ。やがて、なつきも合流する。 しかし、命、なつきの攻撃がオーファンにまったく通用しない。なつきは舞衣にカグツチを出すように要求するが、出来ないと言う舞衣。打つ手が無く、オーファンに迫られる3人だったが、その前で、とつぜんオーファンの腕が切断される。 その腕を切断した斧? が戻る方向を見る3人。そこには斧ような形のエレメントを構えた碧の姿があった。びっくりする舞衣をよそに、チャイルド「愕天王(ガクテンオー)」を呼ぶ碧。強烈な角を武器に、突進してゆく愕天王は、オーファンをものともせず、あっという間に撃退してしまうのであった。 オーファンとの戦いの後、バイトの同僚としても碧の存在が気になっていた舞衣は、いったいなに者か尋ねるが、相変わらず訳のわからない発言に閉口する。そして数日後、舞衣のクラスに日本史の担当教師として現れるのだった。

迷子の仔猫たち

命は、兄を探すため夜な夜な月杜町の繁華街に出かけていた。そんなある夜、若い男といた奈緒を見つけた命は、なに気なく後を追う。しかし、そこで命が見たものは、チャイルド「ジュリア」を使って、男を脅している奈緒の姿だった。 次の日、夜遅く帰ったうえ寝坊をした命を注意する舞衣。しかし、奈緒に昨晩のことを口止めされている命は、ほんとうの理由を説明できないことにムッとしている。命は兄を探すため、そして奈緒はお金欲しさに、お互い協力する約束をしていたことを舞衣は知らない。そんな奈緒と親しげに話す命を意外な目で見つめていた。 昼食時、舞衣たちとランチをとっていた命だが、舞衣に子ども扱いされたことに腹をたてる。さらに学園に来た目的は兄をみつけることであり、大人気取りの命はは舞衣の手は借りなくとも探せる。そのことが、再び命を夜の兄探しに駆り立てる。そして、奈緒と月杜町に向かうのであった。 夕方になりバイトに急ぐ舞衣は、凪に呼び止められる。月杜町に毎晩行っている命が危険だと言う。凪の言うことを聞きたくない舞衣は気にせずバイトに行くが、やはり気になってしょうがない。バイト帰り、命を探しにひとり月杜町へ向かうのである。 やがて、月杜町についた舞衣は、偶然なつきと出会い、なつきから命がいる場所の情報を手に入れる。そして、人通りの少ない路地にやってきたふたりは、そこでナンパをしている命を目撃する。 びっくりする舞衣だったが、そのままなつきと命の後をつけ、建設中のビルまでやってくる。しかし、そこで舞衣たちは奈緒がチャイルドを使って、男を脅している姿を目撃してしまう。奈緒に荷担した命を叱責する舞衣だが、逆に奈緒から命を子ども扱いしていたことを指摘されショックを受ける。 だが、HiMEとしての奈緒の行動が気に入らないなつきは、エレメントを発動。奈緒にその銃口を向ける。一触即発の雰囲気に戸惑う舞衣だが、タイミング良く現れた碧や凪のおかげで、なんとか事なきを得るのであった。 しかし、自分の邪魔をされたことに怒りが収まらない奈緒は、エレメントのワイヤーを使って、周囲の鉄骨をなで切りにしていく。崩れる鉄骨から逃げる舞衣たちだが、命はなぜか逃げない。やがて、鉄骨はすべて崩れ落ちてしまうのである。 放心状態の舞衣であったが、崩壊した鉄骨の山から黎人に助けられた命を発見し、安堵する。なぜ、逃げなかったか問い詰めることもなく、命を抱きしめる舞衣。兄探しが目的だったとはいえ、自分が奈緒としていたことが後ろめたい命。それでも自分のことを受け入れる舞衣のことがうれしい命だった。

たいせつなもの。

風華学園の創立祭が始まった。命はあおいと千絵と学内をまわっていたが、舞衣といっしょじゃないことに、ちょっと寂しい様子。その舞衣は巧海が熱を出してしまったため、部屋で看病をしていたのだった。 巧海の熱が下がり、学校にやってきた舞衣と巧海は、和也といっしょに創立祭を楽しんでいたあかねに出会う。自分がHiMEであることを和也に告白しようと悩んでいたあかねは、舞衣にようやく決心がついたことを告げるのである。 しばらくして、生徒会の仕事をしていた祐一と黎人に出会う舞衣たち。そして、いつの間にかその手伝いにかり出されたふたりは、図書館の地下倉庫にいた。だが、手伝いを始めて間もなく、祐一にからかわれた舞衣は、怒ってガラクタを投げつける。そして、椅子を抱え上げた瞬間、とつぜん床が抜け、全員が地下迷宮へと落ちていくのであった。 地下へ落ちた彼らは離れ離れに。舞衣といっしょになった黎人だが、とつぜん告白し、舞衣を動揺させる。一方、祐一と巧海は舞衣たちを探し歩く。だが、オーファンが現れ、逃げ出す祐一たちであった。 その頃、決意を固めたあかねは学園の裏山に来ていた。しかし、その場に深優が現れ、オーファンに襲われているので助けて欲しいと懇願される。HiMEの存在を告白する前に結果的にエレメントを発動させることになったあかねは、オーファンに立ち向かう。だが、自分のほんとうの姿を和也に見せたことに不安と動揺に襲われる。しかし、気持ちを切り替えたあかねは、チャイルド「ハリー」を呼び出し、なんとかオーファンを撃退するのだった。 逃げる祐一たちであったが、オーファンの攻撃で崩落した岩壁に巻き込まれ気絶してしまう。ちょうど崩落した壁の向こうにいた舞衣は、気絶した巧海の姿に、黎人の前にも関わらずエレメントを発動。カグツチを呼び出し、オーファンを撃退するのである。HiMEの存在が黎人にばれ、複雑な気持ちの舞衣。だが、黎人に自分の存在をだまっていて欲しいとお願いするのが精いっぱいであった。 自分の正体を見せてしまい、和也に嫌われてしまうことを心配していたあかねだが、和也の嫌いになる訳がないというひと言に安心する。だが、その刹那、深優がハリーに向かって襲い掛かる。深優の腕から伸びた剣で、あっという間に貫かれるハリーは、やがて燃え尽きてしまう。とつぜんのチャイルドの消失によって、自分の死を感じるあかね。しかし、その横でなぜか和也が苦しみ始める。ゆっくりと目を閉じていく和也は、ハリー同様目の前から消えていくのであった。絶叫するあかねだったが、チャイルドを受け入れるときに賭けた「一番大切に想う人の命」。それによって、和也はチャイルドの消失とともにいなくなってしまったのである。自身の背中にあったHiMEの紋章がなくなり、HiMEとしての存在も消失したあかねは、ただ和也のいた地面を呆然と見つめることしかできなかった。 一方、外に出られた舞衣や楯たち4人は、創立祭の終わりを告げる夜空の花火をみつめるのだった。

海とオトメとなつきのヒミツ♪

期末テスト中の舞衣のクラスでは、創立祭以来欠席中のあかねと和也の話題でもちきり。駆け落ちの噂に、舞衣自身はあかねに言われた「決心したの」の言葉がひっかかる。あおいと千絵に打ち明けるも、いつの間にか話題は、後夜祭でいっしょにいた黎人のことに。ふたりに夏休み中に彼といい関係になることをもちかけられ、顔を赤らめる舞衣であった。 そして夏休み。舞衣は美星海岸で監視員のバイトに精を出していた。しかし、海岸を見渡せば、創立祭の打ち上げでやってきた生徒会執行部の面々が。呆れてしまう舞衣であったが、黎人と話す機会ができる。HiMEとしての自分を知ってしまった黎人に、いつか巧海や祐一にもオーファンのことを聞かれると思い、ビクビクしていると言う舞衣。だが、黎人のかけてくれるやさしい言葉に、少し気が楽になるのだった。 やがて、美星海岸近くにある遥の別荘に呼ばれる舞衣。そこで舞衣は、詩帆に海岸で黎人と親密に話していたことを指摘される。詩帆は、自分と祐一のなかを応援してくれると約束してくれた舞衣に、自分も黎人との関係を応援してあげたいと口にするが、その話を聞いた祐一は激怒してしまう。「大きなお世話」と舞衣に軽蔑の視線を送り、去る祐一。舞衣は追いかけようとするも、弁解する理由が見つからず、ただそこに立ちすくむのであった。 別荘での出来事に浮かない顔の舞衣は、海岸をひとり歩いていたが、ふと岩場に視線をやるとなつきの姿を発見する。彼女は、独自に一番地の調査をするため美星にやってきたのであった。一番地のことを少しでも知りたかった舞衣は、その後なつきと行動をともにする。そして話すうちに、お互いを下の名前で呼び合うことにしたふたり。ふたりの関係はHiMEだけで結ばれた間柄から、少しずつ変化の兆しを見せ始めるのである。やがて命も合流。3人はかつて一番地の分室であった高次物質化能力の研究室に向かうのだった。 目的地に到着した舞衣たち。なつきは、舞衣と命に一番地に関わるものを探すように言う。しかし、なつき自身はある部屋にたどり着くと、自分の記憶がフラッシュバックする。ここは幼少時代に訪れた場所であり、自分の母がいた部屋だった。しばらくその想い出を懐かしむなつきだったが、警報を聞いた警官が駆けつける。物陰に身を潜め、HiMEの力でこの場から逃げようとしたなつきと命だが、舞衣に静止され、結局捕まってしまう。 その後パトカーに揺られる3人だったが、変装した迫水に助けられ、事なきを得る。迫水との関係を不思議に思う舞衣であったが、なつきが今回のように危険を冒してまで戦う理由も気になっていた。なつきは質問されるまでもなく「一番地やその組織をつぶすことが戦う理由」と舞衣に答えたが、それが自分の母と関係していることは間違いなかった。 迫水に助けられたとはいえ、道端に放置されたまま、帰る手段のないことに気付いた舞衣たち。ジャンケンで負けたなつきは、ヒッチハイカーの役目をやらされるはめに。しかし、なつきが無理してとったセクシーポーズに止まったのは、散歩にいったまま帰ってこない舞衣と命を探しにきた黎人たちの乗った車。自分の恥ずかしい姿を見られた恥ずかしさでいっぱいのなつきは、ただ絶叫する以外なにもすることができなかった。

ケーキ大戦!!!!

夏休みに入ったばかり風華学園。だが学園の屋上には、実習を欠席した舞衣、赤点をとった命、実習をさぼったなつきを含む9人の生徒が、補習授業を受けるために集められていた。しかし、碧主催の補習授業は、『愛情いっぱいのケーキ作り、真のパティスリ-は私よ!』選手権と命名され、3人一組に分かれたケーキ作り大会の用を呈していた。 舞衣にとって、この7月22日は自身の誕生日。よりによって自分の誕生日にケーキを作らなくてはならないことに少々困惑気味。そんな舞衣の想いを無視するように、補習は始まる。やがて詩帆、深優とチームを組んだ舞衣は、紅茶シフォンケーキを。静留、遥、雪之のチームは、ザッハトルテ作りに取りかかった。しかしなつき、命、奈緒のチームは、なにを作るか決められず、なつきと奈緒の小競り合いが始まる。ただケーキが食べたいだけの命はそしらぬ顔で、まだ見ぬケーキに瞳を輝かせるという前途多難な状態であった。 しばらくして、舞衣のチームは順調にケーキを作りあげていく。しかし、静留のチームは遥が暴走気味。その遥の不手際でガスが引火し、小爆発を起している。ようやくケーキづくりを始めたなつきのチームは、卵を満足に割れないなつきに突っかかる奈緒のおかげで、作業がはかどらない様子。その横にはうれしそうに卵割りを繰り返す命の姿があった。 そして、ケーキ作りが佳境に入った頃、砂糖を探していた命が、「甘いものオーファン」を目撃してしまう。とつぜんの敵の登場にびっくりした命はオーファンに襲い掛かる。しかし、追いかける命が、次々とテーブルを荒らしまわったおかげで、舞衣や静留のチームのケーキが次々と台無しになっていく。だが、舞衣となつきも、なつきのチームのケーキを食べていたオーファンを目撃。命とともにオーファンを追いかけ始めるのであった。 しかし、甘いものオーファンはまんまと校舎の外へ脱出。そうとは知らぬ舞衣たちの前に現れたのは、別のオーファン。このオーファンはアリッサが放った「シアーズオファーン」であった。それでも舞衣たちは、撃退に成功。なんとかことなきを得るのであった。 一方、甘いものオーファンは男子寮に潜入していた。舞衣のためにケーキを作っていた巧海は、突如オーファンに襲われ逃げまとう。だが、巧海の使いで買出しにいってた晶がこれを発見。HiMEの正体をばらすことができない晶は、ニンジャ姿で巧海の前に姿を現す。巧海にはばれていたものの、チャイルド「ゲンナイ」を呼び出し、撃退に成功した。 散々な一日を終えた舞衣たちは、疲れた表情で女子寮に帰宅する。だがそこにうれしいハプニングが待ち受けていた。部屋をあけた瞬間、クラッカーの音が響く。それは舞衣の誕生日を祝うため、クラスメイトたちが用意したパーティーの始まりの合図であった。とつぜんのことに感激した舞衣は涙するが、これは巧海が日頃の舞衣への感謝をこめて企画したもの。舞衣にとっては今日の出来事を忘れさせる、最高の一日になった。 しかし、教会の地下では舞衣たちを脅かすグリーアの計画が着々と進行していた。今回オーファンを放ったのも、風華学園内にいるHiMEたちを探すため。他のHiMEたちを早く見つけ出し、舞衣たちと合わせて処分しようと画策するグリーアたちであった。

光と闇の輪舞

風華学園では女子生徒が帰り道に吸血鬼に襲われるという事件が起こった。バイト中の舞衣は、クラスメイトのあおいや千絵から、襲われた生徒は首筋にキバのような傷跡があったことや、全裸で放置されていたという話を聞き、びっくりする。 一方、生徒会執行部でもこの吸血鬼騒動でもちきりとなり、遥は自身でこの事件を解決しようとはりきっていた。さっそく、学園内の教会に対策本部を設け、行動を始める。そんな準備をしている教会の前をたまたま通りかかった舞衣は、遥に呼びとめられ、夜間外出禁止令を言い渡されてしまう。おかげでバイトに行けなくなった舞衣は、仕方なく吸血鬼騒動の真相を凪に確かめに行くのである。 しかし、吸血鬼の正体がオーファンだと思って凪の元を訪れた舞衣だったが、凪から吸血鬼がオーファンではないことや、なに者かがHiME探しを目的に行動しているという話を聞かされ、逆に困惑してしまう。そして、最後に言われた「ウカツに手、出しちゃダメだよ。君たちの力は、あくまで君たち自身のためにあるんだから」という凪の言葉が気になってしまう舞衣なのであった。 結局、早々と寮に引きあげた舞衣。しかし、凪の言葉から、他のHiMEたちが、HiMEとしての自分の存在を主張する姿を思い返してしまう。そして、自分はHIMEとしてどうあるべきかにさらに悩みを深めていくのであった。 次の日、そんなモヤモヤとした気分を晴らしたい舞衣は、命とともに森林公園に遊びに出かけることにした。そして、アスレチックやフリスビーをして楽しみ、偶然公園に居合わせたアリッサの歌声に癒された舞衣の気分は次第に晴れていく。そんな一日を過ごせた舞衣たちは、心地よい気持ちで帰宅の途につくのであった。 やがて、寮に帰宅した舞衣だが、祐一からとつぜん電話を受ける。学園の図書館に呼び出された舞衣は、祐一が昨晩、詩帆といたところを吸血鬼に襲われたことを聞く。祐一は、舞衣と初めて会ったフェリーでの出来事以来、続けざまに身のまわりに起こる事件が気になってしょうがない。すべての真相をはっきりさせたい祐一は、舞衣に執拗に詰め寄るが……舞衣は答えることができず戸惑ってしまう。 しかし、その瞬間。あおいの悲鳴がこだまする。駆けつける舞衣たち。同じく、悲鳴を聞き、駆けつけた遥たち。だが、そこで舞衣たちが見たものは、吸血鬼ではなく、腕に矢が突き刺さり気を失っているあおいと、クロスボウをもち、呆然と立ち尽くす紫子の姿であった。

天使のほほえみ

吸血鬼に襲われるあおい。必至に彼女が逃げる先にいたのは紫子であった。目の前に現れた吸血鬼に怯える紫子。だが、攻撃を受けた刹那、首筋からHiMEの紋章が浮かびあがる。手からは弓状のエレメントが現れ、チャイルド「ヴラス」が発動。怯えながらも紫子が放った矢は、吸血鬼に命中し、なんとか追い払うことに成功するのであった。 あおいの悲鳴を聞いてかけつけた舞衣と遥たち。だが、そこには気絶したあおいとエレメントをもった紫子の姿。吸血鬼を追い払った後とは言え、まるであおいを襲った犯人が紫子のように見えたため、彼女は翌朝から生徒会室で遥からの尋問を受けてしまうのである。しかし、あおいに怪我を負わせたと思われる弓も矢も見つからず、再び吸血鬼騒動は暗礁に乗り上げてしまうのであった。 病院へあおいの見舞いにいった舞衣と千絵は、あおいが襲われて転倒した怪我だけと聞き、すっかり安堵している。だが、なにもすることができず大事な友達が傷ついてしまったことに憤りを感じた舞衣は、真白の元へ向かう。しかし、凪同様に吸血鬼の正体を教えてもらえず、戦うことも否定され、自分でなんとかしようと決断する舞衣であった。 一方、シアーズ財団のことを探っていたなつきは、教会の地下にある施設を発見し、潜入を試みていた。果たしてそこにいたのはグリーア、アリッサであった。なつきは、この学園でなにを企んでいるのか聞き出そうとするが、エレメントを発動した直後、背後に潜んでいた深優の一撃によって気絶させられてしまう。 吸血鬼の正体を突き止めようとしている舞衣は、ほかのHiMEたちと協力して事件を解決しようとやっきになっていた。碧もなつきも連絡が取れず、奈緒には無碍に断られてしまう。そして、仕方なく、命とふたりで行動を開始するのである。 しかし、舞衣が行動をおこすと予期していた真白は、事前に雪之に舞衣を手助け欲しいと頼んでいた。吸血鬼を放置しておくと、遥に危険がおよぶと説得されていたが、なかなか勇気が出なかった雪之。だが、やがて遥を守りたい思いが彼女を動かす。チャイルド「ダイアナ」を発動させた雪之は、吸血鬼オーファンを廃工場に見つけ、同時に手脚を拘束されたなつきも発見する。そして、舞衣にメールを送信した雪之は、後を舞衣に託すのである。 なつきのピンチをメールで知らされた舞衣は、なつきのいる廃工場へ向かう。間一髪のところで、オーファンに襲われそうだったなつきを救った舞衣と命。しかしこの事件に深優、そしてアリッサが絡んでいることに衝撃を受ける。眼前のオーファン、そして深優と対峙する舞衣たち。だが、深優の強さに圧倒され気味で、歯が立たない。やがてカグツチを発動させた舞衣が、なんとかオーファンを倒すことに成功するが、アリッサ、深優に対しての攻撃はためらってしまう。そして去って行くふたりを苦い顔で見送ることしかできなかった。 舞衣たちから逃れたアリッサたちはある廃墟に身をひそめていた。HiMEを処分しようと画策していたにも関わらず、なにもすることができなかったグリーアから、指揮権はアリッサに移行する。「次なる黄金時代を迎えるために」、アリッサはHiMEたちに対する新たな計画を実行に移すのであった。

~たまゆらの夜~

学園内でずっとHiMEの調査をしていたというシアーズ財団の存在。学園内には12名のHiMEがいることなど、舞衣たちはHiMEに関する情報を徐々に知りつつあった。だが、吸血鬼騒動を境に舞衣たちの周囲は、にわかに危険の度合いを高めていくのである。 しかしそんな舞衣たちの危機をよそに、学園中は魂響祭りの話題で盛りあがっていた。リボンを好きな男の子に差し出すことが、祭りへいっしょに行く女の子からの誘いの合図だと千絵に説明された舞衣は、初めて見る光景を不思議な表情で眺めていたが、やがてそこに現れた黎人に、祭りの日のデートを誘われてしまうのである。 その頃、なつきはグリーア財団の調査を続けていた。情報によってたどり着いた岩境製薬研究所。ここで変わり果てたあかねの姿を、そしてあかねがHiMEだった事実に驚愕の表情を浮かべるのである。 少々困惑しながらも、当日のデートに向かう舞衣。だが、ひとりでデートに行くことが不安だった舞衣は命を伴って黎人の前に現れるのである。しかし、舞衣と黎人だけでデートをさせようと画策する千絵とあおいによって、命はまんまと誘いだされ、舞衣と黎人はやがてふたりきりになってしまうのであった。 一方、詩帆は祐一を祭りに誘っていた。クラスメイトがこの夏にボーイフレンドといい関係になったと聞き、羨ましく思っていた詩帆は、祭りをきっかけになんとか祐一と関係を進展させようと考えていたのである。そして、いつもとは雰囲気の違う色っぽい着物姿で現れた詩帆。その姿に思わず目を奪われ、とまどいを見せる祐一であった。やがて、中庭の森に移動する祐一と詩帆。祭りの喧騒から離れた場所で、詩帆は意を決したように祐一に迫る。必至の目で見つめる詩帆になんとなく抵抗できなくなる祐一だが、そこでデートをしていた舞衣と黎人の姿に気づく。 その舞衣は黎人から吸血鬼事件のことを問われていた。舞衣は、事件は解決したが、これからも同じようなことが続くから自分には関わらないほうがいいと言う。だが、黎人はそんな悩みを誰にも相談できずに、ひとりで抱え込もうとする舞衣に心配する言葉を投げかける。そんな自分を見つめる彼の瞳に、徐々に呑み込まれる舞衣。そして不意に抱きしめられ、やがて黎人の唇が近づく。だがその刹那、ふたりの姿を目撃してしまった祐一が、とつぜん声を発してしまうのだ。 その声に驚いた舞衣は、黎人から逃れる。そして舞衣はなぜかキスしそうになったことを祐一に弁解してしまう。それが気になった黎人はふたりの関係を怪しむが、舞衣も祐一もお互いとまどうばかりで、否定の言葉が出てこない。だが、そんなふたりの様子を見た詩帆は愕然とし、目に涙をためながら、祐一に否定をするように迫る。そして、舞衣に対して、自分と祐一のなかを応援してくれるといった約束を守ってくれなかったことに、怒りを露にするのであった。 突如上空から一筋の光が橋を覆い、轟音とともに大爆発する。なにが起きたのか理解できず、呆然とする舞衣たち。衛星軌道上から発せられたビームによる攻撃、そして風華学園の湾岸に迫るシアーズの艦隊。これは、アリッサたちの新たな計画のスタートを意味していた。

ねらわれる学園

魂響祭りの日。アリッサのチャイルド「アルテミス」の衛星上からの攻撃で、舞衣たちの住む街にあった橋は大爆発をおこし破壊されてしまった。 次の日、風華学園では朝からこの騒動で持ちきりになっている。だが新聞やニュースでも取り上げられないことに生徒達は怪訝に思っていた。そんな学園に今度はアリッサが指揮をする装甲車、軍用トラックが大挙押し寄せる。そして兵隊たちが次々と校内に潜入し始め、校内はさらに騒然となるのだった。 そんな校内の騒ぎをよそにトイレにいた舞衣も、兵隊たちが校内にいることに気づき、びっくりする。そのうえ、訳もわからず兵隊に拘束された舞衣は、抵抗する間もなく、そのまま真白邸に連行されてしまう。 その真白邸で舞衣を待ち受けていたのはアリッサと深優。彼女たちを見た舞衣はこの事態の原因がアリッサたちであることを理解する。HiMEの力と風華学園に隠されたある場所が欲しいという理由だけでやったということを聞き愕然とする舞衣。 そして、他のHiMEの居場所を告げるよう強要され、抵抗すれば学園を破壊すると脅迫される舞衣だったが、舞衣が連行されて行く姿を目撃していた命によって助け出され、真白邸からの脱出に成功。しかし、アリッサはすぐにオーファンを召喚し、舞衣たちを追うのだった。 なんとか裏山まで逃げてきた舞衣と命だが、そこでオーファンに襲われている祐一と詩帆を発見する。彼らを連れてオーファンから逃れるものの、この騒動について祐一に問われる舞衣。すでに自分と騒動が関係していることに言い逃れができなくなった舞衣は、ついに自分がHiMEであることを告白する。 しかし、舞衣たちがいなければ、この騒動に巻き込まれなかったと詩帆に責められ言葉に詰まる舞衣。自身がHiMEになったことを被害者だと思っていた舞衣は、そんな詩帆の言葉に、自分たちのせいで学園のみんなに被害が及んでいたことに気づかされ、命の前で涙を流すのである。だが、舞衣の気持ちは次第に変化していく。戦う力があるから戦わねばならない。戦いのない生活を送るために、早くこの戦いを終わらせなくてはならないと決意を新たにするのだった。 そして、舞衣と命はアリッサの放ったオーファンと戦いながら学園に向かう。戦いの最中、舞衣たちの目の前にとつぜん現れた凪に言われ、やがて地下神殿を目指す。しかし学園へ近づくごとに、オーファンそしてシアーズの兵隊と包囲網が拡がり苦戦する舞衣たち。そんなピンチの状況になつきが合流し、なんとか包囲網を突破することができた舞衣たちは無事に地下神殿に続く、地下迷宮へと到達するのだった。 地下迷宮をゆく3人は、途中現れた黒服の男の案内で、地下水脈をボードで案内されて行く。しばらくして同じくアリッサの包囲網を逃れた紫子、奈緒、碧、雪之が合流。そして、黒曜宮といわれる場所に到着した舞衣たちの目の前には、風華学園理事長風花真白と姫野二三が待っていた。

天翔ける ミ☆ 女子高生

風華学園の地下神殿・黒曜宮に集められたHiMEたちは、真白から学園の危機をHiMEの力で救って欲しいと頼まれる。アリッサたちの狙いは、HiMEの力であり、風華学園のある場所。真白は、その目的が達成されない場合、昨夜、橋が破壊されたときと同じように、アリッサのチャイルド「アルテミス」が学園を破壊するだろうと告げた。 アルテミスが学園の上空に到達するまで、舞衣たちに残されたのはわずか6時間。それまでに、アリッサの行動を封じなくてはならない。そして、舞衣たちは、風華学園奪還作戦という名のもと、さっそく行動を開始するのだった。 舞衣と碧は湾に展開するシアーズの艦隊をチャイルドで攻撃。砲撃にさらされつつもなんとか撃退していく。なつきと命、奈緒もそれぞれ別の場所から学園を包囲している地上の兵たちをなぎ倒す。各所からの攻撃で、シアーズの部隊は混乱に陥り、やがて大半の兵力が舞衣たちによって失われてしまう。 そして、雪之のチャイルド「ダイアナ」が映し出す画像から、アリッサと深優の居場所を教えられた舞衣たちは、彼女たちがいる海岸へ向かった。そこに到着した舞衣は、アリッサたちに学園から去るように説得するが、アルテミスの射程がすでに学園をとらえていると言われ、逆に降伏を迫られる。 しかし、アリッサは舞衣に返答する間も与えず、地上へ向けてビームを放ってしまう。そんなアリッサの行動に、舞衣はビームを防ぐため、カグツチとともにその方向へ向かっていく。だが、ビームは無情にもカグツチに直撃し、大爆発を起すのだった。 その爆発によって、カグツチの破壊に成功したことを確信するアリッサ。しかし、再び姿を現した新たな姿のカグツチと舞衣の姿に、驚愕の表情に変化する。そして、カグツチはそのまま舞衣を乗せ、アルテミスのいる場所を目指し急上昇していく。とつぜんのカグツチの行動に混乱する舞衣をよそに、やがて宇宙空間に到達したカグツチは、アルテミスの破壊に成功するのだった。 アルテミスの破壊によって倒れるアリッサ。爆発を確認したなつきは、戦うすべの無くなった彼女たちに降伏を迫る。だが、今度はその場所に向けてミサイルが襲い掛かる。それは計画に失敗したアリッサたちを消去するために、シアーズ財団が放ったミサイルだった。 逃げるなつきたち。そして、その気に乗じた深優も、アリッサを連れて、なんとか裏山まで逃れることに成功した。しかし、そんな彼女たちの前にジョセフが現れる。深優が目を離した隙に、アリッサを死へと至らしめる注射を打つ。計画に失敗したときに、アリッサの始末を命じられていたジョセフだったが、そんな彼自身も深優の武器によって貫かれてしまうのだった。 だが、すでにときは遅く、やがて目を閉じていくアリッサ。そのアリッサの死は、舞衣たちHiMEを狙うシアーズ財団の計画が終わりを告げたことを意味していた。

Parade♪

アリッサとの戦いが終わり、風華学園にはいつもの日常が訪れる。アルテミスを破壊した後、消息がわからなかった舞衣も元気に学園に現れ、いなくなったことを心配していたHiMEの面々も一安心するのだった。 アリッサたちシアーズ財団との戦いが終わり、安堵の表情を浮かべる舞衣だったが、この騒動の最中、詩帆が怪我をして入院した話を聞かされる。 詩帆が入院した直後から、祐一がつきっきりで面倒を見ていることに、少し複雑な思いの舞衣。自分たちのせいで騒動に巻き込まれたことを気にした舞衣は、詩帆の見舞いに訪れる。しかし、舞衣に対し、布団をかぶり顔を見せてくれない詩帆。そんな彼女の態度に、騒動に巻き込まれたこと以前に、祭りの日の一件が、詩帆の態度を硬化させていることを思い出す。そして未だ解決していない黎人と祐一の問題に、頭を悩ませてしまうのだった。 そんな気持ちを引きずったまま過ごしていたその日の夕方。碧に呼びとめられた舞衣は、とつぜん碧から「HiME戦隊」の結成を宣言される。その言葉に唖然とする舞衣だったが、シアーズ財団が去っても、依然学園はオーファンの魔の手にさらされていると言う碧。そのオーファンに対し、一致団結して戦うこと、それがHiME戦隊結成の理由だった。 後日、碧にあらためて呼び出されたHiMEたち。そんな碧の計画になつきと奈緒だけは反論するが、シアーズ財団のような敵が現れたときに、ひとりで立ち向かうことができるのかと問われたふたりは、渋々承諾せざるを得なかった。 その後、碧の提案によりHiME戦隊の親睦を深めると称して、なぜか開催されたカラオケ大会。舞衣は親睦ということよりも、やっと来ることができたカラオケ屋に感激している。そして、ステージ衣装を着て歌わなくてはならないというおかしな趣向で始まった会は、嫌がるなつきや奈緒をよそに、次第に盛りあがりを見せるのだった。 やがて、意気揚揚と引きあげた舞衣たちは、学園の水晶宮へやってくる。そして、あらためて、力を合わせてオーファンと戦うことを誓い合う。だが、そこへとつぜん凪が現れ、オーファンはもう出てこないと告げられる。 舞衣は、その凪の言葉に呆然とする一方で、オーファンが現れない以上、もう戦う必要がなくなったのかと問う。しかし、続けて凪が放った「君たちが戦わなければならないのは、君たち同士さ」の言葉に舞衣たちの表情は一変させられる。新たな戦いの始まり。それがHiME同士による戦いだと、誰もが予測もできなかった事態に、舞衣たちは、ただ困惑することしかできなかった。

うそつきな、唇

凪が舞衣たちに、HiME同士は闘う運命にあることを告げたその頃、一番地の老婆たちと会談する真白の姿があった。老婆たちは、今回のHiMEの祭事も滞りなく進行するよう、真白に命じる。舞衣たちを否応なく戦いへと駆り立てなければならない辛さに、真白はただうつむいて聞くことしかできなかった。 舞衣は「君たちが闘うのは君たちのチャイルド」という凪の言葉を思い返していた。HiME同士で、チャイルド同士で戦わねばならない。どちらかのチャイルドが倒されれば、それは自分の想い人を失うという事実に改めて愕然とする。 そして、戦いは避けられない運命と続ける凪。地表には媛星がだんだんと迫りつつあり、これが接触すれば、世界に災厄がもたらされると言う。そして衝突を防ぐことができるのは、HiME同士の戦いに勝ち残った勝者のみ。あまりのことの大きさに、舞衣自身は信じることができなかったが、それを伝え終わると凪はその場から去ってしまった。 碧は凪の言葉の信憑性を調べ、なんとか回避する方法を調べて見ると言う。そして、それまで軽はずみな行動を慎むよう注意を促した。舞衣は、その碧の言葉を信じ、自分と同じく凪の宣告に悩む雪之をはげまし強がるが、心の内に芽生えた不安を打ち消すことは出来ず、自分の大切な家族、巧海に想いを馳せるのだった。 一方、巧海に女であることを知られてしまった晶は、自分の秘密を守るため、巧海を手に掛けようとするが、逆に「いいよ」と言われ戸惑う。自分が死ねば姉の負担がなくなると巧海の想いを聞かされ、さらに困惑してしまう。すでに、知らず知らずのうちに巧海に心奪われていた晶には、巧海を殺めるなどできはしなかった。だが、その姉である舞衣とやがて戦わなくてはならない。その運命に晶は苛まれるのだった。 凪の言葉以後、続く表向きは平穏な日常。その下校中、舞衣の携帯電話に、巧海へのドナーが見つかったとの連絡が入る。報告を受け、病院に向かった舞衣は、そこで詩帆を看病する祐一とばったり出会う。病院の屋上でお互いの現状を伝え合うふたり。そこで祐一はシアーズとの戦いのなかでなにも出来なかった自分をかえりみて、今なら舞衣の大変さが分かると言う。そして、だからこそ今は自分が詩帆を支えなければいけないと舞衣に告白し、舞衣の前から去っていくのだった。まるでお別れのような言葉に複雑な思いの舞衣。 しかし、病院からの帰途、以前二人で雨宿りした公園の前で、今までの祐一との出来事を思い出す。そしていつの間にか祐一に傾いていた自分の気持ちに戸惑い、涙を流すのだった。 だが、そんな感傷を破るかのように舞衣の前に姿を現した謎のHiME。舞衣に襲いかかるそのチャイルドの姿は、不吉な運命を暗示するような、鴉のような姿をしていた。

――はじまり。

舞衣に襲いかかる謎のチャイルド。防戦一方の舞衣を救ったのは命だった。命はそのまま倒そうと立ち向かうが、HiME同士の戦いを避けたい舞衣はそれを止めさせ、なぜHiME同士で戦う必要があるのか問い掛ける。だが、その答えは返ってくることなく、謎のHiMEとチャイルドは舞衣たちの前から姿を消すのだった。 寮に帰った舞衣は、自分の危機を救ってくれた命に感謝しつつも、改めて命に他のHiMEとは戦わないよう言い聞かせる。命にとっては、大好きな舞衣を守りたいだけだったが、敵は倒さなければという兄の言葉が思い返され、複雑な気持ちだった。 そして翌日、巧海にドナーが見つかったことを知らせる舞衣。アメリカの病院へ早く入院させたいと言われたことを伝えるが、巧海はなぜかうかない顔をしている。気持ちを整理したいと言う巧海に、どこか不安さを感じる舞衣だった。 その後、舞衣は、雪之、奈緒たちと碧に呼ばれ花園にやってきた。碧はHiME同士の戦いを避けるように改めて忠告する。だが昨夜、謎のチャイルドに襲われた舞衣を目撃していた奈緒は、自分が同じ立場であればやり返すと言う。そして舞衣がすでにアリッサのチャイルドを倒したことを引き合いに出し、それが自分にとっての脅威だと告げる。アリッサを倒したことは仕方なかったと碧になぐさめられながらも、自分がすでにひとりの人間を消してしまっていたという事実に気付かされ、舞衣は大きなショックを受けるのだった。 放課後、偶然出会ったなつきに自分の気持ちを語る舞衣。不安に染まる舞衣に、なつきは自分のことを話し始める。自分の母が一番地の犠牲になった。だから自分は一番地の陰謀を妨害するために戦っていると言う。自分には大切な人はいない。もしHiME同士を戦わせることが一番地の陰謀であれば、それを邪魔するために戦うだけ。そんななつきの言葉に、舞衣は少し勇気づけられるのだった。 だが、ふたりの前にとつぜん紫子の悲鳴が響き渡る。駆けつけた舞衣たちに、奈緒に襲われたという紫子。軽率な行動を諌めようと、なつきは舞衣の制止を振り切って奈緒を探しに向う。だがその怪我は、紫子のチャイルド「聖ヴラス」によるまやかしだった。 森のなかで奈緒を見つけ、紫子を襲ったことを問い詰めるなつき。だが同じくヴラスの幻術により、自分が逆に襲われたと奈緒は答える。それがごまかしにしか聞こえないなつきは、エレメントを出現させてしまう。舞衣の制止の声も聞かず、戦いに突入するふたり。戦いは次第にエスカレートし、デュランの放った弾丸が、奈緒のジュリアの一部を破壊し、その破片が奈緒の顔面を直撃してしまう。駆けつけた碧がようやくふたりの戦いを止めるが、痛みに震え、そして怒りを隠せない奈緒は、なつきたちに復讐を誓いその場から去っていくのだった。 夜の理事長宅でなんの目的でHiME同士を戦わせるのか、碧は真白を問い詰める。その碧に対し、自分は戦いを進める側の人間であることを真白は告げる。舞衣たちを守るために、力ずくでも真実に迫ろうとする碧。しかしそんな碧の前に、エレメントを出現させた二三が立ちはだかるのだった。

こころの迷宮

奈緒が発端で始まってしまったHiME同士の戦い。そのことで悩みを深めていた舞衣だったが、なかなか病院に行こうとしない巧海のことでも悩んでいた。そんな折、祐一が詩帆の見舞いに行っていることをクラスメートの話から舞衣は知る。 剣道部に所属していた祐一は、大会の前に膝を痛め、それ以来荒れてしまったと言う。次第にまわりに敬遠され始め、ひとり孤立していった祐一だったが、そんな彼を詩帆だけは見捨てず、ずっと励まし続けていたと聞かされる。舞衣はその話を聞き、祐一が詩帆の側にずっといるのは、そんな過去の出来事があったからだと理解するのだった。 その日の午後、舞衣は手術の決断を鈍る巧海を激励するため、男子寮へと赴く。だが道の途中、巧海と晶の話し声が聞こえ、その場でふたりの会話を耳にしてしまう。とつとつと、今まで思っていたことを巧海は晶に話す。手術費を捻出するため、舞衣が頑張っていること。それでもその手術の成功率が高いものではないこと。そして、自分の前では苦しい顔ひとつ見せずに、舞衣がいつも笑顔でいること。それが重い、と。思ってもみなかった巧海の言葉によろめく舞衣。その物音に驚いた晶は、警戒してエレメントを出現させる。晶がHiMEであることを、舞衣たちは知るのだった。 巧海に言われたことを引きずる舞衣は、頭のなかを整理しようと、ひとり海岸に来ていた。自分の笑顔が重いと言う巧海の言葉が理解できず悩む舞衣だったが、やがて晶がHiMEであることを思い出しハッとなる。もし、晶の大切な人が巧海だった場合、晶のチャイルドが倒されたら、巧海が消えるかもしれないと危機感を覚える。 だが、そんな舞衣にとつじょ危機が迫る。雪之のチャイルド「ダイアナ」の触手が舞衣を襲おうとしていたのだ。なに者かに舞衣を倒すよう、脅迫を受けていた雪之だったが、偶然その場に命が現れ、舞衣の窮地を救う。命はそのまま雪之に襲い掛かるが、その動きに気づいた舞衣に止められてしまう。 雪之から襲った理由も聞かず、その場から立ち去らせた舞衣は、自分が襲われたことよりも、雪之と戦おうとしていた命を責める。自分が正しいと思って行動したことが否定され、そして、そんな命の行動に自分もみんなも迷惑していると言われたことにショックを受けた命は、その場で泣き崩れてしまうのだった。 そんななか、巧海が病院に運ばれたと連絡を受ける。巧海に言われた言葉を気にしながら病室に向かった舞衣だったが、もう自分のために無理に笑顔をつくったり、我慢をしないでと言われ、昼間聞いた巧海の言葉が本心であったことを理解する。そしてこれからは自分のためでなく、舞衣自身のために生きて欲しいとお願いされる。さらに「ほんとうに欲しいものはなに」と巧海に問われた舞衣は、いつでも巧海のために一生懸命だった自分の姿しか考えられず、その巧海の言葉にただ戸惑うばかりだった。 病院の帰り道、巧海の言葉にふさぎこむ舞衣。そんな舞衣の側を偶然、祐一と詩帆が通りかかる。しかし舞衣の姿に気づいた詩帆は、とつぜん祐一にキスを迫る。見せつけるようにキスをする詩帆。その光景に驚愕した舞衣は、その場から逃げるように走り去る。そしてなぜか巧海に言われた「ほんとうに欲しいもの」の言葉を思い出す。いつの間にか祐一の存在が自分のなかで大きくなっていたこと、祐一のことが好きだったことに気づかされてしまうのだった。

炎の舞/涙の運命

夜中、巧海の病室に現れる奈緒。この前の戦いで傷を負った奈緒は、その恨みを晴らそうと巧海を襲おうとしていたのだ。だが、奈緒が巧海に手を掛けようとした瞬間、病室に飛び込んできた晶が、間一髪のところで巧海を救い出す。そしてチャイルド「ゲンナイ」を出現させた晶は、巧海をつれて病院から逃げ出した。 復讐心から、動揺させるために舞衣に電話を掛ける奈緒。巧海と晶を追いかけていると言う奈緒に、やめるよう舞衣は懇願する。しかし、奈緒は一方的に電話を切る。愕然とする舞衣だったが、巧海を救い出すために、すぐに行動を開始するのだった。 やがて、巧海たちに追いつく奈緒。だが、病院から巧海がいなくなったと連絡を受けて動いていた碧がそれを止める。碧に邪魔されたことに腹をたてる奈緒をよそに、再び晶たちは奈緒から逃げ出す。 一方、飛び出したものの、巧海の言葉を思い返し、歩みを止めてしまった舞衣は、碧から連絡を受けていたなつきに、活を入れられる。動き出そうとした矢先、とつじょ、白無垢の姫のチャイルドが現れ、行く手を遮られてしまうふたり。その場を引き受け、巧海を助けに急ぐよう促すなつきの言葉に感謝し、舞衣は飛び立つのだった。 奈緒から逃げ続ける巧海と晶。だが、巧海はなぜ自分が襲われるのか、いったい舞衣になにがおこっているのか晶に問う。晶はためらいながらも、舞衣が自分と同じHiMEであることを告白する。そしてHiME同士が戦い、どちらかが敗れれば、その敗れたHiMEの大切な人がいなくなってしまうため、舞衣はHiME同士の戦いを止めようとしていると巧海に語った。 もし自分が敗れれば、巧海が消えてしまうかもしれないと続ける晶。だが巧海は、そうなってしまっても構わないと応える。生きる気力を失いかけていた自分に生きる勇気を与えてくれたこと。そして、自分を大切な人と思ってくれていることに、素直に笑顔を浮かべる巧海。 しかし、そんなふたりの前に、白無垢の姫とそれを追っていた命が現れる。敵愾心から周りが見えなくなってしまっている命は、そうとは知らずゲンナイにも襲い掛かる。彼女たちから攻撃を受け、ピンチを迎えるふたり。そんなふたりの居場所を知り駆けつける舞衣。 だが、ゲンナイを襲う命の姿を目撃し、愕然とする。命に攻撃を止めさせようとした舞衣だったが、白無垢の姫を巻き込んだ混乱のなか、やがて舞衣と晶の目の前で、ゲンナイは消滅してしまうのだった。 そして、ゲンナイの消滅によって、巧海の体が消え始める。巧海に駆け寄る舞衣だったが、巧海の体は、舞衣の腕の中で完全に消えてしまう。ショックと怒りで我を忘れた舞衣は、「カグツチ」を呼び出し、命に襲い掛かる。舞衣に攻撃される理由がわからぬ命だったが、巧海が晶の大切な人だと理解し、舞衣と戦わざるを得ないことを悟る。しかしそんな舞衣と命が戦っている姿を目撃したなつきは、ふたりを止めようと試みるが、舞衣の怒りは収まらず、命も我を忘れたまま戦い続ける。 だが、なつきに「お前の好きな舞衣」と戦うのかと問われ、とつぜん戦いを止め放心状態になる命。そんな命の姿を見た舞衣は我に返るが、舞衣の制止もむなしく、炎を吐き出したカグツチによって、命は姿を消してしまった。 戦いが終わり、その代償の大きさ、そして巧海を失ったことで茫然自失とする舞衣は、降り出した雨のなか、トボトボと歩き出す。そんな舞衣の前に現れる黎人。自身の気持ちを反すうさせる黎人の言葉に、舞衣は彼の胸のなかで泣き崩れるのだった。

黒き君、目覚めるとき

HiMEたちがおこした今回の騒動の大きさに、なつきはすでにHiMEの存在を隠し切れないと感じていた。そんな会話をなつきと迫水が交わしているところへ、シアーズ財団のジョン・スミスという男が現れる。 シアーズ財団という名に警戒するなつきは、スミスにエレメントを突きつけるが、彼の目的はHiMEではなく、見失ってしまった深優の回収だと言う。その情報を提供するかわりに見返りを要求したなつきは、スミスから母の死の真相を教えると言われ愕然とする。 母のことを知りたいなつきは、迫水の制止を振り切り、深優の情報を提供。しかしスミスが語った内容は、なつきの母がなつきを研究材料としてシアーズ財団に売ろうとし、それが発覚したために一番地によって粛正されたというものだった。なつきはその言葉が信じられず、嘘だと口にするが、やがて一番地への復讐に費やした時間が無駄だったことを知り、激しく落ち込んでしまう。 明かされた真実により、放心状態のままバイクを走らせるなつきを、とつぜん奈緒が襲う。しかし奈緒に攻撃されてもなつきは、抵抗することなく、なすがままの状態。母のことを知り、戦う理由を失ったなつきにとって、HiME同士の戦いはもはやどうでもよかったのだ。 だが、その場になつきを助けだすため、静留が現れる。腕からエレメントを出現させる静留。静留がHiMEであることを初めて知ったなつきは驚きの表情を浮かべる。チャイルド「清姫」を呼び出した静留は、奈緒を叩きのめし、なつきを連れて立ち去るのだった。 その頃、舞衣は黎人の家にいた。巧海、命を続けて失ったショックを引きずる舞衣は、やがて黎人に今までのことをすべて打ち明ける。心のうちを話し終え、それでも悲しみに暮れる舞衣だったが、黎人は、もしその話が本当ならば、HiMEとの戦いに勝ち残れば、力が手に入るのではないか、そこに希望を見出すことができるのではないかと舞衣に語りかける。その黎人の言葉に、舞衣は徐々に気力を取り戻していった。 静留に手当てを受けたなつきは、自分が戦う理由がなくなったことを涙ながらに告白する。そんななつきに、なつきが好きだから守ると言う静留。なつきは、静留のその言葉に感謝するが、そこに隠された静留のほんとうの想いをこのときは知るよしもなかった。 HiME同士の戦いを止めることができず、エスカレートしていく状態に悩む碧は、真白に詰め寄っていた。碧に詰め寄られた真白は、戦いを終わらせるためには黒曜の君を倒す必要があり、彼が目覚めてしまう前に決着をつけようとしていた、とその思いを語る。しかしそこに一通の書状が届き、黒曜の君が目覚めたことを伝えられた真白は、もはや今さら動いても手遅れかもしれないと思いながら、黒曜の君を倒すことが自分に残された使命と考えるのだった。そして、戦いに協力するという碧を制し、一枚のカードキーを差し出す。真白は、切り札となるだろうそれを預け、自分が倒された後のことを碧に託すのだった。 やがて、真白と二三は、黒曜宮へ向かう。そこで黒曜の君の器であった黎人と対峙するふたり。彼を倒す目的でやってきたふたりは黎人に攻撃を仕掛ける。二三は黎人に向かってエレメントを振りかざすが、とつじょ現れた命に遮られてしまう。困惑しながらも、真白は目的を達するため、本来の姿を現し応戦する。だが、真白と二三は命の前に敗れてしまうのだった。

くずれゆく……

HiMEたちが繰り広げた戦いによって、風華学園の校舎は崩壊し、見るも無残な状態をさらしていた。そして、ここしばらく続いている詳細不明の事態に、学園の教師や生徒たちも身の危険を感じるようになり、退職や転校も相次いでいた。 そんななか、舞衣は花園で碧と会っていた。真白からHiMEの戦いの真実を知らされた碧は、黒曜の君を倒すことが、戦いを終わらせる唯一の方法と語る。だが、例えそれで戦いが終わっても、目の前で消えていった巧海は帰ってくることはないだろう。そんな想いだけが、今の舞衣の心を捕らえてはなさなかった。いずれにしても、戦いを続けて媛星の激突を防ぐか、黒曜の君を倒して戦いを終わらせるか、もはや戦いを始めたHiMEたちには、それしか選択肢が残されていなかった。 祐一は、学園を巻き込んだ一連の騒動で、舞衣がどうしているのか気になっていた。千絵とあおいの会話から、舞衣が授業に出ていないことやバイトを辞めたこと、巧海と命の姿を最近見なくなったことを聞かされ、それがHiMEの戦いに関係があると感じていた。そして黎人から、舞衣が学園をやめるかもしれないと聞いた祐一は、真実を知るために、舞衣の元へ走るのだった。 かつてアリッサの攻撃で破壊された橋に立つ舞衣。そこで舞衣は、自分を探しにやってきた祐一と遭遇する。そして舞衣は、真実を知りたがる祐一に、HiMEの戦いに巻き込まれた巧海は消え、巧海を消した命は自分が倒したと語る。 自分に関われば、そんな悲劇が待ちうけている。だから二度と近づかないで欲しいと冷たい態度で祐一を突き放す舞衣。祐一への想いが自分のなかにあることに気づいてしまった舞衣は、HiMEとの戦いが続くかぎり、もし自分が敗れれば、今度は祐一が自分の目の前で消えてしまう。そんな言葉を飲み込み、祐一の前から去って行くのだった。 祐一と別れた舞衣は、やがてひとつの決断を胸に学園の図書館へ向かう。舞衣の決断、それは黒曜の君の思惑に乗り、最後までHiMEとして戦う運命に従うことだった。そこで凪を見つけた舞衣は、黒曜の君にあわせて欲しいとお願いする。最後に勝ち残ったHiMEがほんとうに「力」を手に入れることができるのか、それを直接黒曜の君に確かめたいと思っていた。 黎人に言われた、その「力」で、巧海や命をひょっとしたら取り戻すことができるかもしれない。そして祐一を巻き込まずに済むかもしれない。そんな希望に近い想いが舞衣のなかに芽生えていた。 しかし凪は、HiMEとして戦う運命に従うと言った舞衣に、行動で示すよう告げる。黒曜の君に会わせるかどうかは、それ次第だと言う。そしてその刹那、真白邸から炎が立ち上がり、HiME同士の戦いが始まったことを察知する舞衣。行動で示す。その言葉を胸に、舞衣は風花邸に向かうのだった。

愛情と友情、非情

真白に黒曜の君を倒す力になると託された一枚のカードキー。碧はそのカードキーを使おうと風花邸にある一室の扉に手をかけようとしていた。しかしそこに現れたのは命。命は黒曜の君の指示で、まさに碧が目覚めさせようとしている人物の破壊にやってきたのだ。急ぎ部屋のなかに入った碧は、間一髪のところで命の攻撃をかわし、カードキーの挿入に成功。やがて、部屋の奥にあった柩から起動音が鳴り響き、ひとりの少女がゆっくりと目を覚ますのだった。 閉じられた部屋の扉に向かい、執拗に攻撃を繰り返す命。少女を失うわけにいかない碧は、チャイルド「愕天王」を出現させ、命に対峙する。だが、碧が目にしたのは、命のチャイルド「巳六」。そして巳六の圧倒的な力の前に、碧は徐々に劣勢を強いられていくのだった。 一方、凪に言われ風花邸にかけつけた舞衣は、傷ついた碧と死んでしまったとばかり思っていた命、そして巳六の姿を目撃する。驚きと嬉しさで混乱する舞衣だったが、命はそんな舞衣に目もくれず、碧が目覚めさせようとした少女の柩へ向かう。柩に向けて剣を振り下ろす命。しかし柩から現れた腕が命の剣を掴む。その瞬間、露わとなった深優の姿を確認した舞衣は、さらに驚きの表情を浮かべる。 柩から飛び出した深優に再び攻撃を試みる命。だが、舞衣が命の前に立ちふさがり、行く手を遮る。その間に深優が逃げられたことを確認し安堵する碧。しかし命はそれでも舞衣と戦うことなく去っていくのだった。だが、碧にとって深優を守るために戦った代償は大きく、愕天王は巳六に敗れ去り、消滅していった。 命との戦いによって傷を負った碧を保健室に運んできた舞衣は、陽子から封筒を受け取る。そこには碧が調べたHiMEの戦いの真実が書かれていた。勝ち残ったHiMEが手にするのは、媛星を自由に操れるという力。だがそれと引き替えに黒曜の君の妻にならなくてはならない。そんな事実に、たとえ勝ち残っても祐一への想いが適わぬことを知った舞衣は涙を見せるが、その気持ちを吹っ切るように戦いへの決意を新たにするのだった。 やがて舞衣は、ふと保健室に置かれていた紫子のヴェールに気付く。今まで怪我ひとつしたことのなかった紫子が、初めて保健室を利用したと話す陽子の発言に怪訝な表情を浮かべる舞衣。紫子が奈緒に襲われて大怪我をしたことがきっかけとなり、HiMEの戦いが始まったと記憶している舞衣は、なにかの間違いではないかと陽子に問う。しかし、そんな大怪我はおろか、傷跡ひとつなかったと陽子に聞かされた舞衣は、急ぎ紫子のいる教会へと向かうのだった。 教会についた舞衣は、奈緒に襲われたことについて紫子に説明を求める。だが、紫子は自分が怪我をしたように見せたのは、チャイルド「聖ヴラス」が見せた幻影だったと答え、HiME同士の戦いを仕向けたのは、自分の仕業だと告白する。そんな紫子の言葉に怒りを隠せない舞衣は、戦いさえ始まらなければ巧海が犠牲になることはなかったと紫子を責める。しかし舞衣は、紫子と会話をしているうちに、いつの間にかヴラスの作り出した幻影に飲み込まれようとしていたのだった。

コイ・ハ・タタカイ

紫子のチャイルド「聖ヴラス」に幻影を見せられてしまっている舞衣。幻影のなかに現れる世界は、舞衣自身が夢見る理想の光景だった。ステキな家族に囲まれ、祐一という恋人が側にいる。そんな目の前に広がる心地よい世界に陶酔する舞衣は、徐々にその妄想のなかに埋没していく。そしてヴラスは、幻影に見せられたまま身動きのとれない舞衣を飲み込もうとしていた。 だが、舞衣のなかに残っていた強い想いが、やがて妄想を打ち破ろうとする。HiMEとして最後まで戦うこと。自分が戦いに敗れてしまえば、こんな世界はやってこない。そんな想いが舞衣を現実へと引き戻す。そして、やってきた祐一の呼びかけに、舞衣は幻覚から目を覚ました。ヴラスに飲み込まれる寸前、萎縮してしまい動くことができない舞衣を祐一が助け出す。間一髪のところで祐一に救われた舞衣は、なぜ助けにやってきたのかと責めるが、嬉しさと安堵の表情を隠すことができなかった。 一方、祐一と公園で会う約束していた詩帆は、いつまでたっても現れない祐一を辛抱強く待ち続けていた。だが、そんな詩帆の前に現れたのは凪。未だ自分がHiMEであることに気づかない詩帆を覚醒させるのが目的だった。詩帆は凪から祐一が舞衣といっしょにいることを告げられ怒りにふるえる。その言葉がきっかけとなった詩帆は、HiMEとしての意思が目覚め、白無垢の姫となって行動を開始するのだった。 やがて、風華学園の中庭でふたりを見つけた詩帆は、自分との約束を反故してまで、舞衣といた祐一にショックを受ける。なんとなく予感しながらも、祐一が舞衣を好きになってしまった現実を受け入れられない詩帆は、祐一が舞衣への想いを告白しようとする言葉を遮り、舞衣へチャイルドで攻撃を始めようとする。 しかし、祐一が舞衣と詩帆の間に入り、ふたりが戦い始めるのを制止する。舞衣はどちらのチャイルドが消滅しても、祐一が犠牲になってしまうことを詩帆に言うが、詩帆の気持ちは収まらない。そして詩帆のチャイルドの攻撃が舞衣に迫る。攻撃を躊躇する舞衣はピンチに陥るが、そこへなつきが現れ、舞衣は詩帆の攻撃からなんとか逃れることができたのだった。 詩帆がなつきの登場でひるんだ隙に、今度は舞衣が攻撃されたのを見た「カグツチ」が詩帆を襲いかかる。カグツチの攻撃で傷つく詩帆。そんな詩帆を助けにいく祐一は、自分の舞衣への想い、ほんとうの自分の気持ちを詩帆に言わなかったせいで、ふたりが戦う事態になってしまったことに顔を歪める。 そして祐一は、舞衣に詩帆のチャイルドを倒せと叫ぶ。たとえ自分が犠牲となっても、ふたりの戦いを止めることができるならと、そう考えた末の言葉だった。しかし、祐一が消えてしまうことを受け入れられない舞衣。弱弱しく首を振る舞衣に詩帆のチャイルドが襲いかかろうとしたその瞬間、命がとつぜん現れ、詩帆のチャイルドを両断する。 消失する詩帆のチャイルド。そしてその直後から消え始める祐一の身体。これまで自分のほんとうの気持ち、祐一に対する「好き」のひと言を告白できなかった舞衣は、消えていく祐一に向かってようやく告白するが、舞衣の言葉は届くことなく、祐一は完全に姿を消してしまうのだった。 絶望感と喪失感に襲われる舞衣。二度と目の前で自分の大事な人を失わないと誓った矢先におきた出来事に、舞衣は、ただその場で叫ぶことでしか、今の気持ちを表現することができなかった。

運命の刻へ

風華学園の休校により、学園を転校することになった千絵とあおい。舞衣がいっしょに来ないことに、後ろ髪を引かれる思いをしている。舞衣はふたりに学園を出て行けない理由を語ることはなかったが、それはHiMEとしての戦いを明日で終わらせるためだった。 舞衣の部屋で最後の夜を過ごす舞衣となつき。そこに命がいないことに少し寂しげな表情を浮かべる舞衣だが、明日、命との決着をつけねればならないことを受け入れる決意をしていた。そしてなつきは、静留との決着へ思いをはせる。静留を倒せば、自分自身が消えてしまうだろうことを感じていたなつきは、舞衣と出会えたことに感謝する言葉を残し、舞衣の元から去っていくのだった。 自分の想い人はなつきだと告白した静留は、なんとかなつきを自分のものにしたい、その執念だけが彼女を突き動かしてした。一番地や奈緒、自分となつきの間を邪魔するものを次々と排除し続けてきた静留の様子は、すっかり変貌してしまっていた。 そしてそんな静留に戦いをやめさせたいなつきは、静留の前に姿を現す。静留はなつきが自分の気持ちを受け入れられないのであれば、力ずくでも自分のものにすると言い、ふたりは戦いを始める。 しかし防戦一方を強いられるなつきは、とうとう静留のエレメントに絡めとられてしまう。自分のものだと抱きつく静留に、とつぜん唇を重ねるなつき。動揺する静留に、なつきは自分の想いを話す。まわりの人間の誰をも信じられない状態で過ごしていた日々。そんな自分を唯一受け入れてくれたのが静留だったと言い、そして自分も静留が好きだと告白するのだった。 だが、HiMEとしての決着はつけなければならない。「清姫」にからみとられた状態の「デュラン」に発砲を命じるなつき。双方のチャイルドが消失すれば、互いを想い合うふたりは、ともに消失する運命にある。なつきはそれを覚悟の上で、自らHiMEとしての定めをまっとうすることを選択したのだ。やがて大きな爆発がおこり消失するチャイルド。決意の表情のなつきに対し、静留はなつきに想いを告白されたことに微笑みを浮かべ、ふたりは消えていくのだった。 一方、命と決着をつけようと図書館にきた舞衣だったが、そこで凪に捕まってしまう。地下迷宮・柱の間へと連れていかれた舞衣は、そこに立ち並ぶ想い人の柱を目にし、悲しげな表情を浮かべる。そこに、なつきたちが倒れ、立ち昇る最後の柱。すべての柱が揃い、封架の宮への道が開かれ、そこを舞衣は降りていくのだった。そしてそこで初めて、黒曜の君となった黎人と対面する。 舞衣に対し黎人は、自分の妻となり新しい世界をともに創造しようともちかける。だが、その申し出を断る舞衣。命との決着はついていないが、黒曜の君さえ倒せばHiMEの戦いを終わらせることができる。そして命と戦わずともこの戦いに終止符を打つことができると考えた舞衣は、黎人に立ち向かう。 しかし、そんな舞衣の前に命が姿を現す。やはり命とは決着をつけなければならない運命。舞衣と命、最後に勝ち残るHiMEを決める戦いが、今まさに始まろうとしていた。

shining☆days

舞衣が黎人の下へ向かった頃、地上では凪と深優の激闘が繰り広げられていた。戦いの場がHiMEの想い人を封じた石柱の間に移ったとき、深優の脳裏にアリッサの声が響き渡る。主であるアリッサの存在を確認した深優は、アンチマテリアライザーのリミッターを解除し、その出力を自らの剣に乗せ石柱の台座へと突き立てた。 その力によって、水晶に封印されていた真白が解放される。真白は媛星の宿命を断ち切るため、戦いに敗れたHiMEたちの元へと向かうのだった。 封架の宮で対峙する舞衣と命。望まぬ戦いを強いられる中、黎人から今一度自らの妻になることを迫られる舞衣だが、黎人の思い通りの世界など要らない、と拒絶する。業を煮やした黎人は命に舞衣を始末するよう命じる。命の猛攻に防戦一方の舞衣。そこに、石柱に封じられたはずの祐一が現れる。そして舞衣を守るため、祐一は黎人に戦いを挑む。 黎人に操られ、舞衣に襲いかかる命に、舞衣は「人を好きになること」の大切さを反芻する。自分の想いは本物だと信じること、それを疑ってはいけない……。そして舞衣は命のことが好きだと、心からの想いを伝える。その瞬間、命の首から下がっていた「お守り」が砕け散り、命は正気に戻る。泣き崩れる命を、舞衣は優しく抱きしめるのだった。 一方、黎人と祐一の戦いも決着のときが近づいていた。黎人に追い込まれて止めをさされそうになる祐一を、間一髪のタイミングで救う舞衣。2人まとめて始末しようとする黎人だが、祐一は愛する舞衣を守るために立ちふさがる。2人の想いに苛立ち刀を振り上げる黎人。だがそこに命が飛び込み、身を呈して黎人を止める。 黎人とともに倒れた命の元に駆けつける舞衣。だがそのとき、黎人の身体から黒い影が出現する。呆然と見上げる舞衣と祐一。その影こそが、HiMEたちの戦いの真の黒幕、黒曜の君の正体だった。 はるか昔より媛星の力を操ってきた黒曜の君。カグツチとともに黒曜の君を倒そうとする舞衣だが、黒曜の君が操る巳六に苦戦を強いられる。もはや災厄は避けられない、そう舞衣が思った瞬間、奇跡が起きた。なつき、碧、晶、雪之、奈緒、紫子、静留、詩帆、そしてあかね。真白によって力を取り戻したHiMEたちが、媛星の宿命を断ち切るために立ち上がった。 一丸となり、媛星に突撃するHiMEたち。そしてHiMEの力と災厄の源であり、HiMEの祭事の元凶だった媛星は消滅する。媛星の力を失い、狼狽する黒曜の君。舞衣は呪縛から解き放たれたカグツチとともに、黒曜の君と最後の決着をつけようとする。抗う黒曜の君と巳六だったが、カグツチの炎により、ついに消滅させられる。永きに渡り、多くの悲しみと涙で彩られてきた媛星の宿命は、ついに終わりを迎えたのだった。 春。HiMEたちの戦いが終結し、風華学園は卒業式の季節を迎えていた。自らに数奇な運命をもたらした学園から巣立つ静留、黎人、遥。出産を控えた紫子に替わって教会を任せられた奈緒、深優、アリッサ。新たに執行部部長となった雪之。和也と熱愛を繰り広げるあかね。そして出席日数不足を指摘され、思わず引きつるなつき――。過酷な日々を過ごしたHiMEたちがそれぞれの道を歩み出す中、舞衣も祐一と改めてお互いを想い合う関係となっていた。 花園で2人きりの時間を過ごそうとしながらも、詩帆や命らによって邪魔をされ、なかなか思いどおりにいかない舞衣。しかしこの騒がしくも暖かい日常こそが、舞衣が心から望んでいたものなのだった。「友がいて」「大切な人」「愛する人」とともに過ごす幸せをかみしめる舞衣。今、みんなの未来は、希望に満ちた光輝く日々へと続くのだった……。

『舞-HiME』に投稿された感想・評価

4.5
0
前半と後半の温度差
前半も普通に好きだったけど、後半のHiME同士の殺伐としたバトルロイヤル展開が面白すぎました
自分が敗北すると、自分じゃなくて自分の1番大事な人が消えるって設定がカオスと人間ドラマを産んでて圧巻だった
感情のぶつけ合いが堪らない
約1クールかけてキャラクターの掘下げと関係性の構築を描いた後だったから尚更
とにかく梶浦由記サウンドが合う.....
それでいてテーマはシンプルなのも良いし、チャイルドのデザインもカッコいいんだよな〜
ラストは賛否分かれそうだけど個人的には全然アリでした
過去記録
前半はみんな仲良しで普通の戦闘のある学園ものって感じだけど、後半になるにつれてドロドロとした話になってきて、めちゃくちゃ重い話になってきてすごく見ごたえがある。
後半特に泣きそうになる展開がおおくていい