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アグレッシブ烈子 シーズン1のKIOのネタバレレビュー・内容・結末

アグレッシブ烈子 シーズン1(2018年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

各話どれも面白いのだが、1-10、特に凄すぎる……。15分ちょいのアニメとは思えないくらい濃い内容だった。

烈子とれさすけの恋の終わりは、れさすけはただひたすら何も悪くない点がシビアだ。れさすけのスタンスは、きっと最初から何も変わっていない。とは言え、烈子が悪いというわけでもないのだ。

特に印象的なのは、烈子がれさすけをカラオケルームに誘い「ごめんなさい、今まで嘘をついていました、れさすけさんが見ていた私は本当の私じゃないです」と言い、デスメタル(鬱憤)を披露する場面。

デスメタルを歌い終えた烈子に対して、れさすけは拍手し「すごく上手だね、僕はいいから続けて歌っていいよ」と感想を述べるのだが、烈子は虚無を感じたような表情を浮かべ、れさすけに対する恋心は終わりを告げる。

れさすけのあの拍手と感想は、きっと心からそう感じていることなんだが、烈子には空虚に感じたのだろう。そもそも、烈子も我に返りれさすけに冷めつつあった時期なので、恋の終わるきっかけはいずれどこかのタイミングで訪れていそう。実に残酷。

れさすけが観葉植物に囲まれた自宅に帰宅するシーンは、何とも言えないやるせなさがあった。

れさすけの部屋の観葉植物の数には驚いたけれど、烈子でいうところのデスメタル(心の支え)が、れさすけにとっては観葉植物だったのであろう。だからこそ、カラオケでの烈子に対する評価は本物だと思った。

……非常に触れ難いが、多分れさすけは何かしらの発達障害があると思われる(作中で明言はされていない)。

烈子はれさすけの独特・不思議な雰囲気に惹かれ、恋心を抱き、結局はその雰囲気を原因として別れに至るのだが、ここに向き合うアニメ作品はなかなかない……。

烈子がデート中に履いてきたヒールで足を擦り、れさすけに「疲れてない?」と休息を仄めかすが「僕は平気」とれさすけが返事するシーンなど、烈子はきっと「私のことを思っていない」と感じたのだと思うが、伝えなければ分からない人には言い示すべきなんだよ……😿と、つらい気持ちになった。

もしれさすけがそういう性質であることを烈子がもう少し理解していたらストーリーは違っていたんだろうか?など考え込んでしまう……。

れさすけが普段ボーッとして電車を乗り過ごしていたり、伝票をしょっちゅう服に入れて洗濯してしまったり、いつも飲んでいる缶を片さず会社のデスクに並べっぱなしな様子を見て、

烈子はそれを「個性的」だと魅力を感じて恋に落ちるが、どこか一方的にくっつき、離れていったようにも見えて、なかなかシビアな1-10であった。

1-10に至るまでは、烈子が日々の鬱憤をデスメタルに乗せて発散するシーンなど「分かる!分かるぜ!」の連発であったが、全部が全部イイネ!と言い切れない部分もこのアニメの良さだと思う。

あ、ちなみに長々と烈子やれさすけのことを書いたが最推しはハイ田です……。なのでハイ田の心情を思うと非常にツライ1-10でもあった……!「ちゃんと言ってくれないとこっちもちゃんと断れない」何ちゅう言葉や……!烈子ォ……!😭🙏
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