Yuto

戦闘妖精雪風のYutoのレビュー・感想・評価

戦闘妖精雪風(2002年製作のアニメ)
4.0
SF作家・神林長平の原作小説『戦闘妖精・雪風』および『グッドラック 戦闘妖精・雪風』を映像化したOVA作品


原作は読了済み。なので世界観やストーリー、キャラクターは分かりますが、原作の1作目と2作目をミックスさせた内容となっており、結末は原作とは大幅に異なります。


ゼロ年代の本気は凄い……。

脚本の情報量はかなり少ないので原作未読の人は作品の主旨が分かりにくかったりするかもしれませんが、とにかく圧巻の映像が本シリーズの魅力と言えましょう。

登場する機体はほとんど架空のものですが、そのデザインとモデリング、カメラワーク、表面処理は素晴らしいの一言。超音速で凄まじいドッグファイトを繰り広げる戦闘シーンも凄いですが、格納庫から発信するシーンの作り込みはエグい。

主演の堺雅人も役にハマってたと思います。声優としての彼は初めて見ましたが、演技は悪くなかったです。

原作の哲学的(あるいは普遍的)なテーマは脚本ではあまり強調されませんが、作品全体の雰囲気は原作を読んでいる通りのものだったと思います。
強いて難点を言えば、キャラクターがあまり奥深く描かれなかったことだろうか。小説を映像化する上では避けては通れない壁ではあるが、他者とのコミュニケーションが一つのテーマでもある本作にしては、かなり薄味だった印象です。

SFファンとミリタリーファンにはオススメの1作。
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