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鬼滅の刃のhirokiのネタバレレビュー・内容・結末

鬼滅の刃(2019年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

家族を惨殺され、最愛の妹を鬼に変えられてしまった少年、竈門炭治郎。彼は絶望の淵で、妹を人間に戻すという一縷の望みを叶えるため、鬼を斬る組織、鬼殺隊に入ることを目指し、修行を始める。

竈門炭治郎立志編とタイトルがつく第一シリーズ。本作では炭治郎が鬼殺隊に入る経緯から、任務に伴う鬼との戦いがいくつも描かれていて、非常にボリュームの高い充実した内容となっている。

本作は既に視聴済みではあったが、新シリーズの遊郭編を見るにあたり、復習のため再度鑑賞することにした。

改めて傑作だと感じた。自分が家を空けている間に家族を殺されてしまうという炭治郎の境遇が悲しく、鬼になってしまった禰󠄀豆子との兄弟愛に何度も泣かされる。家族を惨殺した鬼に対しての憎しみを強く感じながらも、その一方で鬼に同情する優しい心を持ち合わせている炭治郎。本当の意味で思いやりのある人間というのは、自分が嫌いな相手にさえ優しさを与えられる炭治郎のような人のことを言うのかもしれない。

感動するシーンは数知れないが、あえて1つ挙げるなら、那田蜘蛛山の累との戦いの中で発動するヒノカミ神楽のシーンだ。那田蜘蛛山では、未だかつて戦ったことのない強い鬼と相見えることになり、ただでさえ満身創痍の状態の中、絶望的な力の差を見せつけられていた。そんな状況の中で、妹を守るため負けられない炭治郎が繰り出したド派手な技。鬼の禰󠄀豆子の覚醒による血気術と相まって、素晴らしい感動をもたらしてくれるシーンだった。

感動作品としての素晴らしさはもちろんだが、決してそれだけではない。鬼滅の刃が国民的に大ヒットした背景には、個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる会話の面白さや、鬼である禰󠄀豆子の可愛らしさがあると思う。特に、炭治郎と同じ最終選別を生き残った、我妻善逸と嘴平伊之助。この2人と炭治郎との絡みは賑やかで、思わずクスッと笑ってしまうような滑稽さを持ち合わせている。そして、人を食らわないために竹を口に挟んでいる鬼の禰󠄀豆子の何と可愛らしいことか。鬼の力を存分に発揮して炭治郎を助けるかっこいい姿と、普段炭治郎に甘える妹モードとのギャップに心奪われること間違いなしだ。

作品に対しての評価の基準として、もう1度見たいか見たくないかという観点は、かなり重要であると個人的に思うが、本作は文句なしで何度でも見たい作品だ。
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