馬刺し

メイドインアビスの馬刺しのレビュー・感想・評価

メイドインアビス(2017年製作のアニメ)
3.9
現実世界とは違った世界観であり、この世の未知という大きな穴の中に吸い込まれ、いかに人間が小さきものなのかを教えられる物語。

現代は技術の進歩で自然界の頂点に立った我々人類だけど、その恩恵の背景には必ず、未知のものを開拓した先駆者がいる。
犠牲者は1人ではない。火を起こしたり、効率の良い狩の仕方を学んだり、新たな発明を生み出すにあたって多くの命が失われており、今という時代はその犠牲の上に成り立っている。

今はあまり感じづらくなったけど、当時は今よりも自然というものは強大で恐ろしいものであったはずだ。それと同時に人間の知りたいという探究心もくすぐられたはずだ。そうして、土地を開拓していき、世界を広げていった。

このアニメはその当時の未知の世界を探究する人々の気持ちを少しでも知ることができる作品だと思う。
いまでも我々は神や宇宙を解き明かそうと必死でいるし、それに伴い大きな犠牲も生み出しているからそこにもあてはまる。

その過程の中でより、社会的弱者、子供、そして力の弱い女の子を主人公にすることによって、大きなものに挑む小さきものの対比ができており、勇気づけられるし、それと同時に絶望したりもする。とくに主人公は純粋そのものだから、なによりである。
馬刺し

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