千年前に現れた破壊の化身「閻禍(えんか)」は、「千年後に自分の<<子供>>が世界に絶望をもたらす」という不吉な言葉を残し滅びていった。それから千年後、DNA鑑定の結果「閻禍の子供」の可能性のある人間や生物が複数発見された。そのどれが「閻禍の子供」であるかを確かめるため、ある作戦が決行されることになった。それは、「閻禍の子供」の可能性のある者を家族として共同生活させるという「なごやか家族作戦」。対策局対策一課行動部隊長である乱崎凰火は、この作戦に「父親」として強制参加させられる。 ※配信時のEDは「凶華Ver.」になります。
大日本帝国超常現象対策局所属の乱崎凰火は、警察に追われている少女を捕まえる。彼女の名は凶華。可憐な容姿にネコ耳とネコの尻尾を持ち、とても偉そうな口調でしゃべる二十歳(!)の女性だった。そんな凶華と「地球を救う重大な任務」として結婚、そして5人の子供たちと共に幸せな家庭を築くよう命じられる。
「なごやか家族作戦」によって1つ屋根の下で暮らすことになった乱崎家の面々。彼らが家族となって数日がたったある日、凶華は突如、結婚披露宴をやると宣言する。あきれる凰火を他所に、さまざまなドレスに着替える凶華。帝架、雹霞らと歌のプレゼントをすると張りきる銀夏と、そのドタバタぶりはいつもと変わらぬように思えた。しかし優歌は1人苦悩する。「どうして苛められるのかな。どうしていつでも嫌われるのかな」と。
凶華の作戦により、優歌に対するクラスメイトたちのいじめはなくなったように思えたが、彼女の身体から生傷が絶えることはなかった。それを心配する凰火や兄弟たちだったが、優歌は「私は大丈夫だから」と微笑みながら答える。実は彼女を苦しめていたのは、乱崎家に来る前、本当の家族である姫宮という一族、そして優歌の実の姉である姫宮千子であった。今日も千子に脅される優歌。ちょうどその時、銀夏が通りかかるのだが…。
凶華や家族たちの活躍(?)により姫宮家は滅び、乱崎家の一員となった千子。彼女は幼い頃、まだ男らしかった銀夏(銀一)と出会っていて密かに想いを寄せていた。しかし今の銀夏は昔とは正反対。千子は男らしい銀夏に戻るよう調教すべく、「八月二日は伝統的に新婚旅行の日」と凶華をたきつけ、家族で旅行に出かけるよう仕向ける。凶華もそれに乗り、千子、優歌、縄で縛られた銀夏と共に旅行会社に向かうのだが、そこでも事件が!
旅行会社の事件からひと息つく間もなく、「新婚旅行に行く!」と力強く宣言する凶華。半ばあきれ気味の凰火だが、扉を開けると昨日まであったはずのご近所の家が消え、巨大な滑走路が!! そのまま専用機に乗せられ飛び立つ乱崎家の面々。しかし数時間後、飛行機は真っ逆さまに海面に墜落、一家は海を漂っていた…。雹霞や月香のおかげでなんとか全員無事に無人島にたどり着いたが、そこにはなぜか近代的超高級ホテルが建っていた。
飛行機の墜落、都合よくたどり着いた鳥哭島、そして支配人の西倉が出迎える超高級ホテル。すべては凶華が仕組んだことだった。だが、突如現れた巨大な白猿の軍団に優歌が連れ去られるという、凶華のシナリオにはない出来事が起こる。それに激怒した凶華と家族たちは、優歌を助け出すため「ドキドキッ! エプロンドレスと美味い飯~下等生物食いだおれ大作戦~」を決行する。しかしその作戦中、雹霞は思わぬ人物と再会することになる。
凶華たちの住む町に謝々飯店という1軒の中華料理屋があった。店を切り盛りするのは兄の柊雨と、妹の椿姫。しかしその店で料理を食べると、なぜか客は笑いながら昏倒するという事件(?)が起きていた。困り果てた兄を見て、椿姫は同じ学校に通う優歌に助けを求める。それを聞いた凶華たちは謝々飯店に乗り込み、まずは柊雨の料理を食べることに。毒も入っておらず、とても美味しい料理だと思った矢先、突如、千花が崩れ落ちる…。
その日、凶華はとても不機嫌だった。その理由は朝起きると凰火がおらず、自分の許可なく外出していたからだ。しかし家族との何気ない会話から、凰火がおしゃれをしていたこと、さらに女の人と遊園地に行くために外出したことを知ると、凶華の不機嫌が殺気へと変わる…。幼馴染であり同僚でもある死神三番こと霧岬知紅と、久しぶりに喫茶店で会う凰火。と、そこに突如ウインドウガラスを突き破り凶華が現れ、一触即発の事態に!
“最後の思い出作り”として死神三番と一緒に遊園地で楽しむことになった凰火。しかしそれを黙って見ている凶華ではなかった。なんとか2人の邪魔をしようと、家族を巻き込み暴走する。そしてその後ろで怪しくうごめく1つの怪しげな影があった。それは死神三番の体を乗っ取り、凶華に襲いかかる。なんとかその攻撃を逃れる凶華であったが、仕かけられた罠が次々に迫りくる。そんな攻防の中、隠された凶華の過去が明らかになる…。
久しぶりの休日を鳥哭島で過ごす乱崎家。たまには都会の喧騒を忘れて、のんびりするのもいいものだと凰火は思っていた。しかしその幸せを撃ち破るがごとく、突如現れた海賊船から大砲の音が響き渡る! ところが鳥哭島の王であるピエールこと西倉は、海賊たちを島に招き入れた。実は彼らは海賊ではあるものの、暴力は振るわず新鮮で良質な魚を売る紫骸骨海賊団だったのだ。ホッとする一同。と、そこにもう1隻の海賊船が現れた!
凰火と雹霞は、突如襲ってきた緑色の怪人軍を撃退しつつ、商店街を逃走していた。そんな彼らの前に1人の男が立ちはだかる。男の名はDr.ゲボック。尋常人工生命開発研究所第三室長にして、雹霞(黒の十三番)を造った博士の1人である。雹霞に殺されたはずの彼は、十三番の成長を確かめにきたと言い残し、いきなり自爆する。爆風で吹き飛ぶ凰火と雹霞。墜落した先は、鷹緑切子が切り盛りする「ぱちんこ屋」という名のパン屋であった。
彼の名は桂林道。とある大学に通うあまり目立たない男であった。いつもの週明け、林道は合コンに誘われたがバイトがあると断り、今日も1人さびしく雨の中、家路に着いていた。そんな彼の自宅アパート前、丸まって眠っている猫を見つける。普段なら素通りする林道であったが、その日はなぜか猫を家にあげ、雨宿りをさせることに。しかし翌朝、林道が目覚めると、そこには毛布にくるまって気持ち良さそうに眠るネコミミ少女がいた!
姫宮家から逃れ平和で普通の学園生活が送れると思っていた千花だが、転校初日に女番長の桃草愛智を負かしたことから、その座を譲られてしまう。それからというもの愛智や仲間の山口聖、罪木静から「番長」や「お姉様」と呼ばれ慕われるように。そんなある日、滅多なことでは休まない学園の生徒たちが、理由も告げず学校にこなくなる事件が起こる。その理由を探ろうと愛智、聖、静の3人は千花を誘うのだが、事件は思わぬ展開に…。
身近な食品や飲み物に混ぜられた新種の麻薬により、人々が半獣人化する事件が勃発。千花の親友である桃草愛智や山口聖、罪木静、さらに優歌の学校の生徒たちなども次々と動物へと姿を変えていった。この緊急事態に集結した乱崎家の面々だったが、その前に1人の女性が舞い降りる。彼女の名は平塚雷蝶。地上最悪の反逆者にして超常現象対策局最大の汚点。死刑すら生温い傾国のテロリスト。だが彼女は対策局局長に就任していた。
静かな朝、突如乱崎家のダイニングが大爆発。慌てて駆けつけた凰火は、ススにまみれた凶華と遭遇する。凰火を見つけた凶華は、手に持っていた黒い円柱「凶華様スペシャルケーキ」を食べさせようと襲い掛かる。必死に抵抗する凰火だったが、実はそのケーキは、凶華が作った結婚1周年の記念のケーキだった。記念日を忘れていた凰火に怒った凶華は、家を飛び出してしまう。そして凰火を懲らしめようと平塚雷蝶に協力を仰ぐのだが…。
とある日、凰火が仕事をしていると、どこか遊びに行こうと凶華が甘えてくる。それを子供っぽいといなすと、隣にいた優歌がいきなり泣き出してしまう。どうやら優歌も遊びに行きたかったようだ…。優歌のリクエストで、帝架の友達マダラがいるという動物園に、仕事の銀夏を除いた全員で行くことになった乱崎家。いきなり凶華の「第2回夫婦対抗子供争奪大作戦」に付き合わされることになるも、それなりに楽しんでいたのだが…。
突如として世界中の人々が動物へと姿を変える事件が勃発。事前に事件を察知した平塚雷蝶らは、凶華たちを連れ鳥哭島へと逃れていた。その頃街は腹を空かせた動物たちによって埋め尽くされ、一触即発の状態に。その中にひときわ威厳に満ちた存在、帝架の親友であり褐色皇帝の血をひくマダラの姿があった。マダラは人間と仲良くする帝架を見て失望し、動物が幸せに暮らせる世界を作ろうとするのだが、その前に凶華が立ちはだかる!
汚れた食器などが積み上げられたキッチン、洗い物が山のようになっている洗面所、草が生い茂りまるでジャングルのような庭…。それは凰火が風邪で倒れただけで、見るも無残な状況になってしまった乱崎家だった。凶華は家族たちを集め、手分けして家事をこなすことにする。そして妻である凶華は凰火の看病をすることに。だが大人しく看病ができる凶華ではなかった。ある時は洞窟に、ある時ときは雪山へと凶華は突き進むのだった。
山の中、自然に囲まれたひなびた一軒の温泉宿に乱崎家の面々は向かっていた。宿に到着した一行を出迎えたのは、以前「ぱちんこ屋」という名のパン屋を切り盛りしていた鷹緑切子であった。切子はお世話になったお礼にと、オフシーズンの宿に乱崎家を招待したのである。そしてあの時、自分を好きだと言ってくれた雹霞ともう一度会うために…。だがそんな一行を見つめるアヤシイ影があった。そう、ドジデビルと呼ばれる悪魔の姿が。
森の中を走る2人の女の子。幼い頃の千子(千花)と千子の姉、百万子であった。百万子の手を引き、森の奥にある廃墟となった小屋にたどり着いた千子は、小屋に居る友達に向かって叫ぶ。「この姉を殺して! ビタミンC」と…。時は現代、乱崎千花は友達である桃草愛智、山口聖、罪木静らと共に、新居に引っ越した聖の家に遊びに行くことにする。だが乗り込んだ電車で走り去る影を目にする。その昔、友達と呼んでいた魔獣の影を…。
手にサンタクロースの絵本を持った凶華が、大声を上げながらリビングに飛び込んでくる。今までクリスマスを知らずに過ごしてきた凶華は、サンタからプレゼントを貰えると知り、大はしゃぎしているのだ。しかし銀夏に、大人はプレゼントを貰えないと言われ落ち込み、部屋に引きこもってしまう。…1週間後、12月24日にやっと部屋から出てきた凶華は何かを企んでいた。と、そこに黒いサンタ衣装に身を包んだ少女がやってくるのだが…。
昼の連ドラからヒントを得た『初々しく夫を迎えに行く妻を演じ、あいあい傘でラブラブ計画』を実行しようとする凶華。しかし玄関を出ようとしたその瞬間、凶華の鼻先に巨大な卵が落ちてくる! 驚く凶華の前に現れたのは平塚雷蝶。彼女は凶華たちに『来るべき災厄』…宇宙人による地球の侵略が始まったことを告げる。一方、街に買い物に出ていた凰火は、落下してきた卵の中から現れた、裸足で三つ編の少女オアシスと出会っていた。
落下してきた卵から現れた化け物たちによって、次々に襲われる人々。街はかつてないほどの大混乱におちいっていた。そんな中、凰火、凶華、雹霞の3人は街の人々を助けるため、帝架、優歌、千花、銀夏たちは避難施設へと向かうため行動していた。だが突如として凶華たちの前に宇宙船が飛来し、中から身長2m以上の宇宙人「強欲王」が現れる…。同時刻、ビルの屋上からその方向を眺め、ため息をつく1人の女性の姿があった。
とある水の惑星で月香に出会い、ひと目で恋に落ちた「強欲王」。フラれてもフラれても、毎日のように彼女の元に通いつめ、とうとう月香も“千年待ってくれたら、もう一度返事をする”と約束する。そして千年後、強欲王は月香のいる地球へとやってきた。だが強大すぎる彼の力はあまりにも危険だった。月香と強欲王の関係に悩む乱崎家。そんな時凶華たちの前に、不可思議な“水”たちが現れる…。
月香と強欲王、月香の故郷からきた“水”たち、超常現象対策局、そして乱崎家の面々がついに激突。それぞれの思いが交錯する中、凶華は身を隠すため月香を除く家族たちと一緒に鳥哭島へ向かうことに。だが島では“水”に操られる海賊ド=ゴーンやサルたちが待ち構えていた! “水”の支配を逃れたピエールとムジャッキーに助けられ、なんとか難を逃れた凰火たちだったが、凶華の様子がどこかおかしいことに気がつく。
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