戦乱の世を旅する陸遜は、呉と魏が相まみえる戦場で、孫策の「煌星の光」を見る。それは孫策が陸遜の父から奪った「玉璽」の力であった。煌星とは、玉璽とは?師、孔明の言葉に導かれ、陸遜は呉への仕官を決意する。
玉璽に触れ、煌星の力を得た陸遜だが、その眼前で孫策は何者かに暗殺され、玉璽をも奪われてしまった。仕官の道を失った陸遜は、呉の都に両親の眠る墓を訪れる。そこに現れたのは、亡き孫策の弟、孫権であった…。
孫権を襲った凶矢を、陸遜は煌星の力で防いだ。軍師、周瑜は陸遜の力を目の当たりにし、呉の任官試験を受けるよう伝える。求めに応じ、試験を受ける陸遜。だが、その裏には、周瑜の隠された思惑があるのだった。
荊州の黄祖軍が、突如、呉へ侵攻を開始し、陸遜達は迎撃のため出陣した。凌統は父の凌操に認めてもらうため、手柄を取ろうと気を逸らせる。だが、対峙した黄祖軍の陣中では、禍々しくも妖しい光が輝くのであった…。
黄祖軍との戦いで、呉は大きな犠牲を払った。孫権の命により、捕虜への仇討ちは禁じられたが、凌統は陸遜の前で、甘寧への怒りを露わにする。玉璽とは悲劇を招く物なのか?陸遜の玉璽への思いが揺らぎ始める。
黄祖を煌星させた玉璽は孔明がもたらした。甘寧の言葉に衝撃を受ける陸遜。さらに呉を急襲した黄祖によって、太史慈、呂蒙、諸葛瑾が次々に撃破される。煌星の力を発動できぬまま、黄祖に立ち向かう陸遜だが…。
魏より呉に届けられた書状は、玉璽の存在をほのめかし暗に降伏を迫るものであった。周瑜の密命を帯びた甘寧は、玉璽の在処を探るべく魏へと旅立つ。そしてついに、悩める陸遜の前に師の孔明が姿を現した。
魏に降伏すべきか徹底抗戦か。二つに割れた国論をまとめるべく軍議が開かれることになった。孔明の献策に怪しさをぬぐえない周瑜。師を信じて疑わない陸遜。様々な思いが交差する中で、呉の命運を決する大論戦が始まる。
魏との開戦を間近に控え、陸遜、凌統、呂蒙、諸葛瑾は呉軍伝統の教練合宿に参加することになった。太史慈の指導のもと猛特訓を受ける四人だったが、陸遜は孔明の兄、諸葛瑾との間に次第にわだかまりを抱えていく…。
魏が建造した巨大軍艦が長江に姿を現した。魏より戻った甘寧の情報により周瑜が下した決断は、陸遜ら精鋭部隊が軍艦に潜入し艦内の玉璽を奪還するという秘策であった。決死の任に赴く若武者たちに勝機はあるのだろうか?
魏の軍艦赤壁丸を阻止すべく、周瑜の策が動き始めた。赤壁丸に潜入する太史慈達。さらに、七星壇で舞う孔明。陸遜は師のそばにありながら、己の居場所を自問する。そして、太史慈達の前には、ある男が姿を現していた…。
戦勝に沸く呉の都で、周瑜は嵐をも呼び寄せた孔明の鬼才に疑念を抱き、その真意を探るべく密会を申し入れた。星空に不吉な兆しを感じ、師の身を案じる陸遜。周瑜と孔明、二人の才と才が静かにせめぎ合う…。
孔明を守り、呉から脱出させた陸遜は、その償いに玉璽奪還の任を申し出る。太史慈、呂蒙、諸葛瑾らも同行し、孫権に「呉の六駿」と命名される一同。だが、玉璽奪還に逸る陸遜の思いが、不幸な結末を招くことになる。
玉璽の奪還と引き換えに、呉はあまりに大きな犠牲を払うことになった。陸遜は自責の念に駆られながらも玉璽を守るため、その所持を願い出る。だが、仲間を失った悲しみは、六駿の間に亀裂を生じさせようとしていた…。
呉の国葬から三ヶ月、暫し安息の日々を過ごす六駿。陸遜は未だ心晴れないままであったが、凌統の勧めもあり、孫権と話すことで次第に癒やされていく。その頃、趙雲が魯粛のもとを訪れ、孔明の密命を明かすのだった…。
再び呉から玉璽が奪われた。それは孔明の命令だと聞かされた陸遜は、戸惑いを隠せない。真実を確かめるべく、陸遜は旅立ちを決意し、凌統と共に蜀の国境へ辿り着く。そこに現れたのは、蜀の猛将、関羽であった…。
蜀の草庵で、孔明との再会を果たす陸遜。だが、孔明は玉璽の強大な力を使うべきだと主張し、変わり果てた師の姿に陸遜は悲痛な叫びを上げて草庵を去るのだった。さらに、孔明の命で張飛が陸遜の追撃を開始する…。
太史慈達の助けで張飛から逃れた陸遜と凌統は呉への帰還を決意した。一方、関羽と張飛は魏軍を迎え撃つべく、疑似玉璽の強大な力を再び手にする。自我を失うほどのその力で、劉備と交わした誓いまでも、二人は見失ってしまうのだろうか…?
呉への帰還のため、荊州を通過する陸遜たち。しかし、追撃の手を緩めぬ関羽と趙雲が、江陵の町に炎を放った。民を救うため荊州に戻るべきか?孫権のため都へ帰還すべきか?六駿の道が、今、分かたれようとしていた…。
大切な仲間を失い、悲しみに暮れる六駿。そんな中、呂蒙は己を奮い立たせて道を急ぎ、ついに孫権と巡り会う。そして、孫権により軍師に任命された呂蒙の指揮の元、関羽を迎え撃つべく、新たな六駿の戦いが始まろうとしていた…。
捕らわれの関羽に、孫権は民のために力を使ってほしいと、寛大な処遇を申し出た。関羽は孫権に胸打たれるが、江陵に現れた張飛の擬似玉璽に心奪われた姿を目の当たりにして衝撃を受ける。その弟への思いが、関羽を突き動かす。
関羽、張飛を思う劉備の情念が六駿への怒りへと変貌し、ついに動き出す。蜀の侵攻を警戒し、呉軍は防衛線を張るが、ものともせずに迫り来る劉備。そして呉の都を、凍てつく風が覆い始めようとしていた。
呉の都を脱出し、陸遜とともに荒野をさまよう孫権。なおも孔明へ思いを募らせる陸遜の姿に、師の存在の大きさを孫権は悟る。それでも陸遜は、孔明と刃を交えることができるのか?答えを出せぬまま、二人の逃避行は続く…。
劉備の一撃に陸遜は倒され、その眼前で孫権までもが傷つけられていく。なすすべもなく倒れ伏す陸遜だったが、大切なものを失いたくはない…。その強い思いが内なる力を呼び覚まし、新たな希望の光を生み出そうとしていた。
赤き星が降りそそぐ五丈原。この世の終焉を思わせる地で、陸遜と孔明、因縁深き師弟が相まみえる。ついに師との別れを決意した陸遜は、玉璽がもたらす悲しき闘いに、終止符を打つことができるのであろうか…。
呉の都は戦の傷跡を残しながらも復興に向かっていた。孫権はさらなる平和を世にもたらすために、凌統と共に魏の都を訪れる。凌統は見事なまでに成長していたが、孫権は時折見せる凌統の寂しげな表情が気になる。