私のAVVENIRE

レ・ミゼラブル 少女コゼットの私のAVVENIREのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル 少女コゼット(2007年製作のアニメ)
5.0
あまりの素晴らしさに絶句(号泣して言葉が出ない)…私の「人生の一作」に新たなアニメ作品が追加された。世界的に有名、かつフランスの文豪ヴィクトル・ユゴーによる偉大な作品『レ・ミゼラブル』を完全アニメ化。これだけでも大変な偉業だと言える。『人は変わっていける』という普遍的な人類への希望が込められた不朽の名作を、日本でアニメ化してくれた方々に感謝申し上げたい。
ミュージカルで有名と認識されている傾向があるが、原作の尺が膨大なためか、六月暴動/ABCの友関連等の重要部分がカットされがち。本作はほぼ全てをアニメ化した上で、更に子供にも見易いように若干の改変も加えている。そのため「少女コゼット」の副題をつけ、本来の主人公ジャン・ヴァルジャンだけでなく、コゼット目線でのエピソードが冒頭から盛り込まれる。その脚本がまた素晴らしい…!終盤になぜコゼットを主役にしたのかが分かる。変わることのないOP/EDからも併せて母ファンティーヌの愛を常に感じられた。
「世界名作劇場」≒児童向けの印象があり、これまでこの分野に注目してこなかったが、まさかレ・ミゼラブルをここまで完璧に、しかも作者ユゴーの意図をブレさせずアニメ化したものがあったとは。。正直終盤近辺は原作を遥かに超えた感動がある。生きているうちに観られて本当に良かった。
貧困が人を狂わせてしまう残酷な実態、そんな社会を変えたいと立ち上がりながらも死んでいった人々…それらを真正面から描き出しつつ、それでも希望をもたらしてくれる。人類の未来へのともしびとして、これから先も語り継がれるべき永遠の名作。
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