木曳野皐

BANANA FISHの木曳野皐のネタバレレビュー・内容・結末

BANANA FISH(2018年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


アッシュの事をただの「漫画の登場人物」「アニメの登場人物」とはどうしても思えない。
彼のあどけない笑顔を思い出す度に胸が痛む。
圧倒的喪失感と虚無感。
漫画やアニメを観ない人達にとっては“たかが”なのかもしれない。
それでも言いたい。


あの終わり方には衝撃を受け、現実から目を逸らしグーグルで違う終わり方は無かったのか検索した。
でも無かった。やっぱりどのサイトを見てもあの結末だった。
誰よりも幸せになって欲しいよ、アッシュ。
誰よりも幸せになるべきだったよ、アッシュ。
君に出会えて良かったと思ってるのは英二だけじゃない、BANANAFISHを観た(読んだ)全員がそう思ってるよ。

もしあのままアッシュが生きていたとしてもきっと第二、第三のゴルツィネに狙われてしまうんだろうね。
日本に来たとしても殺されない保証なんて何処にも無くて、また英二の前から姿を消す選択をしたんだろう、きっと。
そう考えたら、英二の手紙を読んであんなにも穏やかに、英二の座ってた席での君の最期は多分狙われながら生きるよりも幸せだったんだと思いたい。
まだ17歳だよ、英二よりまだ若いんだよ。
ずっと側に居て欲しかった。
「なんで“サヨウナラ”なんて日本語教えたんだろう」とか、泣かないアッシュが英二の前で見せる涙に何度も何度も泣いた。
アッシュの人間らしい一面を見せられる度に私は泣いた。
彼は冷徹な悪魔じゃなかった。
英二の前では確かに“17歳”だったのだ。

観た事に後悔はしてない。本当に観て良かったと思ってる。
だけど、観た後すぐには立ち直れないよアッシュ…
アッシュは強いね、でもその強さって望んだものじゃないんだもんね。
本人の望まない“強さ”など要らないよ。
天国で幸せであれよ…


My soul is always with you.
木曳野皐

木曳野皐