たろいも

ぼっち・ざ・ろっく!のたろいものレビュー・感想・評価

ぼっち・ざ・ろっく!(2022年製作のアニメ)
2.0
う~ん??なんでだろう、このアニメの面白い部分が良く分からなかった。
普段からアニメを視聴する時は、どう見たら面白いのかを自分から発見するつもりで視聴しているのですが・・・
良い所があるアニメは大抵記憶に残るけど、このアニメはたぶん見たことも忘れると思う。

多分見ながらキャラクターたちに共感していく物語というよりは、純粋に多くの人が見たことのない、バンドの成長という世界観を楽しむ作品だと思うのですが・・・にしても日常回がちょっとつまらな過ぎたと思います。

具体的には、ひとりちゃんのコミュ障感を使ったギャグと合間に挟まれる謎の実写映像、そして突然説明を始めるデフォルメギター君などの面白さが全くわかりませんでした。ちょっとうすら寒いというか、これ笑えるポイントか?って感じで最後まで見てしまった。

特にひとりちゃんの尋常ならざるコミュ障ぶりを楽しむ気にはなれなかったです。本人が気にしてる、周りと仲良くできないアガリ症っていう欠点を笑うって自分には無理でした。普通にぼっちちゃんもテンパってるし、なんだか可哀想だな・・・と作品通して憐れみの目で見てしまった。
まわりのキャラクターも面白がっているというより若干引いてて、支えてあげようとするわけでもない。日常回で腫れ物のようにそっとされてるぼっちちゃんはなんだか見ていて不憫で仕方ない。

それに、『青春』と『友達づくり』というキーワードを異様なほど怖がってるぼっちちゃんもおかしいと思う。ひたすら自己嫌悪してるキャラって何がいいんだろう?
それに親もひとりちゃんのことを腫れ物のように扱いすぎかと。自分の子どもが友達を連れてきたのに「友達サービスの方ですか?」なんて言わないと思う。バカにし過ぎだし、失礼すぎでしょう。

たとえばツッコミ役とかが入ってギャグとして成立させるとか、親身になって立ち直らせてあげようとする子がいるとかなら、もっとギャグや成長過程として目を引くストーリーが成り立ってたんじゃないかなと思う。

加えて、バンドとしての成長感もいまひとつ。『このメンバーでバンドを成功させたい!』っていう思いも感じられなかった。抜けたら追わずに別のメンバー探そうとか、ぼっちちゃんを放置してバンドのことを話す黄色い髪の子はメンバーのことを本当に大切にしているのかな?と疑問に思った。いちおう結束バンドって名前なのに・・・音楽はすごく良かっただけに残念。

それと、ひとりちゃんの才能が頭角を現していく感覚もちょっと分かりづらかったかも。たとえが良くないけど、イニシャルDの拓海が若年から育んだ秘めたる才能を爆発させていくような、そういう人が憧れて惹きつけられるような成長力を感じさせてくれる部分も期待していたんですけど。。。人前で引くのが異常に怖いだけって、なんだか共感しにくい。

恐らく楽器をやってる人から見れば、作中での弾く難しさとか凄さがありありと見えたのでしょう。ぼっちちゃんは普段から楽器をきちんと弾けてるだけに、それ以上成長を感じさせることは難しいのかな。

今までのレビューの総評として、私にはこの作品に今の人気ほどの魅力を見つけることができませんでした。一般的な作品にある、物語の魅力やキャラクターの魅力が感じられませんでした。8話まで見ても分からず、ここまで首を捻った作品はたぶんこれが初めてです。笑いどころも感動どころもいま一つ。他の人のレビューを確認しても、大作としての面白さを感じている人は少ないようで、どうして人気なのか最後までわからなかったのが悔やまれます。

ただ、作中で流れる音楽はどれもとても素晴らしかったと思います。
聴いていてライブ感を肌に感じられました。さすが、バンドを意識した作品だと思います。
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