このレビューはネタバレを含みます
虎に翼の脚本家の作品と知って、また,アジカンへのオマージュがあるというところから鑑賞。
女性のバンドが、女性だけで成長し、それぞれの思いを実現していく姿は、何よりも美しい。
この脚本家のかたは、女性の描き方が現代の日本の中でも頭幾つも抜けている、そして,これがスタンダードになることを心から期待したい。
何よりも、女性が何かを始めるときに自分の動機だけで進んでいき、男性の影響や、男性との恋愛関係などを全く介在させない。
そんなことを当たり前なのだが、凡百の女性主人公ものは、えてして、男性の影響で動機をつくったり、男性への想いで動くキャラクターにされがちだ。まるで女性だけでは完結できないかのように。そんなわけねーだろって話だ。
特に主人公の高校は共学のはずなのに、男性の姿はほとんど描かれず、父親の顔でさえ,はっきりと描かれない。
そうでもしないと、まだまだ男性と女性が恋愛やなんやと誤解される可能性を徹底的に排除できないのかと悲しくなってしまうが、とにかくその表現には素晴らしいと言わざるを得ない。
こう言った、丁寧な表現を積み重ねていくことが大事なのだ。