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悪魔くんのCookaiのレビュー・感想・評価

悪魔くん(2023年製作のアニメ)
2.5
配信開始となった最初の週末に全話一気に鑑賞。
鬼太郎や旧アニメ版のような毎回敵と戦っていくようなストーリーではなく、数話完結で事件を推理・解決していくスタイル。

事件の根幹にあるのは悪魔自身の意志というより悪魔に魂を売った人間の心の闇なので、どの話もスカッとするようなハッピーエンドとは言えないところが大人向けといった印象です。

ここからは気になった(というか消化不良でモヤモヤさせられた)点をネタバレありで…





◆二代目悪魔くん・埋れ木一郎
「ソロモンの笛」に認められて二代目〝悪魔くん〟となった主人公。2期ありきだからなのか、二代目絡みのモヤモヤ(消化不良)が多すぎる。

そもそも悪魔くんは、「一万年に一人現れ、世界を天国のような場所にすることができる救世主(メシア)」という設定だが、先代悪魔くん・埋れ木真吾が存命で力も行使できるのに、なぜ2代目となったのか(なる必要があったのか)の描写は一切なし。一万年に一人が30年で2人も出てくる理由はなんなのか?

一郎は、人間に捨てられ、悪魔にも捨てられ、先代に拾われた(ストロファイアから奪った)と劇中で言及されているものの、そのあたりの詳細説明は劇中で一切なし。
この部分の説明がないので、一郎の「人の心を理解することが苦手」といった側面への理解が深まらず、ただただ不遜で自分勝手なキャラクターに見えてしまう。

一郎はストロファイアから「アエシュマ(アエーシュマ (Aēšma)とは、ゾロアスター教の悪神の一人)」と呼ばれ、ストロファイアのことを既知であるものの、詳細説明は劇中で一切なし。
一郎の出自に関係していそうで、意味ありげに描写されていた鎖に繋がれたガスマスク全身タイツ女性についても、出すだけ出しておいてそのまま触れられず。ストロファイア絡みの赤い悪魔の釘や悪魔の釘がささった頭蓋骨も同様。
前述の人の心を~と同様、掘り下げがないまま話が進むので、ストロファイアとのやり取りや結末に思い入れやカタルシスが感じられない。

最終話ラスト、グレモリーとの契約により●●を●●●●れるも、目を見開いたところで終劇。サタンを召還した代償はどうなる?サタンは黙っているの?


2期目が制作・公開されるNetflixオリジナルアニメもありますが、2期目の情報が公開されていない(予定があるのかも不明)な状態で客に見せるなら、1期は1期で話をまとめろ・広げた風呂敷の一部でもたためと小一時間問い詰めたい。
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