エピソード08
負けてほほ笑み浮んでた

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あらすじ
フリーシャ十兵衛に破れ、傷ついた自由が菜ノ花家を空けて、一夜が過ぎた。戻らぬ娘を案じる彩は…その原因の一端が自分にあるのも承知で…心労の極地に達していた。かいがいしく朝の食卓を整えるフリーシャにも、ついイラ立ちをぶつけてしまう彩。それでもまるで実の娘のように、優しい表情を崩さないフリーシャに、彩はうしろめたさを感じる……それがフリーシャの罠だとは知らずに。 自由が珍しく学校を休んだことは、転校生ラブリーズや、バンカラトリオ改め軽業ユニット・ウッキーモンキー(他二名)にも少なからず波紋を投げかけていた。フリーシャに自由の安否を問い詰める一同、最初は「風邪だから」と言い張っていたフリーシャ、根負けして「自由、家出シマシタ…」と口を滑らせる……全て計算の上で。 そのころ、崖下の原生林では、自由が漸く長い夢から目を覚ましていた。手厚い看護をを続けてくれた鮎之介に自由は心からの笑顔で応え、息子の事を忘れるほどの時を二代目柳生十兵衛探しに費やした鯉之介・幼い身ながら300年間、父の意思を守り続けた鮎之介親子を、ラブリー眼帯の重みから解き放とうと想いを固める……