エピソード09
いつか交えた剣だった

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あらすじ
フリーシャ十兵衛に破れた喜多歩郎は、ホワイトタイガー仁佐衛門の加護のもと、原生林の温泉郷で療養生活を送っていた。「柳生十兵衛……何でオレが柳生十兵衛にかなわねぇんだ!」度重なる屈辱に歯噛みする喜多、脳裏に浮ぶのは300余年の昔、初代十兵衛との出会い。
それは江戸柳生の道場での公開稽古の場。滅多に見られない十兵衛の剣技を、その身で確かめるチャンスとばかりに参加していた喜多歩郎。初めて接する十兵衛は強く、頼もしかった。ところが……柳生但馬之守の謀略によって北柳生は壊滅、喜多親子と高弟たちは、未開の地へ、シベリアへと逃亡を余儀なくされる。そして、若き喜多の心には、強さへの渇望と江戸柳生への復讐の念が、深く刻まれたのだった……