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力無き者は夢見ることさえ許されない西部の果て、ガンフロンティア。近眼だが日本刀の達人トチローと二枚目で早撃ちのガンマン・ハーロックは、旅の途中 の町で質屋の雇われ用心棒をしていた。ある日、がめつい質屋店主に居直った客を倒して 葬っている二人を見つめる謎の美女シヌノラが現れる。どうやら倒した客の連れらしい。やりきれない思いの二人。そこに質屋から物音を起こり、二人は駆けつけざまに客を倒す がそれは美女二人を質入れしようとしていた上客だった。店をクビになった二人はあとを 付けてくるシヌノラに、せめてもの償いに有り金全てを渡すが、シヌノラは無言のまま。いたたまれない二人は外に出ると、そこには先ほど質草になっていた美女らがガンマンを 引き連れて待ち構えていた。凄まじい早撃ちで倒すハーロックだったが、隠れていた狙撃 者に気づかずあわやと言うところをシヌノラに助けられる。そしてさっきの美女らがもう 次の刺客を用意しようとしていることまで教えられるのだが…。
旅の途中へたばった馬の薬を探していたトチローたちは、顔を隠してインディアンを かたる盗賊が駅馬車を襲うところに出くわす。助ける間もなく捕らわれたハーロックは、その中の一人がヨーロッパ製の珍しい銃を持っている事に気づくが、手出しが出来ない。為すすべもなく金は奪われ、貴婦人たちは蹂躙されて馬車に火を放たれる。あわやというところで罪をなすりつけられているインディアンたちに助けられる。ようやく町にたどり着いた3人だが、倫理道徳に厳しい管理委員長デラメダムが取り仕切るこの町ではみんなに蔑まれてしまう。立ち寄った酒場のマスターから町の事情を知る3人だが、現れたデラメダムにマスターを殺され、言いがかりを付けられたトチローたちはブタ箱に入れられてしまう。二人が捕まっているその間にデラメダムはシヌノラを詰問して何かを聞き出そうとするが…。
大砂塵に倒れた馬の替わりにシヌノラを載せた幌馬車を引くトチローとハーロックは、目的地サムライクリークへ行く途中、突然現れたガンマン・ムリグソンに襲われ身ぐるみ剥がされた上に気絶させられる。だがそれはシヌノラとの関係を知られない為の手段で、シヌノラから次の目的地を聞き出すムリグソン。どうやら手がかりがあるらしいと悟ったムリグソンは、トチローたちを出し抜いてさっそく一足先にサムライクリークに向かう。ようやく意識を取り戻したトチローたちは悔しがりながらも先へ進もうとするが、今度は町に着く直前に砂嵐に巻き込まれてしまい、その間に起きた女性射殺事件の犯人の濡れ衣を着せられる。トチローたちが必死に弁明をしようにも保安官以下の住民たちは聞く耳を持たず、3人を吊るし首にする準備を始める。その上、凶悪犯として指名手配されているムリグソンの手配書の似顔絵を、絵描きに改竄させてまでトチローたちに罪をなすりつけようとする。犯人をでっち上げてせしめた賞金をこの町の財源にしていることを知った トチローは怒りに燃える。そして保安官の号令で処刑されかける寸前、トチローはマントを翻して…。
そぼ降るバーボンタウンで、トチローは日本人女性マヤに会わせてくれると言う白人のヘデルノヤから取引を持ちかけられる。嫌みなヘデルノヤの依頼だったが、確かに同族であることを確認が出来たところに彼女の夫ティバコスルが現れる。嫉妬深いティバコスルはトチローに銃を向けてきたので得意の刀で一刀両断する。ヘデルノヤはマヤと良い仲になったが、拳銃がうまく町一番の支配者であるティバコスルに無理矢理奪われてしまったので、トチローを利用して彼を倒そうと企んだのだ。結果として依頼を遂げたトチローであったが、役目を終えた彼にヘデルノヤはけんもほろろ。止めに入ったマヤに気を許した隙に、マヤに撃たれてしまう。よそ者に冷たい町で雨に打たれて倒れ込むトチロー。その上、町が見舞われた大洪水で流されてしまう。一方、やっと二人になれて喜ぶマヤだったが、実はヘデルノヤは、かつて日本人の町を襲った時にマヤの父に反撃されて命を落とし掛けた復讐のために身分を隠しマヤに近づいたのだ。マヤも生きるためにやむを得ず強い男ティバコスルに身を委ねてでもいたのだが、復讐に燃えるヘデルノヤはそんな事情も 気にも止めず、彼女に手を掛けようと…。
トチローたちはある人物に会うためにフリントタウンに辿り着くが、町は変な雰囲気。法律で何処で何をしようと自由だと決まっているのだという。トチローは一人面白がるが、聞き込みに入った酒場で虫の居所の悪いバーテンに殴り倒される。シヌノラが診療所に運び込むが、相手はトチローは見向きもせずシヌノラを押し倒そうとする始末。シヌノラ は花瓶で一撃すると、それがトチローが捜しているドクター・スルスキーだった…。スルスキーはかつて騎兵隊の一員としてサムライクリークを襲った時、小判に目が眩み日本人の生き残りの脱出の手引きをした。トチローは案内に使った地図のありかを聞き出そうとするが、スルスキーは組織に裏切りを咎められるのを恐れて渋る。娘のカテリーナも地図を出すよう促すと、何故かおびえた表情を見せるスルスキーだったが、意を決して地図を差し出す。トチローはスルスキーを連れ同胞が向かった先へと向かうのだが…。
トチローは日本人を捜す尋ね人広告が出ていた新聞社を訪れようとするが、シヌノラがそれを制して単独で乗り込むという。彼女に任せたトチローを見守るかのような二つの視線。だがその広告は手がかりだと思って訪ねて来る日本人をおびき寄せて捕らえるための囮で、新聞社社長のノグソンは弟の保安官マスターソンと組んだ組織の監視人だった。ノグソンたちがシヌノラの不審な動きを問い詰めているところをトチローとハーロックが救出して、二人を追っ払う。だが馬車を走らせた三人が休憩中、崖上からそのノグソンたちの死体が降ってくる。その背中には日本刀で切った切り傷が。トチローは、漠然と信じて追いかけるしかなかった同胞が存在する証が見られたことを素直に喜ぶ。トチローの提案で暫くこの地に居を構える三人だったが、油断したところを何者かにシヌノラを連れ去られてしまう。のんびり現れた郵便屋から渡された手紙で、何者かがシヌノラの亭主らしいことを知るが…。
トチローは同族らしい男から殺しの依頼の手紙が届き、喜んで町に出掛ける。だが 上品な町で蔑みを受けたトチローは、つい町の人を挑発して保安官コズールに牢屋に 入れられる。コズールに絞首刑を言い渡されたトチローだが、仕込み刀も取られて為す 術もない。そんなトチローに救いの手が伸びる。相手は謎の美女・朝香だった。朝香は 脱獄を手助けして自宅に招く。トチローは日本家屋の自宅を見て感涙にむせび、我が身 を捧げた朝香の依頼を快諾する。朝香はかつてサムライクリークで同族のウタマロに 仕えていた時、彼が仲間を裏切り手引きした騎兵隊に町を滅ぼされたために、片棒を 担いだと濡れ衣を着せられたのだ。朝香は騎兵隊のボス・コズールの妻となって復讐を 狙っていたが、かなうわけなく腕の立つ人間を捜していた。復讐をしてから同族の元に 帰りたいとの朝香の心情が痛いほどわかるトチローは、コズールを倒す事を約束するが、そこにコズールが部下と戻って来てしまい…。
ウタマロの元へ向かうため、トチローたちはまだ珍しい汽車で向かう。だがトチローは 先客に侮蔑されて客車に入れて貰えない。連れのハーロックも同じ扱いをされるが、 女性のシヌノラは車内に招かれる。それは組織の一員がシヌノラの背信を咎めるためだった。そんな汽車にインディアンのボカが馬で駆け寄り、顔立ちの似たトチローに同情してこの先の橋を爆破したことを教える。トチローたちは客車に飛び込み、手下の銃撃を交わしてシヌノラを連れ出し、線路脇飛び出して難を逃れる。ボカに礼を述べてドジ・シティに向かった3人は、ウタマロの屋敷に辿り着くが、警備が厳重で困難を極めそうだった。そこに盗みに入ったボカがうまいことに警備人たちの注意を引きつける形になり、まんまと侵入に成功する。雷鳴轟く庭でウタマロと対峙することになったトチローは、ウタマロの裏切りを問い質す。ウタマロは「ダークマイスター様こそ世界統一の支配者である」と宣ってトチローに斬り掛かって来るが…。
ハーロックたちは砂嵐の中、道に迷った傷だらけの男・ウンチシターを馬車で轢いたお詫びに次の町まで送ることに。だが行く手に何かを発見したトチローが興味津々で駆け寄るとそれは女の死体であった!そこでトチローは銃撃されて気を失ったところを現れた男たちに連れ去られる。男たちは女の亭主・カラーマンを捕まえ処刑しようとして、通りかかったトチローを亭主と勘違いしたのだ。 大勢に手が出せないハーロックたちは、明朝の処刑前に助け出すことにして町に急ぐ。町でウンチシターを降ろしたハーロックたちは明日に備えて宿で体を休める。そこでシヌノラはハーロックから二人の出会いを聞く。敵として出会ったにも関わらず、危うい場面に命を賭したトチローに助けられて以来、無二の親友として互いに信じているのだと。 そんな二人に入る余地のないシヌノラ。だが夜が明ける前に既にトチローは処刑台で吊されていた! 自分の迂闊さを責めるハーロックは敵討ちにウンチシターから貰った銃弾を使うと、破壊力満点だったが銃も壊してしまう。敵に囲まれて覚悟を決めたハーロックだったが…。
サムライサ-ベルを見たという情報を頼りにストロープタウンへ向かうトチローたち。だが、町の直前で立派な体躯の男ヘナガムから、この町は1m60cm以下の人間は人間扱いしないのだと足止めされる。シヌノラは悔しがるトチローをなだめて、情報を得るためハーロックと町に入る。二人を待つ間、トチローが馬の供養に馬肉を食べていると、二つの幼い視線を感じる。馬肉を分けながら事情を聞くと、小柄であるために町を追い出された病の父を看病しているという?二人に自分と雫が重なったトチローが二人のために薬代わりの酒を手に入れに町に向かおうすると、兄タロからこっそり頼み事をする。でかい男に憧れ三人を見捨てた母・ヨネコを捜して欲しいと。同族らしいことを知って、トチローは深夜の町を捜し回りそれらしき女の居る部屋に忍び込む。だがそこはヘナガムの寝室だった。事情を話すトチローだったが、油断した隙にヨネコにぶちのめされる。 別行動をしていたシヌノラたちが気づいた時には処刑台でヘナガムに処刑される寸前。 町の人々が処刑の時を待ちわびている状況ではハーロックも迂闊に手が出せずに…。
ダークマイスターの幹部シタルネンのいるジャマシティの駅に着いた三人はなにもない駅近辺に唖然とするが、トチローが怪しげな音に誘われて登った岩山の山頂の処刑場跡から、反対側に広がる町明かりの大きさに目を奪われる。三人は町にたどり着くが、至るところにシタルネンの監視の目が光っている。実はここにシタルネンの秘密工場があり、雫たちはそこで兵器開発の強制労働させられているのだ。雫は完成とともに抹殺される事恐れ、監視を誤魔化し、作業を遅らせて脱出の機を伺うことしか出来ない。情報もないまま雫たちを捜すトチローたちも、町を走る自動車を見てダークマイスターの技術力に驚くしかない。そして安宿で体を休めている三人をマッチロックを持った何者かが襲い、例の処刑場跡への呼び出し状と引き替えにシヌノラを連れ去ってしまう。それは日本人に扮しトチローをおびき出そうとしたシタルネンの策略だった。すでに戦いを挑んで来たトチローの同族をガトリングガンの餌食にしているシタルネンは余裕の表情。そこに駆けつけて来たトチローとハーロックだったが…。
ダークマイスターの力を見せつけられたトチローたち。シヌノラはダークマイスターを裏切った自分が一緒にいては組織に狙わると思い姿を消そうとするが、トチローに止められる。トチローたちもとっくに感づいていたが、仲間として受け入れていたのだ。決意を固めた三人はシタルネンを攻略しようと策を練る。何とか策が浮かんだ三 人は町へ向かう途中、同族らしき女がストリップ劇場に入るのを見る。あきれるシヌノラを残して劇場に入った二人は舞台の上の女セツコを見て油断して、シタルネンの 部下に捕まってしまう。また処刑台の上で死を待つ羽目になった二人はシヌノラを頼りにするが、そこにシヌ ノラまで囚われの身で引き連れられて来る。覚悟を決める三人だったが、突然に起こっ た爆発で難を逃れる。同族の危機を知ったセツコが起こしたのだ。雫と一緒にサムライクリークから逃げて来たセツコもダークマイスターに運命を翻弄されたのだ。ダークマイスターへの怒りを新たにする三人は、怒ったシタルネンにガトリングガンで狙われるが…。
シタルネンからトチローへの列車砲発射を命じられた雫は、トチローたちにだけわかる合図で耳をふさぐよう教えてから発射させる。強大な列車砲は発射時に轟音を発するのだ。衝撃に動揺するシタルネンたち。トチローは雫救出に行くが、気を取り直したシタルネンたちに反撃にされて近づけない。シタルネンは機関士に一時撤退を命ずる。トチローとハーロックは機関車に飛び移る。シタルネンたちと対峙したトチローたちだが、お互いに狙い合って身動きが出来ない。その時、雫が列車砲の引き金を引き、シタルネンたちをブローバックした銃身で吹っ飛ばす。安堵の表情で機関士に停車を命ずるトチローだったが、今までの銃撃でブレーキが壊れて暴走が止まない。この先の分岐点で方向転換しないと事故で壊れたまま修復されていない崖に向かってしまう。ハーロックは雫を連れて列車から飛び降りる。トチローも続こうとするが、シタルネンが最後の力を振り絞りトチローを下敷きにする。気づいたシヌノラがトチローを助け出そうとするが、上手く行かない。もう間に合わない!と、ハーロックはトチローたちの死を覚悟するが…。