真田ピロシキ

ゲッターロボの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

ゲッターロボ(1974年製作のアニメ)
3.8
合体変形の元祖。ゲッターロボアーク楽しみですね。スパロボやチェンゲ以降のOVA作品には触れていたが原典に触れるのは初めて。同じダイナミック組のマジンガーZも同時期に見始めていたのだが、マジンガーが正直見てて眠くて仕方なくて全然進んでいないのに対してこっちは普通に面白くて結構長い51話を一気に見進めていった。マジンガーとの大きな違いはヒロインのミチルさんがあっちのさやかさんとは違ってちゃんと役に立っていて全然お飾りじゃない事だろう。竜馬達ゲッターチーム(ミチルもゲッターチームの一員として扱われているのが素晴らしい)や早乙女博士にもミチルさんの能力を侮られてはいないので今の時代でも十分受け入れられるだけの土壌がある。

敵である恐竜帝国もなかなかに面白くて、どうせ大昔のスーパーロボットアニメの敵なんだから力押し一辺倒っしょ?という偏見は裏切ってくれて工作員を送り込んだ搦め手を多用してて侮れない。戦わずして勝ちかけた有能なキャプテン・ギルバが軍人として忠実であるがために敗れるエピソードなどそんじょそこらのリアルロボットアニメを上回っている。またラドラやゴーラ(ミユキ)、ユンケのように個人としては分かりあえそうだが種としてはゲッター線のもたらす影響が正反対なために潰し合うしかない悲劇がドラマを盛り上げていた。スパロボでは大者ボスキャラの帝王ゴールだったが原作を見るとそれは捏造も甚だしくて大魔神ユラーに平身低頭してる保身に塗れた中間管理職だったのは笑い。「ゲッターロボ早く出てきてくれえ」って。スパロボα外伝では命がけで真ゲッターを動かしていたバット将軍も原作では部下を見捨てて自分だけ逃げたり病欠したり(笑)どうしようもない。これもスパロボ補正かあ。

スパロボイメージとの違いで言うと必殺のゲッタービームは第1話からいきなり装甲に弾かれるという。ゲッターキックの方が活躍してた気がする。この大活躍したキックがトップをねらえに受け継がれるのだ。変形アニメである事を強調してかほぼ毎回全形態の見せ場を描いているのが特徴的。潰しのきかなさそうなゲッター3のムサシも製作者に愛されているかのようで結構良い見せ場を貰っていたのだが、それだけに特別ドラマティックにもされないあの最期が重くのしかかる。面白かったのでゲッターロボGも続けて見ていく。