サイボーグ009 THE CYBORG SOLDIERの34の情報・感想・評価

エピソード34
ファラオウィルス
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あらすじ
ギルモア博士と003、009は、考古学者・ハーシェルに案内され、エジプトにあるツタンカーメン王の墓にやってきた。ハーシェルは、エジプト政府から依頼されて、細菌による痛みの激しいミイラの健康診断を行なうという。翌日。ハーシェルと研究員は突然の高熱に冒された。これは「ファラオの呪い」なのか?――ハーシェルの安否を気遣うギルモア博士の元にミイラの予備検査をしたメモが渡される。そこには、まだ知られていない新種の細「ファラオ・ウイルス」が発見されたと記されていた。「エジプト紅花」という花からこのウィルスに対するワクチンが作れることを発見した009たちは、一刻も早く花を収集すべく高台に向かう。しかし、現場には荒涼とした荒地が続くだけだった。聞けば妙な男たちがすべて刈り取って行ったという。そして研究室の一人が行方不明になっていた。危険な細菌「ファラオ・ウィルス」と共に消えた検査員・サイードの目的とは一体何なのか……?
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襟

フランソワーズ突然の戦闘員化
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笠置さば緒

笠置さば緒

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「おお、これがあの有名なツタンカーメンの黄金のマスクか」「凄いですね、今から何千年も前に作られたものが、こんなに綺麗に残ってるなんて」「うん、1922年にイギリスのカーター博士らによって発掘された当時は世界中の注目を集めたそうじゃ。他の墓の財宝はそのほとんどが墓荒らしによって盗掘されておったというのに、ツタンカーメンの墓だけは不思議と盗掘の被害も少なく、財宝が埋葬された当時の姿のままに発見されたのじゃからなあ」「でも、どうしてツタンカーメンのお墓だけが…」「うーむ、ただの偶然か、それとも…」「墓荒らしを躊躇わす何かがあったのか、今となってはその理由も謎のままじゃがな」 「ツタンカーメンはわずか18の時に亡くなっておるのだが、どうも毒殺されたのではないかと言われておるんだ」「毒殺?」「王とはいえ所詮、政治の道具にすぎなかったということか」「なんて可哀想な王様なのかしら…あ、見て。この花、まだほんのりと赤い色が残っているわ」「カンタマス・ティンクトリアス、エジプトベニバナの一種じゃよ。カーター博士が棺を開けた時にはまだ花の香りが残っていたと言われておる。きっと、残された王妃が捧げたんじゃろう」「王妃?結婚していたんですか?」「ああ、ツタンカーメンはわずか9歳で即位すると同時に11歳のアンケセナーメンと結婚させられたようじゃ。安心したまえ、この結婚は幸せなものだったと言われておる。現に互いに労わり合う幼い夫婦の姿を記したレリーフも見つかっておるんじゃ」「でも、そんなに若くして愛する人を奪われてしまったなんて…王妃は一体どんな気持ちでこの花を捧げたのかしら」 「でも、Dr.ハーシェルは医学博士ですよね?ミイラの保存は考古学者の仕事だと思ってましたが」「いや、それが近頃どのミイラも細菌による痛みが激しくてな。そこで、なんとか細菌による破壊を防ぐ方法はないかとエジプト政府から依頼があったんじゃよ。言うなればミイラの健康診断とでもいうところかな」「そんなに酷い状態なんですか?」「うーん、特にあのツタンカーメンのミイラはなあ…まあ、まだ予備検査の段階でなんとも言えんがね」「しかし、大丈夫かね。ツタンカーメンのミイラなど検査して…」「ファラオの呪いかね?」「ファラオの呪い?」「王を妨げる者に死の翼触れるべし」「なんですか?それ」「墓の中に書かれていた碑文じゃよ。実際、何人もの発掘関係者が謎の死を遂げておる」 「通常、細菌は生きた細胞の中でしか生きられないものだ。だがしかし、この細菌はミイラに巣食うバクテリアの細胞の中に潜み、じっと息を殺して眠っていたと思われる。そう、この細菌は生きている。はるか3000年の眠りから目覚めた新たな細菌、言うなればファラオウィルス」 「これで我が社はワクチンで大儲けだ!」 「はるか3000年の昔に、幼い王妃が捧げた小さな花束。汚れなく純粋な彼女の思いの込められた…この花こそ、愛」