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亜人 第2クールのBAZのレビュー・感想・評価

亜人 第2クール(2016年製作のアニメ)
3.6
よくできたアニメだと思うが、それだけに細かい部分が気になる。
まず根幹である亜人の設定だが、一度死ななければ亜人であることは分からない、言い換えれば生きてる人間は誰もが亜人の可能性がある状況で、亜人狩りのような世の中になるだろうか。
軍事兵器として利用されたりするなら脅威もあろうが、基本「死なない」だけならばそこまでの脅威を抱く必要もないはず。
佐藤のようなテロリズムを秘めた人間が亜人となっている、超能力(IBM)を使えることが発覚し危険などといった事柄が認知された上で弾圧されるならまだわかるが、ただただ不死身というだけで差別されるのが不自然。

また、完全に死なない限り復活することがないならば、無力化させることはもっと容易なはず。亜人自身が外的要因が無くとも自らリセットできる(死ねる)術を持ってるなら別だがそのような説明もない。
死なない程度に重傷を負わせ動けないようにする方が延々殺し続けるよりはるかに確実だと思うのだが。もっと納得のいく設定を考えて欲しかった。

海斗のキャラも中途半端だった。
なんでバイクで事故ってんのにピンピンしてんの。「こいつも亜人なんだな」と思わせて結局違うの?
最後病院に助けに来た時はシビれたが、よく考えたら、コトブキは空も飛べるスーパーIBMを持ちながらなんで少年院に入ってるの?そんな能力あれば脱走どころかまず捕まらんやろ。

佐藤が人体実験関係者を何人も暗殺していく中で、それまで予告された人間は全て殺されてるのに自分の番が来ても防弾チョッキも着ずに平気で出歩いたりしてるのもあり得ないわな。
死に対する感覚が鈍くなってる亜人と、死に直面している普通の人間との違いをもっと描かないとダメでしょう。

このへんの感覚がどうにもズレてるようでイマイチ没入できず。
アニメだからそこまで細かい擦り合わせは不要と言われればそれまでだが、個人的にはこのような設定の大味さがこのアニメのクォリティを下げてるように思える。
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