東京原宿の若者たちの間で、 ある噂 が流れていた。 原宿のどこかに 裏裏原宿 と呼ばれる場所があり、魔女が営む店があるらしい。 魔女の名前はニーナ。カメレオンと豚をお供につれた若き魔女は、客の秘めた願いを叶えている。 その方法は不思議な空間へと誘い、心の奥底にある『本当の想い』を覗くというもの。 客たちは時に心躍らせ、時に傷つき、自ら選択して願いを叶えていく。 そしてニーナもまた、喜び傷つき、葛藤しながら成長していく。
ダンス部に所属する女子高校生、ハルカ。高身長でイケメンと友達に褒められ、イメージを崩さないよう毎日を演じている。部活帰りのある夕暮れ、そんな我慢も限界に達し、突然裏原宿を走り出すハルカ。 がむしゃらに走った先で、変なお店の入り口を見つけ、古びた扉を開けると… そこは、魔女ニーナのお店であった。ハルカはお店にあったリップが気になり、『私っぽくない』と否定するも、ニーナに強引に塗られてしまう。 「もっと奥、覗いてみない?」ニーナの声を合図に、更に深い魔法空間へと導かれるのであった。
今どきの大学生マナ。皆と一緒であることを大切にする一方で、裏垢では音楽活動をして表と裏の顔を使い分ける日々。こっそりとやる音楽活動は上手くいかなくて、批判的なコメントにイラっとしてしまう。そんな時、路地裏で寄り掛かった壁がいきなり扉になり、マナは魔女ニーナのお店にたどり着く。お店にいたニーナに、マナはずっと誰かの真似っこ、顔色見て生きている?と非難される。突然、苛立つマナの腕に巻きつくブレスレット、ニーナは言う。「もっと奥、覗いてみない?」 気がつくとマナは、昔の原宿に立っていた。
服飾の専門学生、アキヒロ。自身に才能があると思い、周りを見下して生きているが、いざ人を前にすると弱気な性格で同級生とも本心で話せない。ある日、自身のブランドのデザインを考えていると、近くの若者がアキヒロの独り言を勘違いして声を掛けてくる。怯えたアキヒロはスケッチブックを落とし、自身の描いた服のデザインを見られてしまう。慌てて裏路地へ逃げるアキヒロ。悪態をつきながら走っていると、目前にピンクの変な扉を見つける。その扉の先は、ニーナのお店へと繋がっていた。
人々の悩みを解決し、魔女として自信を持つようになってきたニーナ。 そんなニーナのお店に訪れたのはロリータファッションに身を包む女の子『るる』であった。るるは嫌いなものが溢れた世の中に嫌気がさし、魔女のお店を求めていた。魔法空間に行きたがる彼女に困惑気味なニーナ。るるに半ば強引に魔法空間へ案内させられる。魔法空間に着いたるるは、イキイキと踊りだして……。
るるを助けられなかったことを悔やむニーナ。そんなニーナのお店にモデルをしている女の子、『てぃあら』がやってくる。てぃあらは好意を寄せる友人『サキ』の幸せを願うも、魔法を使わず拒むニーナ。しかし使い魔のブタとカメレオンに無理やり操られ、てぃあらを魔法空間へと連れていく。 てぃあらは自分ではなくサキに魔法のアイテムを使い、モデルとして輝くサキを幸せな気持ちで見守っていたのだが……。
魔女を辞める決意をしたニーナ。そんな彼女の目の前に、過去の自分が現れる。ニーナは自分と対峙し、学生時代を思い出す。 いつも一人で過ごし、憧れの世界を夢見るも、何も変われない自分。同級生に馬鹿にされ、誰も救ってくれないと落ち込み、ビルの屋上を目指す。そこでニーナは、美しいダンスをする女の子に出会うのだった。