忘れもしない2019年の大傑作の一つ。
世界観が火星という、一見SFなのだがそうはせず、
なんと「音楽」がメインと言う変化球。
そして更に驚くのが
人種や社会問題にも真正面からぶつかっている姿勢。
そう、2019年といえば、トランプの凶行によって全世界が
混乱と恐怖に震えた、暗黒の時代。
その渦中における本作のテーマ性は、まさにタイムリーでした。
やっぱり「音楽」と「社会問題」は切っても切り離せず、
いつの時代も表現者は社会問題に対する想いを表現するものだ。
こういう骨太なストーリーからも、いかに本気であるかが伺える。
海外のミュージシャンや作曲家が参加しており、
本格的に世界で勝負しようとした野心作の一面も持つ。
過去のアニメ史を遡っても類を見ない、極めて真面目な音楽作品。
アメリカン・アイドルやアメリカズ・ゴット・タレント的な
音楽ファンに伝わる要素もあったりする。
キャラクターも魅力的な人物ばかりだし、なんといってもラスト、
「これがやりたかったのか!!!」と感じた、壮大なフィナーレは必見。
このレベルの傑作に、人生であと何度出会えるだろうか