BK477

プラネテスのBK477のレビュー・感想・評価

プラネテス(2003年製作のアニメ)
4.6
宇宙を舞台にしたリアル系群像劇の傑作作品。

///
「プラネテス」の概要みたいなもの
宇宙ゴミの清掃業を営む男の主人公:ハチマキと、女の主人公:タナベの2人の恋愛を軸に、それを取り巻く人々の群像劇。
谷口監督らしい様々なエピソードで飽きさせない作りになっている。
宇宙線(放射線)による人体への弊害、宇宙での生活、宇宙に取り残された恐怖と後遺症、他にも、
日本かぶれの外国人たちに絡まれる、不法投棄犯罪者との戦い、タバコを吸う場所を求めて放浪、発展途上国の紛争問題、反宇宙派のテロリストの暗躍…などなど。
主人公達は、何度もピンチに陥りながら、苦悩・葛藤する。
愛は宇宙を救うのか。
///

18年に公開された集英社の「週プレニュース」における谷口悟朗監督へのインタビュー記事の中でも登場した「プラネテス」という作品。
私はSF?ということ以外、どのような作品なのか全く知らなかった。

そんな折、ネトフリで久しぶりに「ゼロ・グラビティ」を見た後、
私の中で恒例となっている、その作品のwikipediaのページを眺めていると、「ケスラー・シンドロームを扱った作品」の中にも本作の名前があったので興味が湧いてきて、見てみました。

作風としては、「踊る大捜査線」や「地球防衛企業 ダイ・ガード」なんかと近いように感じます。未来なのに未来っぽくないという点では「カウボーイ・ビバップ」とも共通点があるし、

仕事のやりがいや、達成感などの描写は「SHIROBAKO」なんかにも通じる所があります。

率直な感想として、
ゼロ・グラビティの10年も前に、これほどの作品があったことにたいへん驚きました。「ゼロ・グラビティ」がパクリに思えてきますよ、

マジで!!

アルフォンソ・キュアロンはこのアニメ見てるよね?
そう思ったのは私だけはないはず。宇宙ゴミ(スペースデブリ)が高速で飛んできて~のシーンとか、宇宙空間で「誰か助けてくれ!!」と叫ぶ所とか、第一話の最初のシーンもすごく印象的で、スペースデブリの驚異を知らない人には、何がなんだかわからないと思うような描写。

(私が知らないだけで、もっと昔に、このような表現をした元祖があるのかもしれないが)

全26話と、2クール使っているため "遊び"があり
面白おかしいエピソードも多いのですが、
前半と後半とでは、かなり雰囲気が異なります。

主人公たちの愛憎劇、テロリズムへの巻き添え、など
重たい話になってきて、主人公たちの表情もどんどん悲惨になっていきます。見ているこちらも、なかなか辛い。最後はハッピーエンドですが…

宇宙の描写に興味がある人、群像劇が好きな人に特にオススメできる作品です。
BK477

BK477