じぃ

よふかしのうた 第1期のじぃのネタバレレビュー・内容・結末

よふかしのうた 第1期(2022年製作のアニメ)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

人気HIPHOPユニットCreepy Nutsの歌「よふかしのうた」をもとにつくられた作品ということで漫画はみていないのですが、アニメ版を拝見させていただきました。

クリーピーの「よふかしのうた」はオードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアーのテーマソングで、まさに『よふかしの』うたなんですよね。主人公のコウくんは中学生で、ラジオリスナーになりはじめるタイミングです(今はradikoもあり若者世代にもラジオを聞く人たちが増えているとか)。

中学生ぐらいの時に初めて夜に保護者の管理下にないときに感じる、興奮したようなこそばゆいような感情。誰しもが経験したことがあるのではないでしょうか。怖さもあるけどそれ以上に好奇心が止められないような気持ち。まさに少年マンガといった雰囲気です。

あの時の自分が妄想したキャラクターの権化なずなちゃんも良い。大人な女性すぎないけどやはり大人。導いてくれそうな、弄ばれていそうな絶妙な感じが素晴らしい。中学生男子にとっては妄想が実現したかのようなシチュエーション。

ただ大人にとってはまた違う見方(感情)もあるでしょう。子どもにとっては不思議でちょっと怖そうな存在の酔っ払い3人組。大人目線でみてしまうと色々背景を考えてしまいます。またなずなちゃんも最終回で吐露していましたが、別に大人になったからといってなんでも知っているわけではないという事実。夜の遊び方、楽しみ方なんてあまり知らない。酒を飲んだり、ゲームをしたり、散歩をしたり。知識が広いわけではないけれども中学生にとって大人はなんでも知っていて当たり前と思われているギャップを感じながら大人風な演技を重ねる。

でもそこに子どもと大人の違いがありますよね。大人にとっては「それだけ」が子どもにとっては「それだけで」なんですかね。子どもの時の感性で良い気がします。物足りない訳ではないはずなのに物足りなく感じる。でも夜はCreepy Nutsの歌詞にもあるように「夜は誰も責めない、何も聞かない」だけで素晴らしいんです。あるがままに。夜は自分の鏡。

だがしかしの作者の人の絵ってすごい好きなんですよね。非常に楽しかったです。
じぃ

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