ジャンプ系列の王道バトル漫画って感じで、しっかりと面白いのだけれど、これが覇権取れないのは何となく分かる気がする。そう、この作品は王道過ぎるのだ。
付喪神対人間の構図は鬼滅で言うところの鬼、呪術廻戦で言うところの呪霊を言い換えているだけだし、邪悪な付喪神によって兄姉が殺され復讐の付喪神絶対殺すマンとなった主人公はまさに王道、ヒロインが付喪神と共に暮らす設定も王道だし、そんなヒロインとの交流で、主人公の心情が徐々に変化していく流れも何百回は見た王道ストーリー。だからこそ面白いんだけれど、語る所が少なくなっているのは非常に惜しい所だと思う。
だからと言って工夫していない訳ではない。付喪神は鬼や呪霊のように話の通じない相手では無いし、そもそも人間に好意的で善良な物も多いので、完全な敵でもない。むしろ付喪神をあくまで道具として意思を剥奪して操る術者とかもいて、結構勢力図が複雑なのは、付喪神という設定などを活かせていて良かった。
主人公とヒロインのラブコメ展開もジャンプ系バトル漫画ではあまり見ない展開なので新鮮で面白かった。
物語も後半にいくに連れて面白くなってくるので最初に悪くないと思えれば見続けられる作品。ただ他の人も言うようにアニメの作画自体は良くも悪くもない平凡さなので、ドカンとは跳ねない。やっぱり非常に惜しい作品。
