カニ組長

わたしの幸せな結婚のカニ組長のネタバレレビュー・内容・結末

わたしの幸せな結婚(2023年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

 大正時代を舞台にしたなろう版シンデレラ。
 王道なシンデレラストーリーに、大正ロマンな舞台と異能力バトルという大衆に刺さる要素を詰め込みまくった上、高品質にまとめあげているので面白くない訳が無い。
 結婚したからめでたしめでたしじゃ無いという所も面白い。むしろそこが物語の始まりなのだ。主人公の美世は継母と妹、更に実の父親から理不尽な虐待を受けており、お見合いそして結婚も言わば厄介払いの一環だった。幼なじみの恋人は妹に取られ、自分は評判の悪い男の元へと嫁がされる。序盤の主人公虐がとにかくえげつなく、完全に自己肯定感を失っていて、自ら下女の様な振る舞いをする美世の姿も相まって見ているだけでかなり苦しい。だからこそ、嫁ぎ先の久堂家の当主である清霞の不器用だけど確かな優しさ、男前っぷりには主人公共々惚れ惚れさせられる。清霞にちゃんと1人の人間として扱われることで、段々と失くした自尊心や自己意志を取り戻していく主人公もまた素直に応援したくなる、それがこの作品の一つの魅力だ。
 もう一つの魅力は主人公の隠された血筋の秘密。そしてそれを付け狙い、幸せな結婚生活を脅かすクズ共とそんな主人公を守る最強の異能力者の旦那ちゃま、清霞との戦いだ。正直そっとしといてあげてとは思いつつ、ツンケンしながら、妻を守るため真剣に戦う清霞ももっと見たくなる。それぐらいに格好良い。特に美世を傷つけた相手は完膚なきまでに報復するので、フラストレーションを溜めれば溜めるほどその気持ち良さも凄まじい。
 しかし、主人公には幸せでいて欲しいので、2期ではもっと2人のラブラブな結婚生活もピックアップされることを期待したい。
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