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インビンシブル ~無敵のヒーロー~ シーズン1の鑑賞者のネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

出た!エディプスコンプレックスだ!出た!!!

イモータルとかいう本来は主役張っててもおかしくない能力のキャラの上にさらに強いキャラがいるのが面白い。不死って大したことないかも〜。

毎話の「INVINCIBLE」のタイトルの挿し方がオシャレ。このタイプ初めて観たかも。しかも、最初の数話でこのお決まりを観客に認知させておけば、あとはこっちが勝手に「いつ来るんだ!?」ってワクワクする。上手い。しかもしかも、これをep.5ではマスクリヴィールと絡めちゃってね。もう平伏不可避。上手すぎる。回を重ねるごとに血が飛び散って、今後の展開を示唆するというのもオシャレ。

ところでところてん、オムニマンは悪なのか。物事の善し悪しを決めるにはそれを測る物差しとしての価値体系が必要。我々人類やインビンシブルの物差しからすればオムニマンは悪だろう。しかぁし!オムニマンがまったく別の物差しで世界を見ているとしたら!オムニマンやビルトラム人にとっては人類こそが悪である!
そこで問題はどちらの物差しが正しいかということになる。ところがどっこい、物差し自体の正しさも何らかの物差しでしか測れない!というわけで、この善悪の戦いにおいて絶対的な勝敗は存在しない。(たとえどちらかが相手の命を奪ったとしても、それは価値体系の勝利ではない。)
どんな物差しも必然的に相対的である。オムニマンの価値体系がビルトラム人全体に共有されているという事実も、この相対性の印象を強める効果をもつ。
異なる価値体系間の和解不可能性という重要なテーマを描き続けてほしいので、オムニマンが回心するなんてありきたりなストーリーにならないことを祈る。
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