6話しかないのに全部傑作だった。特にティーンエージャー回。初めてこの作品の父親達が最後まともに見えちゃうやつ笑

ティーンエイジャーのラストが好き

相変わらず6話。残念。だが、この6話の中で、カートマン家に大きな変化が訪れたり、トークン・・・いやいやトールキンとスタンの関係も深掘りされる。変わらないのはランディのクズ親っぷりとストッチ家の親から息子にまで受け継がれた馬鹿っぷりだけである。

「トークンの秘密」：25シーズンも続いてきたこのアニメで、トークンに関する「そりゃないだろ！？」という衝撃の事実が明らかに。多分視聴者から話のテーマである秘密に対してクレームが入ったのか、第四の壁を意識したギャグが多い。「は？俺らはずっと○○だって知ってたけど、お前は知らなかったの！？はい、じゃあ差別だねお前、差別主義者！」本当にこんな感じで、やけに攻撃的である。
トレイたちは、あからさまに今そんなクレームつけてくんじゃねえよと言いたげだ。スタンはとある混乱を解決するため、「指輪物語」を読み漁るが、現代の偏った視点から見た頓珍漢すぎる解釈を言い出すので、カートマンにすら「いかれちまった」と言われてしまう。ポリコレによる改変は「サウスパーク」が何度も取り扱ってきたテーマであるし、それでスペシャルを一本作ってもいるが、このエピソードが一番トレイたちのそれに対するホンモノの殺意が露呈していると感じる。

都会人がやってきた：カートマン＆リアン回。カートマンは常日頃から最低発言＆犯罪に平然と手を染めまくるので、熱狂的なファンほどこいつがマジで笑えないやつだということに慣れてしまう。今エピソードは、久々にカートマンの笑えない本性が垣間見えた回だった。カートマンは仕事に就いた母から変化の雰囲気を感じ取り、いつも通り邪魔を始める。これまでのエピソードだったら、リアンはさんざんひどい目に遭ってカートマンの思い通りになってしまっていた。リアン自身に毒親の気質があるからだ。だが、S1に比べてリアンは少しづつだが自立した一人の人間として成長し始めている。そのためか、いつも通り来週には何事もなかったように終わるはずのこのエピソードは、とんでもない終着点にたどり着く。この結末と、リアンの変化が明らかにしているのは悲しき哉、カートマンの永遠の幼児性なのである。カートマンはエピソードの最後までいつも通り自分の非を認めない。これまで何事もなかったように許してくれたリアンが激怒していることも、自分が生活を変えてしまったことも顧みない。リアンが完全に息子に愛想をつかした時も、カートマンは「オイラは何も悪くねえ！」と開き直れるのだろうか・・・。そして、その瞬間は確実に近づいていると感じる。

バック・トゥ・ザ・冷戦時代：ストッチ家＆マッケイさんメイン回。ウクライナ戦争から冷戦を想起する世代の人々を描いた一本・・・ということだろうか？年齢が離れすぎていてよくわからなかった。ぶっちゃけ現在の状況を鑑みると、今エピソードの見通しは現実の倍は甘い一本だと言えるのではないだろうか。アメリカ人は、力による侵略を良しとする男を国のリーダーに選んでしまったのだから・・・。ラストでマッケイさんが過去一のイケボで演説するシーンが笑える。

恐るべきティーンエイジャーたち：久々に子供なイツメンとまともな父親たちが見られる回。10代の若者ってどの国でも一番ウザがられるんだろうなとしみじみ思う。個人的ワーストシーズンであるS20で散々醜態を晒したジェラルドや現在も絶賛面汚し中のランディが、今エピソードでは等身大の9歳児のパパとして頑張る。「クレヨンしんちゃん」的。ラスト、子供を見つめる父親たちのやり取りの切なさ。こんなにかわいいスタンやカイルが○○臭い中学生になるまであと数年・・・。