塔の上のカバンツェル

機動戦士ガンダム 水星の魔女の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

機動戦士ガンダム 水星の魔女(2022年製作のアニメ)
4.0
小学生ぶりにガンダムをTVリアタイしてた。

2022年に放送するにあたり、シーズン1では戦争モノではなく、学園モノのフォーマットを選択したのは英断だったと思う。

2022年という年はロシアのウクライナ侵攻の影響から、日本のお茶の間にとってベトナム戦争以来の本物の戦闘フッテージがTVやSNS、youtubeの個人タイムラインに溢れた異色の年だったと思う。

本物の正規戦の映像に視聴者がアクセスしやすい状況下で、戦争ジャンルとしてのガンダムでリリースしていたらここまでのスマッシュヒットは望めなかったんじゃなかろか。

そして本作、女の子同士のキャッキャウフフ、1人の女の子を女の子と男の子らが取り合う王道学園ハーレムものの装い。
ていてい(尊さ)が溢れる少女漫画の愉しさ。

そこに差し込まれる悪意すら感じる不穏なフラグの数々。
前半部でユルフワで油断させつつ、後半で絶望に叩き落とす予感は「輪るピングドラム」みを感じるわけで。
常に上げて落とすという意味では、個人的には同2022年の「鎌倉殿十三人」にも通じる脚本の悪意の妙があったとも。

主人公スレッタちゃんが、12話観るまでは赤毛で褐色、背が高く、たぬき眉毛で強い女の子という好きなキャラデザだったけども、最終的に主人公が皆んなの倒すべき敵になるやつじゃねえか…?という不穏な気配に泣いちゃいそう。

好きなMSはテロリストのデスルターという人。旧式量産モブMSが好き。

数々の絶望の種蒔きが終わったシーズン1。
いよいよガンダムし始めるシーズン2を首を長くして待つ。ほぼ怖いもの見たさ。