塔の上のカバンツェル

葬送のフリーレンの塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

葬送のフリーレン(2023年製作のアニメ)
3.6
オススメされて観た。
"なろう"系とか"俺ツエエ"系が苦手なので最初は偏見もあって観てた。
要するにノスタルジーを最短ルートで接種しようとするズルい作品なんじゃないかと思って。

見始めるとマイナスイオン系アニメでまったり御飯時に観るのに丁度よく。
普通に最後まで観ちゃった。

この物語のキモは既にラストボスを倒すというゴールを迎えて凱旋してくるっていうとこから第1話が始まる点にあるわけだけど、主人公が長寿のエルフっていう設定なのも相まって老後のアフターライフをどう生きるか、というお話の語り口。

アニメの消費者も高齢化してきて、ライト系のコンテンツで主人公の年齢が中年の作品も多くなってきたけど、今作は不死。

でもノスタルジーの押し付けはそこまでヤダみはなく、どちらかと言うと年齢を重ねていくことで、あぁそういえばあの時のアレはこういうことだったのか…って答え合わせする感覚が誰しもの琴線に触れるんじゃないかしら。

魔王、エルフ、ドワーフ、ダンジョン…
世界史オタク界隈だと、ハリウッドの"トンデモ日本描写"に対して、日本のなろう系で描かれるナンチャッテ中世ヨーロッパを"ナローッパ"と呼ぶんだけど、
一般層にそういうコンテキストが浸透してるんだなぁって意味でも興味深かった。

突然作画がよくなる作品は総じて好き〜