さー

オバケの町のさーのレビュー・感想・評価

オバケの町(2021年製作のアニメ)
3.7
「社会科」という科目を具現化したようなアニメ。この作品に出てくる「おばけ」は、その地域や人々のルーツを知る語り部のような存在。かれらの言葉に耳を傾け、ドキュメンタリー風の番組で報告するおばけクラブのキッズたち。めちゃくちゃ意義のある夏休みの自由研究見てる感じだわ…

舞台となるのは、ロサンゼルスのダウンタウン。中でも、リトルトーキョーやコリアンタウンなど、アジア系移民が多く暮らす場所がピックアップされている。コリアンタウンで、メキシコの文化を学ぶ…なんて、自由の女神もハリウッドサインもブロンド美女もハンバーガーも出てこないけど、とても「アメリカ」を感じた。

実際の映像に、イラストを重ねたようなアニメーションが独特の質感で新感覚。登場人物たちの話し方も、実写のドキュメンタリーっぽくてリアル。この方法は、地域に根ざした今作の内容にすごく合ってると思う。回想場面を積み木で表現するのも可愛い。

多様な文化が入り混じる土地で暮らす子どもたちにとっては、そのひとつひとつのルーツを時間をかけてたどることが、自分や他者を理解する一助になるんだろう。いたって真面目な内容のアニメだけど、ほんわかしたイラストだからとっつきやすいし、何よりおばけクラブの面々(特にゼルダ)が可愛すぎる。マイクの代わりにヘアブラシ使ってるだけでもきゃわなのに、向きにこだわってるの愛しすぎかよ、、

10年近くFilmarks見とるけど、Mark数0の作品に感想書くの初めてや…こんなもんで十分ですかね…
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