蟲師のあこのネタバレレビュー・内容・結末

全26話。

　人でも虫でも動物でもでもない存在"蟲"と共存しようとする人々のお話。
　1話完結作品に地雷が多いのであまり期待はしてなかったんだけど、素直に面白いと思った。理由は後述。
テイスト的には夏目友人帳よりダークで墓場鬼太郎より純粋みたいな感じ。ちなみにわたしは夏目友人帳1話しか見たことないです……（ダメじゃん）

　さて。他の1話完結作品と違って蟲師が面白く思えた理由はなんだろうと考えてみると、この作品が持つ絶妙なバランスに拠るところが大きいのではないかなと思ったんですよね。
　作画の美麗さだとかストーリーの突拍子のなさだとか、なにかの要素が突出して優れてるわけではないのだけど、全体を通して見た作品の世界観が他には真似できないなと。
　1話のなかで一応の起承転結はあるのだけど、落ちきらない結があるのがすごくもどかしくて好きだった。ギンコが全ての悩みをスッキリ解決‼️じゃ展開に飽きがくるし、その結論は結局幸せなの？と考えることが多くて毎回あっという間にストーリー終わってた。

　ところで"蟲"とはなんぞやというところなんですけど、これもう"病"と捉えていいんじゃないかなと思う。病なので絶やすことはできず、人間側が最大限の自衛をもって共生していくしかない。途端にギンコが医者に見えてきますね。
　世界観わかんない！って人はなろう系ブラックジャック改め『病の《根源》が視える天才外科医の俺が世界の救世主になった件について』みたいな話なんだなって捉えたらよいと思います。何のアドバイスだ？
　ギンコ以外の登場人物がほぼ見分けのつかないモブデザインだったのも好感度高かった。

　お気に入りエピソードは、記すことで墨を封印する女の子の話（かっこよくてすき）と、大切な人をうみなおす村（狂ってやがる）です。あと千里眼の子（cv坂本真綾たそ）のお歌がよかった。