個人の演奏、エピソードからオーケストラに収束していくさまが素敵。
オーケストラに主役はいないと彼女たちは言うかもしれないが、それでも定期演奏会の主役は最後の舞台で勇退を飾る３年生たちであって。
そのうえでそれほど思い入れのない部長さんやコンマスの言葉・挨拶にうるっとさせられたのが、果たして本作で味わいたかった感動だったのかという変な罪悪感にも苛まれる。
実力、立場という側面で表面的には青野と遠のきながらも誰よりも親身になって支えてくれた律子の立ち位置がすごくいい。
全体的にアンニュイな雰囲気もラストの演奏シーンの迫力、尺の贅沢感も含めたカタルシスの仕掛けとして作品の色になっていたと思う。
本作の本領は青野たちが部の中心になっていく今後だと思うので第２シーズン以降に期待したい。
