よどるふ

サイバーパンク エッジランナーズのよどるふのレビュー・感想・評価

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本作のベースとなっているゲーム『サイバーパンク2077』は未プレイ。派手なアクションも含んでいる作品だが、「この物語は舞台となっている都市の一側面にしか過ぎないのだろうな」とも思わせる“この世界の片隅に”なスケール感がある。

人工的な身体の変容に適応することによって生まれた「自分は特別だ」という感情。急激に精神が成長することによって発生した軋みを抱えた“崖っぷち”の者たちによる生と死の境界線の疾走。それらは“個”の物語である一方で、“街”が見せる表情のひとつにも思える。

ジャンルとして要素を取り揃えるよりも前に作中用語として“サイバーパンク”を登場させるストレートさが気持ちいい。今石洋之監督は、話のスケール的にも画面の過剰さ的にも、過去作とはまた違ったバランスを試みていると思う。
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