たかが日常、されど日常。
江戸時代に異世界から召喚されて以降、神社の御神体として馴染んでしまったエルフと、そのお世話をするJK巫女による日常・バディ・アニメ。
何か大きな事件が起こるでもなく、基本的には2人のボケ×ツッコミを愛でるのみ。エルフのエルダはすっかり引きこもりのぐうたらヲタク生活に浸っていて、巫女の小糸の悩みは尽きない。
そんな中で時折スパイス程度に挟まれる飯テロ要素、江戸トリビア、そしてひと匙のセンチメンタルがぶっ刺さる。ただの日常系ながら、作画(金髪タレ目という真理)やキャラ描写はじめ土台がめちゃくちゃ丁寧なので、塩加減が光るのだ。
「ただのエルフだから神としてのご利益とかない」と自覚しながら、御賽銭を私欲のために浪費するエルダって冷静に考えるとやべーけれど、実はこれはこれで《神様》の機能を立派に果たしているんじゃあないか、とも思う。
何よりはまず人々から「好かれる」という才、そして変わり続ける世の中で、変わらずそこに居続けてくれることの安心感。しかし、これは同時に人間とは異なる時間的尺度で生きるエルダが抱える切なさへと転じていく。
そこに小糸が、そしてわたしたちが共感したとき、きっと心から思うはずだ。「守りたい、この笑顔」と。
劇中にはエルダの他にも2人、計3人のエルフが登場する。それぞれの中の人には小清水亜美・釘宮理恵・能登麻美子という女傑が終結。エルフたちはそれぞれ厄介な資質を持ってるのだけれど、あまりに練り込まれた声優力の高さに無条件で全員好きになってしまう。起こってんじゃん、奇跡。
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op/edも良い曲・良い映像!