何かしらのしくじりが原因で騒ぎになることをすぐに《炎上》なんて呼ぶようになって久しいけれど、せめてこの映画のラスト15分を観てから使うべきだ。これこそが真の《炎上》、押し寄せる絶望とある種のカタルシス>>続きを読む
たとえるなら、「画期的な魔球を開発したのに、ラスト一投がデッドボールだった」映画。
あの'73年元祖W・フリードキン版『エクソシスト』の正統続編ということで、数えると5作目になるんだろうか。でも『2>>続きを読む
■RWと48の地獄㊹ あと4本!
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…
□戦績
『死霊の盆踊り』等と並ぶ、C級以下映画の代>>続きを読む
まず初めに、これまでのブラナー=ポアロシリーズの中では一番好き。
それは何より、わたしが「推理モノが得意でない」ってことに尽きるんだけれど(脳の容量がフロッピーディスクなせい)…今作は、ホラー/幽霊>>続きを読む
わーお、これはめっちゃ『TAR』!!
今年2023年を代表する1本であろう『TAR』、その原型と言って良い映画だと思う。
「多分に男社会とされる業界でのし上がり、才能と地位を兼ね備えた王のごとき振る>>続きを読む
ダ・ダ・ダ・ダーン、「運命はかく扉を叩く」、そうキメ顔で言ったのはベートーベンだったけれど(諸説)、今作で訪れる《運命》は7回ノックする。入ってますよ。それは登場人物の7人を指すようでもあり、世界創世>>続きを読む
テレレレッテレ~。女は眼で殺す、とはよく言ったもので、徹頭徹尾《視線》の映画だ。
男たちが上から見下ろし踏みつける下卑た視線を、松島ナミ(梶芽衣子)は地獄からせり上がる青い炎のような眼で射返す。孤高>>続きを読む
「ぬいぐるみと話すサークル」=《ぬいサー》で出会った若者たちの日々…
ということで、さぞやゆるふわガーリーでマイメロメロンな世界を想像していたら、ごっそり裏切られる。わたしたちの誰もが逃れられない、コ>>続きを読む
こころを開いてもらうには、まず相手と目線を合わせることから…そんな基本姿勢を、全体で体現している作品だと思った。誰よりも10代、特に半ば頃までの子供たちに受け取ってもらえる物語となるように。
ある事>>続きを読む
ギリシャのレスボス島からエーゲ海を渡り、半島を縦断してトルコのイスタンブールへ。魂に歌と踊りを備えた女・ジャムの旅。
いわゆる「行って帰ってくる話」で、おつかいロードムービー。ジャム(D・パタキア)>>続きを読む
■RWと48の地獄㊸ あと5本!
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…
□戦績
ブロッコリー系。この映画といえば、某ウルト>>続きを読む
底なしの夜にぽっかりと口を開けた満月の下、拘束衣のまま施設を逃げ出したチョン・ジョンソ…この時点で、期待値は戦後最大級風速。
…なのだけれど、その後は意外にも人情譚めいた方向へと進んでいく。何を期待>>続きを読む
THE SMITHSを好きな殺し屋がいても、悪くないだろう。
振り返れば、無類の「殺し屋映画豊作イヤー」だった2023年。『ジョン・ウィック』に『イコライザー』、あと『バレリーナ』とか。そして、今作>>続きを読む
村上龍が『ファイト・クラブ』を書いたら、みたいな映画だと思う。
「みんな想像力が足りないんだ」。
理想と現実のギャップにくすぶる若手警官のシンゴ(加瀬亮)が、ワイルドな青年テツ(オダギリジョー)に手>>続きを読む
役所が婚姻届とセットで配るべき映画部門、100年連続1位。
タイトルからして漂う、薄らとした違和感にこそ答えがある。
ゴーン(いなくなった)・『ガール(少女)』。
『ガール』?確かに今作は、ある美>>続きを読む
権力に挑み一度は敗れた記者と、孤独な凄腕ハッカーのバディが、ある名士一族にまつわる闇に迫るミステリー…いや、これはラブストーリー。
まずD・フィンチャー監督、ここまでの集大成のような作品だと思う。>>続きを読む
洒脱・オブ・ザ・イヤー2023、はこの映画で良いんじゃあないかしら。
1930年代のパリ、映画プロデューサー殺害の容疑者となった、売れない女優マドレーヌ(N・テレスキウィッツ)。同居人の駆け出し弁護>>続きを読む
今年度新作ホラーの中でも推したい掘り出し物!Netflixスルーなのが勿体無い。
舞台はWWII後の修道院。幼い頃、奇跡を目撃し聖少女と祭り上げられたシスター・ナルシサが、新人教師として赴任する。間>>続きを読む
チリの反共独裁者、アウグスト・ピノチェトが実は不死の吸血鬼で、今もどこかで生き永らえていたら…?
そんなワルい発想を具現化した、激シニカル&大ブラックなホラーコメディ。
今年、一部の辺境的映画ファン>>続きを読む
時空を超越しながら生きる人物オルランドの、悪夢の数珠繋ぎか地獄めぐり…そんな大河的な風刺劇が、現代の工業地域や素のままの路上、あるいはデパートで繰り広げられる。
こ・れ・は…ちょっとわたしの中のどの>>続きを読む
■RWと48の地獄㊷ あと6本!
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…
□戦績
Filmarksの作品ページ、今作のあらす>>続きを読む
世界最大のSNS『Facebook』の誕生とそれにまつわる訴訟問題を通して、創始者マーク・ザッカーバーグ(J・アイゼンバーグ)を中心とした人間模様を描く。
まず特筆すべきは、その巧みな《語り口》だろ>>続きを読む
80歳の老人と同じ身体状態で生まれ、歳を重ねるごとに若返っていく男・ベンジャミンの一生。
D・フィンチャー監督作の中でも異色といえる一本ではなかろうか。心理が崖際まで追い込まれ、明日からちょっと他人>>続きを読む
拝啓山崎貴大監督様、『-1.0』なんて、そんなご謙遜を仰らないで下さいませ。徹頭徹尾『プラマイゼロ』、美しいほど虚無い御作でいらっしゃるとお見受け致しましたよ。
何なんだろう、何度も盛り上がりかける>>続きを読む
いま世界で最も「返り血が似合う女」、チョン・ジョンソ主演のリベンジ・ミサンドリー風味・アクション。勝手に、もうすぐ公開の『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』の前菜だと思ってる。
イ・チュンヒョ>>続きを読む
今作の序盤、実写版フシギダネことカマラ・カーンちゃん(I・ヴェラーニ)が家族と住む自宅のリビングは、無茶苦茶に荒らされてしまう。そして最後まで観終わったあとでわかるのは、「Oh、まさにこの映画そのもの>>続きを読む
ガシャーン!ビシャーン!バシャーン!
冷戦下の西ドイツ、ベルリンの空港に一人の美女が到着する。彼女は「飲酒観光をする!」と心に決めており、夜と朝を、あらゆるバー、カフェ、遊覧船を呑み歩く…
これは>>続きを読む
慢性ワン・シチュエーション・スリラー嗜好症の皆さま、受付はこちらです。
緊急避難用のシェルター《パニック・ルーム》が備え付けられた屋敷に引っ越してきた母娘。ようやく一息ついた夜、嵐に紛れて3人の強盗>>続きを読む
■RWと48の地獄㊶ あと7本!
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…
□戦績
えいがってほんとうにおもしろいな。
この手>>続きを読む
ティルダによるスウィントンのための…
今作の原作は、ヴァージニア・ウルフによる同題(※1)の小説。およそ1世紀ほど前に書かれたこの本は、ティルダ・スウィントンという稀代の演者に出会う時をずっと待って>>続きを読む
なんだか『ダークナイト』と並んで女性ウケが悪そうな映画…と認知されてる印象があるけれど、とんでもない。わたしとしては、いま女性にこそ推してみたい。
なぜなら、これは『ベルばら』だからである!
そう>>続きを読む
お金。
生活の中で、何かをしない・できないことの言い訳に最も使われやすいのが、《お金》の問題だろう。《時間》もあり得るが、それも結局は金銭と前後するので大差ないと考えられる。
オギャーの瞬間から(む>>続きを読む
もっとおばかでえっちな映画かと思ったら、なかなかどうして真っ当な青春モノだった。
トコロはモンゴル・ウランバートル、日々ぼんやりと大学に通うもっさり地味子(風)のサロールが、ひょんなことからアダルト>>続きを読む
孤独な富豪の誕生日に、疎遠だった弟がプレゼントした《ゲーム》の招待。
間もなく周囲では不可解な事件が頻発し、立場や財産、ついには生命までも脅かされることになる。これは度の過ぎた悪戯か、はたまた陰謀か。>>続きを読む
R・ダール × W・アンダーソンのワンダフルな短編シリーズ。
ねずみ捕りを呼んだら、ねずみみたいな男が来た話。
今回公開された4編のうち、最もブラックというか怖いのがこちら。ベビに睨まれたカエルなら>>続きを読む
R・ダール × W・アンダーソンのワンダフルな短編シリーズ。
少年期の虐められた記憶を振り返る話。
やはりブルーな世界だ。瞳、コートのボタン、柳の葉。
現実に立ち向かう手段としてのイマジネーション、>>続きを読む