しかしなぜにこんなにも、次から次へとドキハラのシチュエーションを繰り出すことができるのか。宇宙人がどうとかいう話の前に、ただこの引き出しの多さと気前のよさに足を向けては寝られないって気がしてくる。>>続きを読む
『未知との遭遇』から5年、今作は遭遇からの交流へと歩を進めると共に、誰しもにとってHomeとなり得る童話を創り直してみせた。キーワードは『ピーター・パン』(※1)だ。
わたしがむかし今作を観た記>>続きを読む
タイトルは知ってても実際に観たことはない映画選手権でけっこう優勝できそうな気がスピルバーグる。そして内容はといえば、まさに題に違わず「遭遇」に全振りしているため、正直そこそこに地味だ。突如飛来したU>>続きを読む
もちろん悪人ではないけれど、めちゃくちゃ善人ってわけでもない。特殊な能力もなければ、大きな夢追い人でもない。つまり、横道世之介は(劇中でも他の人物が彼を評するように)「普通の人」だ。上京したての新大>>続きを読む
テクノロジーの濫用等によるフェイクに惑わされがちなこの2026年に、「自分で考えて答えを出す」大切さをお子様たちに伝えるための探偵モチーフと掲げられて(※1)始まった『たんプリ』。そしてこの劇場版で>>続きを読む
老人ホームに働きに来ただけなのに…。
Gerontophobia(老いることへの恐怖、老人に対する嫌悪)をメインに据えたお手軽なワンシチュエーションホラーかと思いきや、広く前世代から若者世代へ押し>>続きを読む
コラショ、瞬足、デオキシス。ノスタルジーには陽と陰の両面がある。誰かと「あの頃」を共有する繋がりが、救いになることもあれば長く引きずる呪いになることもあるからだ。そしてそれは容易に反転もする。
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なんだかキュートなデザインでエモめな邦題がついているけれど、原題はばっさり『Chantrapas』=「除け者」。これに違わず、若き映画監督の主人公はどこに行ってもそのたび政治とか経済とかが邪魔して映>>続きを読む
主人公は鶏である。名前はまだない。あとCGでも、ない。
鶏に演技はできないから演出や編集によって巧みに見せているのだけれど、次第に「あの雄鶏メロいわぁ」とか「ちょっと!その卵、あたちの!」とか>>続きを読む
「人間の欲求を侮るな」
「他人のものに手を出すな」
これは主人公トニーがギャングの大ボスからゆめゆめ忘れぬよう言い渡される教えである。その後、ただの移民のチンピラだったトニーはギャング業界でぐんぐ>>続きを読む
ベルイマン最後のあいさつは、やっぱり家族地獄映画で、やっぱりクサレ縁女優リヴ・ウルマンに託された。あの『ある結婚の風景』の続編であり、ウルマン演じる主人公があのあと案の定離婚していた元夫を久方ぶりに>>続きを読む
大手食品関連企業の価格カルテル事件をFBIに内部告発した男の話。事件は史実であり、日本からも味の素が関わっていた大規模なものだ。
推しどころをピックアップするのが難しい映画だった。要するに地味な>>続きを読む
2800年前の叙事詩、元祖英雄物語が、2.5億ドルかけて「定年後うつ」ホラーとして繰り出された。やっぱノーランっておもしろ。
はじめ今作の報をきいたときは「ノーランが古典文学ゥ??」て印象だった>>続きを読む
多国籍の若者たちが共同生活するバルセロナのアパートで、なんやかんやあれやこれやの一年を過ごす。ここはまさにEUの縮図といった風情で、ステレオタイプと個性がぶつかる場。地続きゆえの因縁と親密。その点、>>続きを読む
バカンス中に預けていた飼い猫がいなくなり、捜索を続ける中で街のさまざまな人々と縁ができていく話。
主人公クロエの設計がおもしろい。というのも、実にフワフワしているのだ。仕事もプライベートもいまい>>続きを読む
ナチュラルフランケン顔のマット・スミスと薄幸キツネ顔のモーフィッド・クラークが夫婦をやるというのだから、呪いくらい生まれてもおかしくなかろうなのだ。
彼らが経験するとある大きな喪失、その隙間を埋>>続きを読む
後編となる今作は、総集編よりも完結編、あるいは完全版、いや卒業祝いという呼び名が相応しい。今作の締めの言葉には、観るものたちもまた長くかかった(かけてくれた)門出に立ったことを思わせられずにはいられ>>続きを読む
国も時代もわからない、世界の終わりのようなモノクロームの荒地で、二人の男が小競り合う。その中心となるアイテムはポール(棒)だから、つまりこれはアベルカインの伝統を裏切らない男の尊厳akaちんちんを奪>>続きを読む
開幕に映るのは、少女がのぞく万華鏡の光景だ。カラフルで多様、だが同時に脆く移ろいやすい…そんなイメージは、そのまま台北の夜市へと引き継がれる。ヒトとモノがひしめき、何かが起こりそうな予感のエネルギー>>続きを読む
人にはたまに「名前負け」とか言われてしまう例があるけれど、それなら今作は「サントラ負け」だ。映画の内容とカーティス・メイフィールドが手掛けた音楽との間には、えなりかずきの本名が鬼瓦厳十郎だったくらい>>続きを読む
AI肯定派か否定派かと問われたら二つ返事で肯定なのは、ひとえに一家に一台美少女アンドロイドメイドの未来にbetしてるからに他ならない。近頃のフィジカルAI関連の躍進など見ているとまるきり夢ではなさそ>>続きを読む
まことの恋愛映画に必要なものは何か?
運命的な出会い?違う。甘いキスシーン?違う。答えは一択、ゲロである。吐瀉物すなわち腹の内くらい見せ合えてはじめて、互いの愛なるものがただ自分本位な錯覚ではない>>続きを読む
歪んだ自己愛の話。承認欲求という言葉が人口に膾炙して久しいが、言い換えれば「愛されたい」という単純で普遍的で切実な願いに他ならない。健全な自己愛を育めないと、他者にその分を委ねようとしてしまう。>>続きを読む
『まどマギ』とは戦いの物語だった。人が存在する限り、時々で姿や呼び名を変えようと世に生まれ続ける不条理や不協和(それらは「呪い」と名付けられた)と、どのように向き合い折り合って生きていくか。それは今>>続きを読む
西に『バックルームズ』ありし頃、東に『ガマランド』ありと人は言ったかもしれないけり。
あちらが大型家具のショールームなら、こちらは寂れ切った遊園地…というかかつてデパートの屋上にあった遊戯場に近>>続きを読む
どうしてもある程度は結局びっくりモンスターハウス映画になってしまう…のは否めないんだけれど、The Backroomsというコンテンツの拡張性を踏まえると、全体的に良いバランスに落とした気がしている>>続きを読む
百万円って、子供のころは途方もない夢に思えたけれど大人になるとなんとも微妙な金額だとわかる。もちろん大金であることに変わりはないものの、人生を一発で変える(買える)ような金ではない。インド旅行に行く>>続きを読む
映画の中でクイーンが流れるや否や、ついつい「満点!」「今年ベスト!」とか叫びながらパン一で隣家の食卓に突撃しそうになってしまうから困る。いかんいかん、そこを社会人として二枚目の舌を噛みつつ我慢して水>>続きを読む
強いデフォルメの効いた、見ようによっては歪んでいるともいえそうなデザイン・線。しかし見始めればものの数分で、絵本のような温かさと曲線がもたらす生命力に気づくだろう。そしてこの二面性はそのまま主人公ジ>>続きを読む
結末に至るまでのうねりとでも呼ぶべき力学が、目に視えるような映画だった。はじめは散らばって覚束なかった輪郭が、徐々に丁寧に収束し、思わぬ形に花開く。見知っていたはずのものごとが違う顔を覗かせる。簡単>>続きを読む
獄中で人生を終えんとしている老人の回想録…って、渋ぅ。アニメ映画が年々ごんごん派手さを競うこの国で、この題材を選ぶ意気込みの引力。
老人を嘲り時に責めるようにダミ声で話しかけてくるのは一輪のホウ>>続きを読む
子育てとは過言ではなく「戦い」で、子供とは文字通り「モンスター」…そんな喩えにマジレスせんとばかりにぶっこむ育児地獄ホラーは、産後うつをわかりやすく具象化しつつ、北欧らしいフォークロアなんかも巻き込>>続きを読む
西に『オブセッション』ありし頃、東に『Erica』ありと人は言ったかもしれないけり。
こちらのほうがもっと単純だしインディーズ感/劇団感/アットホーム感ある仕上がりではあるんだけれど、見えてる地>>続きを読む
タコが孤独な人々の縁を繋ぐ話。…とはそれタコに、いやイカにと思うかもしれないけれど、考えてみればタコ様は8つも足が(ついでに脳も)あるわけだから縁繋ぎ効率はかなり高いことが推測されるのである。前向き>>続きを読む
謎解きと人情のハーフ&ハーフ。するってえと何かい、とか言いたくなるトーン。ちょっと三谷幸喜風にコミカルな場面も多く、並み居るスターキャストの皆々様が楽しそうでいらっしゃる。
仇討ちに代表される仁>>続きを読む
片野坂亮というお名前を覚えておきたい。登場人物はほぼ3人きり、40分ほどの中編で、まことの絶望の在り処を克明に切り出した。
それは、愛することも憎み切ることも叶わない先に知った諦めにあるのではな>>続きを読む