ちょげみ

偽物語のちょげみのレビュー・感想・評価

偽物語(2012年製作のアニメ)
4.6
物語シリーズ第二作目となる本作。

原作でもそうなのですがアニメにおいてもこれからの方向性が明確に打ち出され、進むべき路線が決定したような感があります。

前作でも見られたような小気味良くてテンポの良い雑談と言葉遊びの数々、個性的なキャラの軽妙な掛け合いはいまだ健在、というかますます磨きがかけられ、我が道をいく独特な映像表現には相変わらず圧倒させます。


そして肝心なストーリーも秀逸。
今作は阿良々木暦とその姉妹、阿良々木火憐と阿良々木月火の物語です。

阿良々木火憐と月火は「栂の木二中のファイアーシスターズ」と呼ばれ、正義のツーマンセルとして地元の中学生の羨望を一身に集める姉妹。
そんな彼女ら(正確には火憐)が本物の(もしくは偽物の)悪党である貝木泥舟と対峙して、
「偽物の」正義を看破される物語であり、
人間ではない、しでの鳥という怪異である「偽物」の人間であり妹である月火の物語であり、月火を退治しにきた専門家から妹を守る「偽善者」である阿良々木暦の物語でもあります。

ただ、本作の大きな魅力として触れなければならない点がもう一つ。
見事なストーリー展開を際立たせる要素としての劇伴、いわゆるBGMがあると思うのですが、本作はこれがめちゃすごい。

音楽にとってまったくの門外漢である自分でも思わず瞳孔が最大限にまで開いてしまうような、全身の細胞が歓喜の歌を叫び出すような優れたbgmが矢継ぎ早に繰り出されます。

正直言ってこれほど状況に即していて、アニメの中身を際立たせる劇伴は他に知りません。
今作品の劇伴を担当した神前暁先生の魅力が遺憾なく発揮されていて、、、というか、物語シリーズが大成功した理由の大部分は神前先生の手腕に起因するのでは、、、?

まあ、とにもかくにも、物語シリーズ2作目にして早くもそのスタンスを確立させた本作。
個人的には物語シリーズのアニメの中では一番好きです。
 
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