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藤子不二雄A 夢魔子のmidoredのレビュー・感想・評価

藤子不二雄A 夢魔子(1990年製作のアニメ)
3.5
夢魔子と名乗る謎の美女が人々の願望を叶えてゆくアニメ作品です。簡単に言えば『笑ゥせぇるすまん』の女バージョンです。どこからともなく現れて、別れも言わずに去ってゆくあたり、楳図かずお『おろち』も彷彿とさせます。

過不足なく効果的なストーリー構成で、さすがの藤子不二雄ランドだと思いました。見ただけで性格や生活まで分かるキャラクター造形も素晴らしい。一話あたりも短くて全3話なのでサクッと視聴できます。

社会の枠組みにうまく自分をはめこめず葛藤する人たちのお話なので、アンデンティティ確立前の若者が見たらグッとくるかもしれません。

自分は、一話の過干渉な母親が印象的でした。あの母親は自分と息子を同一視しているのでしょう。

息子を支配することで、女の体では一生得られない男としてのパワーを得ようとしてるように見えました。ここまで支配的でなくとも、息子を恋人のように所有する母親もまた目的は同じだと思います。

父親不在家庭というのもポイントですね。

母娘の関係性はよく問題視されますが、母息子にも問題はあるよなと思うお話でした。
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