とんでもなく評価が高かったので一気に見て、今ひっくり返りながら感想を書いてます。ある日同級生が義理の妹になっちゃった!? ってあらすじのKADOKAWAラノベからこんなもんがお出しされるなんて思うわけないだろ
難しい境遇の中でお利口に育って、それゆえに少しこじれてしまっている人間の心を丁寧に、しかも様々な要素を巧みにリンクさせて複雑に描写する上質なストーリー
そして映像と音があまりにも素晴らしい。2人の会話をヒキのカットで長回しとか、その状態で会話ナシ、わずかな挙動で演技をさせるとか、画面や時間の空白を埋めない画作りの姿勢に感動しました
ポストクラシカル的な劇伴や、マジでリアルな生活音、そしてなによりカットが変わるとカメラの置き方に応じて声のボリュームや位相、方向を丁寧に変えているのがほんとにすごかった
ざっくり言ってしまうと「日本映画的なフィルム」で、グリッドマン／ダイナゼノンも近しいテイストがあったように思うけど、ここまでそっちに振り切ったアニメーションは初めてなのでは？
そんで、その日本映画的ってややもすればオシャレぶって表面的に取り入れただけの意味のないノイズにもなりかねないけど、これは感情のドラマを描く作品だからこそ取り入れられたのだろうな、という必然性がよく分かる。紛れもない監督の勝利、海外フォーラムで大絶賛されるのも納得の出来でした。こうなると「義妹生活」ってタイトルも削ぎ落とされててマジでかっこよく見えるよ
先の話も気になるけど、こうなると出来ればアニメーションで見たいので、マジで続編よろしくお願いします
追記:何話だか忘れたけど、一瞬だけ映る浅村くんの部屋の本棚がすごい。これはあの会社の文庫だなってのが見て分かるし、いくらかの本は寝かせて隙間に詰め込んでいるあたりとか、ちゃんと本を読む人の棚の顔をしている。神は細部に宿るってこういうことだよ
