このレビューはネタバレを含みます
イクニ監督は若者の悩みに寄り添ってしかも綺麗事ではない応援を行う。
ウテナもこのアニメも最後は単純なハッピーエンドでも悲劇でもないが、少年、少女たちの気持ちに寄り添った応援歌になっている気がする。
近代合理主義が忘れてきたものを、芥川龍之介のカッパの話をモチーフにカワウソ側の話を膨らませて、合理主義対レビィストロースやカルロス・カスタネダがレポートする世界の対立構造になっている。アマゾンのピダハン族の世界と言ってもいい。
常に社会の課題に押しつぶされそうな子供たちの課題を描く。このアニメでは欲望の果ての資本主義に関係性を分断された子供たちを描いて。しかも自分達の絆の力で状況を改善していく力を描いている。
インタビューとか観ているとチャラい監督にみえるが、作るものは若者へ寄り添う優しさ気持ちに満ちている。