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転生王女と天才令嬢の魔法革命のdendohのレビュー・感想・評価

4.0
百合(GL)が注目されがちだが、同性愛描写以外もとんでもなくリベラルなアニメ。『自由』『伝統破壊』『革命』といったテーマを、王族や貴族を主役に据えながらやってのけてるのは、単純に凄ぇーッ!って感心した。

『反・家父長主義』『女性は感情的、男性は理性的等のアンコンシャスバイアスの否定』『王政や貴族制度の矛盾』等、細々したサブテーマも概ね政治的モチーフで、確信犯的にこれらを選択しながら物語を紡いでいると感じた。

現代日本の皇室が持つ諸問題と重なる部分もある(皇位継承問題とか)。皇室の方々の思想がリベラルっぽいのに、それを支える人達がガチガチの保守ってのも現実に近くて笑える。

これに対して、ニコニコ動画では自民党支持者らしきネトウヨコメントが散見されるが、本作が明確に革新側の作品である事を理解してないように思う。劇中に登場した保守勢力などを学術会議とか言ってるアホがいるが、寧ろあれは神道政治連盟や統一教会のような宗教保守勢力に近い存在だろう。

このあたりは『面白い描写はノットポリコレ、面白くない描写はポリコレ』と都合好く解釈するアンチポリコレスタンスを取る人間が相変わらずオタクに多い故の動きだろう(知ってたけど) 


...と、色々褒めたものの、弟君と決着がつくまではストーリー的に も抑揚あまりを感じられておらず、実はそんなにハマれなかった。なろうアニメでよく見るオタク的言い回しがちょっとキツい。面白かったのは弟失脚後の最終盤で、この感じが続くなら2期も観ちゃう気がするなぁ。

なお転生要素は、最後の告白以外は殆ど活用されてない感じなので、このあたりも今後に掘り下げられるのかな?
あまり異世界転生もの観てないから私が知らないだけかもしれないが、転生前の人格に触れたのって結構珍しい気がする。
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