18歳のマリアは見習いの修道女。ある日、トラップ一家へ9ヶ月の間、家庭教師として派遣されることになりました。彼女を待っていたのはオーストリアの英雄トラップ男爵と、母親を失い心を閉ざした七人の子供たちでした。最初は反抗的だった子供達もマリアの歌と真心で徐々に心を開いていき、男爵や子供達にとってマリアはかけがえのない存在になっていきます。そしてトラップ男爵の突然のプロポーズ。マリアはいっぺんに七人の子供たちの母親になってしまいます。
18歳になったマリア・クッチャラは修道女になろうと決意し、オーストリアで一番厳しい修道院を探しノンベルク修道院を訪ねる。修道女見習いとなったマリアだが、禁止されていることを行い、修道院を出て行くことになる…。
帰る場所が無いマリアに、修道院長はマリアが修道院に残る事を許す。今までの行いを反省し暮らしていたマリアは教育実習の機会を与えられ、子供たちと共に歌を通じて仲良くなる。
家庭教師としてトラップ家にやってきたマリアは、トラップ男爵と、厳しく育てられた7人の子供たちと出会う。子供たちは今までに家庭教師に嫌な思いをさせられていたので、マリアも追い出そうとしていた。
家政婦長マチルダは言うことを聞かないマリアを辞めさせるようにトラップ男爵を説得しようとする。しかし、トラップ男爵は、マリアは今までの家庭教師と違って、子供たちの心を開いてくれるのではないかと期待する。
マリアを心よく思わないヘートヴィッヒは、9ヶ月もマリアがトラップ家にいることを知ってますますマリアを追い出そうとする。ある日、偶然マリアの両親が亡くなっていることを知り、小さなマリアはマリアに心を開き始める。
ヨハンナと一緒に帰るヴェルナーが迷子になってしまった。マリアはフランツやヴェルーナと一緒にヨハンナを探し出す。子供たちはそんな優しいマリアの事を好きになり始める。
今までの家庭教師たちのように、マリアも自分たちを利用してトラップ男爵に気に入られようとしているとヴェルナーは言う。事情を知ったマリアは、子供たちに今まで自分の暮らしや出会った人たちの事を話して聞かせる。
マリアは子供たちとトラップ家の広い庭を散歩中に、服が汚れてしまうという理由何事も禁止されていると知る。マリアは自由に子供たちが遊べるように、汚れてもいいような服を買ってもらうようにマチルダ夫人にお願いするが…。
トラップ男爵の再婚相手となるイヴォンヌがやってきた。しかし、再婚に反対する子供たちはイヴォンヌに冷たくし、追い返そうとする。マリアはイヴォンヌと子供たちがうまくいくようにと、子供たちと一緒に街へ出かけようと提案する。
マリアはミシンを探そうと物置で、弦の切れたヴァイオリンを見つけた。トラップ男爵は、マリアが亡くなったアガタの記憶を思い出させるようなヴァイオリンやミシンを持ち出した事を非難する。
マリアは子供たちに汚れてもいいような服を買って欲しいとトラップ男爵に相談する。しかし、男爵は体の弱い娘のマリアの事を考えて運動をさせることに賛成できないでいた…。
トラップ男爵が留守の間にマチルダ夫人の妹が倒れ、マチルダ夫人は出かけることになった。マチルダ夫人の留守をいいことにミミーやローズィ、ハンスまでも出かけて屋敷にはマリアと子供たちが残されてしまう。
ヘートヴィッヒと仲が良かったナスターシャが引っ越す事になった。トラップ家でナスターシャの送別会を開くことになり、ルーベルトもナスターシャのために木彫りの像を作るが、同級生のアントンがナスターシャに豪華なバレリーナのオルゴールをプレゼントする事を知る…。
アントンのオルゴールが壊れた罪をきせられたルーベルト。マリアはルーペルトを信じるが、アントンは証拠が無いとルーペルトを疑う。怒ったルーペルトはアントンにフェンシングの勝負を申し込む。
マチルダ夫人の誕生日に、マリアは子供たちと森へ出かけ合唱の練習をする。しかし、マルティナがニコラを川で洗おうとし、川に落ちてしまう。
マリアが黙って出て行きショックを受ける小さいマリア。マリアが帰って来ないので不安になった小さいマリアはヨハンナと一緒にノンベルク修道院へと向かう。
ヴェルナーはキツツキの穴を見ようと木に登り、ズボンのおしりを破く。トラップ男爵はそんなヴェルナーに理解を示すが、マチルダ夫人は貴族の子供として恥ずかしいと叱りつけヴェルナーは家を飛び出してしまう。
子鹿の事をみんなにばらされ自分だけの秘密でなくなったヴェルナーは腹を立てて小屋に閉じこもる。ヴェルナーは鹿のケガが治ってからも自分で飼おうとするが、トラップ男爵は野生の動物をペットとして飼うことがどういう事かをヴェルナーに語りかけるのだった。
イヴォンヌが、トラップ男爵との婚約で屋敷に訪れた。子供たちの機嫌を取ろうとイヴォンヌは子供たちにプレゼントを渡すが、ヘートヴィッヒや小さいマリアはイヴォンヌの事が好きになれなかった。
階段から落ちたマリアとイヴォンヌ。イヴォンヌはトラップ男爵と結婚しても子供たちの母親にはなるつもりは無かった。入院することになったイヴォンヌとマリアは二人で子供たちのことについて話すが、イヴォンヌはマリアのアドバイスを聞こうともしなかった。
マリアが退院した事を喜び、歌で迎える子供たち。それを見たマチルダ夫人はマリアにもう少し子供たちと距離をとるようにと叱る。マリアは子供達に冷たくあたるように演技をするが、イヴォンヌはそんな事はしてほしくないとマリアに伝える。
トラップ男爵は婚約を決め、ヘートヴィッヒは婚約を取り消そうと家出をする。ヘートヴィッヒは慣れない街でお金を盗まれてしまう。ヘートヴィッヒは街で出会ったトーマスという少年に助けられ、食事をもらうが…。
マリアが子供たちと楽しくクリスマスの準備をしている様子を見て、マチルダ夫人は婚約の邪魔になると考え、マリアに修道院に帰るようにトラップ男爵に訴える。
トラップ男爵はイヴォンヌから別荘に招待されるが、子供たちと水入らずの最後のクリスマスを大切にして、イヴォンヌの誘いを断る。トラップ男爵はマリアと一緒に、子供たちに内緒でクリスマスツリーの飾り付けをするのだった。
イヴォンヌから再びトラップ男爵へ別荘への誘いがあった。乗り気ではなかった子供たちもマリアが招待されている事を知り別荘に向かう。しかし、ルーペルトだけは浮かない顔をしていた…。
風邪をひいたイヴォンヌの見舞いに、トラップ男爵は子供たちの一人を一緒に連れて行こうとするが、子供たちは誰も行きたがらなかった。トラップ男爵は一人で見舞いへ向かう。イヴォンヌは子供たちを寄宿舎に預けて二人だけで暮らそうと提案するが…。
復活祭が近づきマリアは修道院へ寄付するための刺繍を始める。マリアのまわりに子供たちが集まるが、ルーペルトがヘートヴィッヒを家出娘と馬鹿にする。マリアは自分も昔、家出をした事があると子供たちに幼い頃の話を聞かせる。
アガーテのおねしょが何日も続き、アガーテはマチルダ夫人に怒られていた。しかし、マリアとトラップ男爵はあまり怒るのは逆効果だと言う。突然屋敷にやって来たイヴォンヌは子供と暮らすなら、乳母を雇って叱り役をさせて、自分は慰め役にまわると提案をするが…。
イヴォンヌはアガーテに服を汚された事を怒り、トラップ家を飛び出す。子供たちはイヴォンヌが出て行ったことを喜ぶ。そんな様子を見てマリアはイヴォンヌと子供たちが仲良くなれない原因が自分にあると考える。
マリアが修道院に帰る日が近づき、子供たちはマリアが修道院に帰らないようにトラップ男爵とマリアを結婚させようと考える。トラップ男爵はマリアが自分の事を好きなのかわからないので、子供たちはマリアの気持ちを確かめに行く…。
マリアはトラップ男爵から結婚するなら貴族を捨てるとプロポーズされる。マリアは一度相談のために修道院に帰るが、自分がどうすればいいのかわからず悩んでいた。ドローレンス修練長はマリアにある助言をする。
トラップ男爵は亡くなったアガタの両親に、マリアとの結婚の許しをもらうためにウィーンへ向かった。しかし、二人の結婚にマチルダ夫人は大反対する。マチルダ夫人はとうとうクラリーネと共にウィーンに帰ることになる…。
トラップ一家は近くの湖に新婚旅行でハイキングへ出かける。屋敷に戻るとルーベルトへの合格通知が届き、みんなでルーベルトの合格を喜ぶが、トラップ男爵が全財産を預けていた銀行が倒産したと連絡が入る。
生活のためにトラップ家は一階と二階を下宿として使う事になった。子供たちも何か役に立とうと下宿の部屋掃除を始めようとするが、その様子を見たミミーは心配する。
コンクールでのトラップ一家の歌は評判となり、ラジオ局から出演依頼が入るが、トラップ男爵は子供たちが歌って稼いで欲しくないと断ってしまう。
ラジオで子供たちの歌声を聞いた大統領からの推薦で、トラップ一家はウィーンで演奏会を開くことになる。そんな時、突然ドイツ軍がオーストリアに侵攻しドイツに併合されてしまう。
学校のあいさつまでも「ハイルヒットラー」と言うように強制されるようになっていた。トラップ男爵がナチスを嫌っていることを知った子供たちは、学校でのあいさつをごまかすため、ある方法を考え出す…。
ヒトラーがザルツブルグへやって来ることになり、ナチスの旗を掲げていないトラップ家にドイツ兵が現れ、旗を掲げるようにと命令をする。なんとかドイツ兵をやり過ごすが…。
ハンスがナチスの党員であることがわかり、子供たちもマリアもハンスの前で話をしなくなる。トラップ男爵はドイツの潜水艦の司令官にならないかとヒトラーから誘いの手紙が届くが無視をする。
オーストリアから亡命するため、ハンスにわからないようにハイキングに行くことにして屋敷を出るトラップ一家。駅で合流する予定だったルーペルトが遅れ、駅で一人ルーペルトを待つトラップ男爵…。
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